北欧神話-22 バルドルの死

どうも、元山狐です。

今回は光の神バルドルについて書きます。

彼はオーディンとフリッグの最愛の息子で、神々の中でも最も尊い神の1人として数えられているのですが、あまりパッとするエピソードがありません。

で、ネタバレすると(と言っても記事のタイトルの時点でそうなんだけどw)、今回はそのバルドルが死んでしまうエピソードになるんですが、彼の死後、展開が変わってラグナロクへ発展していくことになります。



バルドルの夢

バルドルはオーディンとフリッグ夫妻の最愛の息子で、光り輝く美しい神で、オーディンの後継者だと言われていました。

北欧神話-8 オーディンの息子たちについて

そんなバルドルですが、ある時期から悪夢に悩まされることになりました。

心配したフリッグが、バルドルにどうしたのか聞くと、バルドルは

「毎晩続けて自分が死んでしまう夢を見る」

と告白しました。

ところで夢占いによると、自分が死ぬ夢は死に方にもよりますが概ねチャンス到来とか、良い事の前兆だそうです。

夢というと、以前
「キリンを飼うことになる」
という妙な夢を見て記事にしてます。
今から見返しても、我ながら馬鹿らしい記事です、(笑)

キリンを飼ってみた(夢の話)

それを聞いたフリッグは

バルドルの夢のことを聞いたフリッグは世界中を回り、ありとあらゆる者(生きてる者、そうでない者含めて)

「いかなる者も、我が息子を傷つけないでおくれ」

と言って回り、それぞれに誓いをたてさせました。

めっちゃ過保護やん!!
まぁしかし、母親の愛情の深さは計り知れないものです。

誓いをたてると、その対象を傷付けることができないって、なんかの魔法なんでしょうか?

それともケルト神話のゲッシュ(禁忌)みたいなもんかな?

ケルト神話について-8 アルスターサイクルの登場人物など

こうしてバルドルは何者からも傷付けられない、体を手に入れることができました。

ロキの悪巧み

こうして完全無欠になって調子に乗った(?)バルドル。

神々の間では、

「アイツには何をぶつけても傷付かない!」

ということで、彼に向かって物を投げつける遊びが流行りました。

これは肉体的にはともかく、精神的に傷付かないのだろうか。(笑)

まぁ、今回の場合はバルドルも得意げなカンジだったように思います。

これに気を良くしなかったのが、北欧神話のトリックスターことロキ。

「くそっ!バルドルのヤツ調子に乗りやがって・・・。
なんとか酷い目にあわせることはできないかなぁ?」

そこで、彼が思いついたのは、フリッグからバルドルの弱点がないかを探ることでした。

ロキは老婆に化けて、フリッグに近付き、

「実はヤドリギだけは、幼過ぎて誓いをたてられなかった。(といってもフリッグは問題視していない)」

ことを知ります。

「これだ!」
と思い付いた、ロキ。

早速ヤドリギを抜いて、鋭く尖らせました。
そして、バルドルの盲目の弟ヘズに

「君もバルドルに物を投げつける遊びに参加しなよ」

と唆しました。

ちなみにヤドリギはアイルランド語でミストルティルテインと呼ぶらしいです。

この名前を聞いて真っ先に思い浮かんだのは昔読んでいた皆川亮二先生の「ARMS」に出てきたナイトの「ミストルティンの槍」ですね。

・・・ま、それは置いといて、今までパッとせず、兄に対して複雑な思いを持っていた(んじゃないかな?という僕の妄想です。)ヘズ。


ロキ
「さぁ、ヘズ!
キミの思いをこのヤドリギに乗せて、バルドルにぶつけるんだ!」

ヘズ
「・・・よ、よし!
じゃあいくよ!
ミスティルテインよ!
我が思いを乗せて、我が兄バルドルを・・・」


ロキ&ヘズ
「貫けェェェェ!」

こうしてバルドルは討伐されて、世界に平和が訪れ・・・間違えました、弟の投げたヤドリギに貫かれて死んでしまいました。

バルドルの死はアース神族だけでなく、巨人族達にも悲しみを与えました。
それ程までに彼は皆に愛されていたのです。

死の国の女王ヘルに嘆願をするが・・・

皆が悲しむのを見て、バルドルの弟のヘルモーズが、死の国(ヘル)に赴き、女王のヘルにバルドルを生き返らせるように嘆願しました。

これにヘルは
「皆が悲しんでいる証拠として、全世界の者がバルドルの為に泣くなら生き返らせてやろう。」
と約束しました。

ってゆーか、死の国を支配する者ともなると、死者を生き返らせることもできるんですね。

ヘルについては薄ーく、この記事にも書いています。

北欧神話-6 ロキについて

ちなみに、前回の記事で、
「魔法の金の腕輪ドラウプニルは、バルドルの火葬の時に薪に置かれていた(バルドルに与えられた)」
といったことを書きました。

で、バルドルはこのドラウプニルをヘルモーズを送り出すタイミングで渡したようです。
それからどういった経緯で、前回のフレイ(スキールニル)の手に渡ったのかはわかりませんが。

話は戻ります。

これを聞いたフリッグは、バルドルの為に泣くように全世界の者達に頼みました。
そしてありとあらゆる者がバルドルの為に泣いたらしいのですが、セックという巨人族の女だけは泣かなかった為、この約束が果たされることはありませんでした。

こうして、世界から光(の神)が失われてしまいました。

ちなみに、このセックという巨人の正体はロキでして、この事件の直後にこのことは神々にバレているようです。
ですが、アースガルズは神聖な場所で、ここではあらゆる者も殺してはいけないことになっています。
そのこともあってか、ロキはすぐに制裁を受けることはありませんでした。

しかし、おそらくはこの時点でロキは
「自分がアースガルズにいる時間はもう長くないだろう」
と感じていたのかな?と思います。

この後、ロキとアース神族達の間に決定的なミゾができる事件があるのですが、長くなってきたので次回に書こうと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。