どうも、元山狐です。
先日有栖川有栖先生の「幻坂」という短編集を読みました。
この本ホラー?に分類されると思うのですが、どこか切なく優しい雰囲気で、ノスタルジックな気持ちになれます。
しかも舞台となる七坂が、職場から近く、これは聖地巡礼しとくっしょ!ってことで七坂を回ってきました。
散歩としてもちょうどいい距離で、大阪の町並みも楽しめました。
書籍の紹介
幻坂
有栖川有栖
角川文庫
前書きにも書きましたが、有栖川有栖先生の短編集です。
ホラーとはいっても恐怖要素はあまりなくて、どこか切なくて胸がキュンとしちゃう!(40手前のオッサンが何を言ってんだw)そんな物語です。
この物語の舞台は大阪市天王寺区にある「天王寺七坂」が舞台になってます。
全部で9編あって7編が坂にちなんだもので、2編は時代ものとなってます。
で、その七坂ですが、地図で調べると天王寺駅から歩いて回れそうだったので、聖地巡礼というよりは、1人ミステリーツアー?みたいなノリで行ってきました。
七坂を回ってみた
実際回った順とは違うんですが、ここは実際の本の順に写真などを紹介していきます。
清水坂(きよみずざか)
本のスタートとなる、清水坂ですが、主人公の少年が小学3年生の頃に遊んでいた、友人とその妹の3人が登場します。
やがて友人兄弟は引越してしまいます。
3人でよく遊んでいた清水寺の玉手の滝の前に佇んでいた主人公は、滝の周囲には咲いてないハズの山茶花の花弁が滝に流れてくるのを見て胸がざわつきます。
そして、その晩主人公の少年は、電話で友人の妹が死んだことを知ったのでした。
って断片的な紹介なので、イマイチ切なさが伝わらないなー。w
まぁ、そういうのは是非本書で味わって欲しいと思います。
坂自体はそんなに急でもなく、長さも100Mあるかないかくらいだと思います。
で、前述の滝がこれですね。
大きさはありませんが、これが大阪市内唯一の滝のようです。
愛染坂(あいぜんざか)
主人公の作家の青年が、この坂で催される祭で、出会った作家志望の女性と恋に落ちるのですが、彼女が作家として花開きだすと2人の関係はうまくいかなくなってしまい、別れてしまいます。
後に、その元彼女が自殺をするのですが、ある日主人公の青年はこの坂の途中で元彼女と思われる女性の霊(正確には足音だけなんですが)と遭遇し、「恋しい」と声をかけ、主人公は坂を上がり、彼女は逆に下っていくという格好で別れます。
この話が、自分的には一番切なくて、お気に入りなんですが・・・というかせっかく行ったんだし、写真も忘れずに貼っておきますね。笑
源聖寺坂(げんしょうじざか)
前項の2話とは雰囲気がガラリとかわって、心霊探偵・濱地健三が活躍するミステリー色の強い話となっています。
これはこれで面白いんだけど、正直他の話と比べて浮いたような印象を持ってしまいました。
口縄坂(くちなわざか)
主人公の女子高生美季は、友人と訪れた口縄坂で猫に出会い、それから猫の多い口縄坂で猫写真のコレクションを作ろうと通うようになります。
その夜から美季は金縛りに遭い、「何か」に舐められるような体験をすることになります。
その話を聞いた、友人は
「猫に取り憑かれたのでは?」
と疑うようになります・・・。
という話の流れなんですが、この作品の中では一番怪談っぽい話で印象に残っています。
真言坂(しんごんざか)
主人公の女性は、9年前に自身(主人公)を助けようとしてストーカーに殺されてしまった、慕っていた男性と真言坂を上り、先にある生國魂神社で会っている(幽霊?)という話です。
この話もすごく切なくて、最後は感動する話となっています。
ここは坂だけじゃなくて、生國魂神社にも参ってきました。
・・・とまぁこんなカンジで、他天神坂、逢坂も回ってきました。
逢坂は車がバンバン通る道なので、あんまり雰囲気がなかったかな・・・。
この日一番衝撃を受けたもの
で、この日一番衝撃を受けたものがこちらです。
日本刀は赤ちゃんから大人まで、
今日誰でも買って
お持ち帰りいただけます。
と書いています。
え!?銃刀法違反は!?
と思ったのですが、銃砲刀剣類登録証が交付される刀に関しては、特に免許だったり警察の許可は必要ないみたいです。
あ、今回の話と全然関係なくて、ごめんなさいね。笑
でも坂を全て歩いて、ちょっと暗くなり、疲れた僕の目にはとても衝撃的に写ったもんですから。
最後に
実は祖母の墓が、この七坂付近にあるお寺にありまして、墓参りや法事の際には、天王寺から歩いていっています。(別に最寄りの駅ではないんですが)
この七坂の話を娘にもしたところ、ちょっと興味を持っていたので、近々また2人で七坂巡りをするかも知れません。
大阪の町並みと歴史も楽しめるので、幻坂を読んでいる、読んでいない関係なしにおすすめの散歩コースだと思います。
まぁ、もちろん読んでからいくと尚楽しいんじゃないでしょうか。
ということで、かなり久々の書籍関係の話でした。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。