先日兵庫県立美術館で開かれている「怖い絵」展に行ってきました。
今回の展示は6章から構成される展示で、やはり前半は神話や聖書がモチーフとなるものがメインで、中盤から題材が変わりはじめ、後半は風景や、歴史の1シーンを切り取ったものが多かったです。
怖い絵展のHPでは「怖い絵」の著者 中野京子先生のインタビュー動画がありまして、冒頭で
「絵は感じるよりも、知ったほうが面白い」
と、始まるのですが、僕はこの言葉にえらく共感をしました。
この方の著書を読んだことはないのですが、今度読んでみようかな。
でも買ったまま、消化できていない本も結構あるので少し先になりそうです。汗
ちなみに音声ガイドは吉田羊さんです。
普段はNetflixばっかり見てるので、芸能人に疎いのですが、今まで吉田羊さんを(ひつじ)って読んでました。笑
まずそれで1つ賢くなりましたね!!
会場は日曜日ということもあって、大混雑でした。
この日は別の用事で兵庫に来ていて、時間がなかったのと、
前回の「バベルの塔」展で「次は単眼鏡を持っていこう!」って書いていたのですが、amazonからの荷物がまだ届いていないのと、
これも時間の関係ですが、音声ガイドを申し込むこともできず、
「見た」ってより「通り過ぎた」ってカンジになっちゃいました。orz
夏休みの期間は人が多いから、9月に入って時間がとれたらもう1回行きたいな。
そう思って、今回は作品のリストと、一部の題材について軽く調べたことを書いていきます。
行った感想ってよりは、「予習」ってカンジの記事になると思います。
正直な話、調べている内容もググったらすぐに出てくるような情報を書いているだけなので、読み応えはないかもしれません。
第一章 神話と聖書
作品としては、ギリシア・ローマ神話と聖書に描かれている物語が題材になったものが多かったです。
オイディプスの死
オイディプスはギリシア神話の登場人物です。
実の父を殺して、母親と結婚したので、「エディプスコンプレックス」(フロイトが提示した概念で、母親を手に入れようと思って、父親に強い対抗心を抱く心理現象)の語源になりました。
しかし、彼はただのマザコン野郎ではありません。
スフィンクスをナゾナゾによって倒した英雄で、後にテーバイ(古代ギリシアの都市国家)の王となります。
ディアナとエンデュミオン
ディアナ=ローマ神話の月の女神。(ギリシア神話のセレネと同一視されている?)
エンデュミオン=超絶イケメン
ある日、眠っているエンデュミオンを見たディアナは、彼を見て一目惚れします。
しかし、老いていくエンデュミオンを見て悲しく思ったディアナは父ゼウスに彼に永遠の若さを与えるようにお願いします。
結果、エンデュミオンは永遠の若さを手に入れましたが、引き換えに永遠の眠りにつくことになります。
ステュクスの川
ギリシア神話において地下を流れているとされる大河。
日本でいうところの「三途の川」のような、「この世」と「あの世」を分かつ境界のようなものでしょうか。
この河はカロンという渡守にお願いをして小舟に乗せてもらって渡るとあります。
僕はゲームの「女神転生」シリーズが好きでして、ドラクエでいうところの「おお勇者よ、死んでしまうとは情けない」的なキャラクターが、このカロンです。
オルフェウスとエウリュディケ
オルフェウス=ギリシア神話に登場する吟遊詩人、トラキア王の息子
エウリュディケ=オルフェウスの嫁さん
エウリュディケが毒蛇に噛まれて死んでしまいます。
妻との別れが耐えられないオルフェウスは、竪琴片手に冥界に乗り込みます。
彼の竪琴の音色に、カロンも地獄の番犬ケルベロスも魅了され、皆涙を流して聴き入りました。
そして、彼はついに冥界の王ハデスと、妃ペルセポネと謁見するに至り、妻の返還を要求します。
彼の竪琴に聞き惚れた妃に説得されて、ハデスは「冥界から抜け出すまでの間、後ろを振り返ってはいけない」と条件を付けて、エウリュディケを返してくれましたが、あと少しというところで、オルフェウスは後ろを振り返ってしまい、それが二人の永遠の別れとなってしまいました。
なんとなく、古事記の「黄泉の国」と類似を感じるエピソードです。
僕はこの話を見た時に、ジョジョの奇妙な冒険の四部に出てくる「振り向いてはいけない小道」を思い出しました。笑
(もしかしたらこのエピソードがモデルなのかな?)
オルフェウスの死
前述の話の続きになります。
妻を失った、オルフェウスは女性を断って、オルフェウス教の教祖となります。
(ちょっとぶっとんでますね笑)
ディオニュソス(ギリシア神話の豊穣と酒の神)がトラキアを訪れたとき、オルフェウスは新しい神を敬わなかったので、怒ったディオニュソスは、信奉者のマイナスにオルフェウスを八つ裂きにして殺させました。
(もっとぶっとんでるな笑)
※このディオニュソスとマイナスについては以前いった「世界遺産ポンペイの壁画」展の記事でも触れています。
世界遺産ポンペイの壁画展に行ってきました。(兵庫)
「世界遺産ポンペイの壁画」展の記事
オデュッセウスに杯を差し出すキルケー
オデュッセウス=ギリシア神話の登場人物。トロイア戦争ではトロイの木馬を立案した知将でもある。
キルケー=ギリシア神話に登場する魔女。人を動物に変える魔法を使う。
(キルケーの伝説は泉鏡花の「高野聖」のモデルになっているそうです。)
キルケーの住む島にたどり着いた、オデュッセウスの部下たちは、彼女の差し出した食べ物を食べて豚になってしまいます。
(なんか「千と千尋の神隠し」っぽいですね)
が、オデュッセウスはヘルメスから魔法を無効化する薬草をもらっていたので、魔法が効きませんでした。
キルケーはオデュッセウスに屈して、部下たちを元の姿に戻します。
それで退治・・・と思いきや、オデュッセウスは美しいキルケーに惚れてしまい、1年間キルケーと過ごします。
一見ぶっとんでいて恐ろしい印象のキルケーですが、情に厚い一面があるようで、旅を続けるオデュッセウス達にこの先に待ち構えている怪物達を安全にやり過ごす方法を教えています。
オデュッセウスとセイレーン
セイレーン=ギリシア神話に登場する怪物、歌声で人々を惑わす。鳥の姿だったり、人魚として描かれる。
前述の話の続きとなりますが、キルケーはオデュッセウス達にセイレーンの歌声を聞かないように忠告をしていました。
オデュッセウスの部下達は耳栓をしていましたが、オデュッセウスは「歌声を聞いてみたい」と思って、自分をマストに縛って、耳栓をしませんでした。
そして、予定どおり(?)錯乱したオデュッセウスは、海に飛び込もうとしますが、部下たちは彼がはじめに「絶対に縄をほどくな」と言いつけていたので、なんとかやり過ごすことができました。
なんかダチョウ倶楽部のギャグが頭をよぎってしまいました。笑
っていうかオデュッセウスって実はバカじゃなかったのかな?笑
サウルとエンドルの魔女
サウル=旧約聖書の登場人物。イスラエル王国の初代王。
エンドルの魔女=旧約聖書に登場する、霊魂を召喚する術を持つ魔女。
戦況に不安を覚えた王サウルは、エンドルの魔女にサムエル(ユダヤの預言者)の魂を呼び出すように命じる。
呼び出されたサムエルは「サウルが神から見捨てられ、ダビデが次の王となる」と告げた。(作品はこのシーンを描いています。)
ダビデはサウルに仕えていたが、サウルはダビデを妬んで殺そうとします。
ダビデはそれから逃れて、反逆するチャンスを得ますが、「神が選んだ人に手をかけられない」とサウルに反撃することはありませんでした。
ソロモンの判決
ソロモン=イスラエルの王
二人の女が互いに「この子は私の子だ」と争っています。
ソロモン王は、刀で子供を2つに分けて半分ずつ与える提案をします。
一人(A子さんとします。)は子を二つに分けて欲しい。と言います。
もう一人(B子さんとします。)は、相手に子供を渡してもいいから、どうか殺さないで欲しい。と言います。
ソロモン王「犯人(母親)はB子だ!!」(どーん!!)
これにて一件落着!!
という(?)有名な逸話のシーンを描いています。
スザンナと長老たち
旧約聖書の逸話で、人妻スザンナにいいよる老人2人が(このシーンを描いています。)、スザンナに拒まれたことで逆恨みして「スザンナが青年と密会していた」とでっちあげの罪で彼女を死刑にしようとします。
結局は裁判で、2人の証言に食い違いが出ることで、老人の虚偽の証言が明らかになり、不正な告発者は処刑されます。
黙示録の四騎士
ヨハネの黙示録に書かれている4人の騎士で、彼らが解き放たれると地上の人間は彼らによって滅ぼされる。と言われています。
白い馬の騎士=支配を司っています。
赤い馬の騎士=戦争を司っています。
黒い馬の騎士=飢饉を司っています。
蒼白い馬の騎士=疫病を司っています。(なんかコイツだけちょっと馬の色が中途半端。笑)
ミズガルズの大蛇を殴ろうとするトール
ミズガルズの大蛇=北欧神話に登場する毒蛇の怪物。ヨルムンガンドとも呼ばれる。
トール=北欧神話最強の戦神と言われる。オーディーンの息子の雷神。ミョルニルの鎚という武器を使う。
タイトルからわかるとおり、ラグナロクにおける、ミズガルズの大蛇とトール神の戦いを描いた作品です。
この2者の戦いは、トールが鎚で大蛇の頭を潰して倒すのですが、その際に大蛇の毒液を浴びてしまいトールも絶命。という引き分けの格好で終結します。
最後に
はじめに6章構成と書きましたが、1章が思いの他長くなり、正直疲れました。笑
この次は「2章 悪魔、地獄、怪物」となってます。
それ以降は題材も変わってくるし、僕のブログではそんなに取り上げることもないから文字数は減っていくと思ってます。
あと数回、同じような記事が続くかと思いますが、よかったらお付き合いいただければと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
2017年10月4日追記
今回記事をより楽しんでいただけるように「旧約聖書」についてまとめています。
記事は随時追加していくので、よかったら併せお読み下さい。
旧約聖書についての記事