北欧神話-18 トールのウートガルズ遠征-2

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

今回も前回に続いて、トールの巨人の国遠征について書いていこうと思います。

今までトールの足兼食糧として活躍していたヤギくん達と別れ、シャールヴィとその妹レクスヴァが従者として加わって、4人パーティーになったトールたち。

徒歩で巨人の国に向かうトール達の前に、今まで見たこともないような巨大な身体をした巨人と出会います。



徒歩で進むトール達

ヤギくん達と別れて、徒歩で進むトール達。

この時、荷物を持って常に先頭を歩くのはシャールヴィ。
実はこのシャールヴィは俊足の持ち主で、後もこの脚を活かした活躍をします。

そして、巨人の国に足を踏み入れた4人。
やがて、暗くなり始めた頃、トール達は小屋を見つけます。

「よし、今夜はここを宿にしよう。」
トールたちはこの小屋に身を寄せました。

しかし、巨人の国にある、小屋とは?
「これもしかして罠じゃね?」
とか、考えなかったんでしょうか?
ロキは知恵物と言われますが、ズル賢いといった方がマッチしていて、思慮深いというわけでもなさそうです。

トールは力自慢。
ロキはズル賢い。
シャールヴィは俊足。
ではシャールヴィの妹、レクスヴァは・・・特にこれといった特徴は無さそうです。

ナゾの巨人と遭遇

小屋で休むことにしたトール達ですが、夜中に凄い物音と唸り声が。
まるで地震がきたかのように建物はグラグラ揺れました。

みんな飛び起きて、この唸り声に震えていましたが、トールだけはミョルニルを握りしめて一晩中番をしました。

夜が明けて、まわりの様子が見れるようになるとトールは外に飛び出しました。

すると、近くの森の中に、とてつもない大きな巨人が横になってイビキをかいて横になっていました。

「昨日の物音はコイツのせいか!」
トールはミョルニルで、この巨人を叩き潰してやろうと思いましたが、少し躊躇いました。

そうこうしている間に、巨人は起きて自らをスクリュミルと名乗りました。

更に昨晩トール達が小屋だと思い込んで一晩過ごしたのは、実はスクリュミルの手袋でした。

スクリュミルはトール達と道連れでいきたいと言いだし、トールもトールも特に断る理由がなく(個人的にはめっちゃあるやろ(笑)と思いますが。)、一行はさらに1人を加えて進むことになりました。

スクリュミルに翻弄されるトール達

スクリュミルはトール達の荷物を持ってくれましたが、大きさの分進むのが早いのでトール達は必死に走ってついていくのがやっとでした。

日が落ちて、一本の大きな木を見つけ、一行はここで野宿することにしました。

そこでスクリュミルは、夕飯も食べず、横になったかと思うとすぐに寝てしまいました。

トール達はお腹を空かせていたので、スクリュミルに預けた荷物(食糧が入っている)から食糧を取り出そうとしますが、荷物の結び目が解けません。

みんなで代わる代わる散々挑戦しましたが、あかず腹を立てたトールは八つ当たりにスクリュミルの眉間にミョルニルを振り下ろしました。

普通の巨人なら、この一発でオダブツですがスクリュミルは
「木の葉が一枚顔に落ちてきたかな?」
と全く効いている様子がありません。

トールたちはお腹を空かせたまま寝ることにしましたが、夜中になると、昨晩と同じくスクリュミルのいびきがうるさくて眠れません。

トールは先程よりも更にイライラして、更に力を込めてミョルニルを脳天めがけて打ち込みましたが、スクリュミルは起きはしたものの、
「どんぐりでも頭に落ちたかな?」
とやはり効いている様子はありません。

そして、ついに夜が明けようとしてきたところ、スクリュミルはすっかり寝込んでいたので、今度はトールはミョルニルを振り回してから、スクリュミルを殺すつもりで、パワー全開で相手のこめかみに打ち込みました。

これにはスクリュミルも飛び起きましたが、
「何かがひどくぶったかったみたいだ!」
とダメージを受けている様子はありませんでした。

そしてスクリュミルは旅の用意をいそいそとしながら、ウートガルズの王について教えてくれました。
※ウートガルズはヨートゥンヘイム(巨人達の住む世界)の都市です。

  • 自分(スクリュミル)よりも大きくて強いものがゴロゴロいること。
  • ウートガルズの王の館は北にあること。

そしてスクリュミルはここから北に向かうので別れると告げ、トール達の荷物を持ったまま森の中に姿を消してしまいました。

北欧神話の世界感については、こちらの記事にも書いています。

北欧神話-1 北欧神話の世界感について

ウートガルズの王の館についたトール達

スクリュミルの言うとおり、東へ東へと向かったトール達。

やがてとてつもなく大きな館にたどり着きました。
どうやらこれがスクリュミルの言っていた館のようです。

中に入ると、たくましくて巨大な巨人が座っていました。
彼が館の主人と思い、トールたちは挨拶しました。

この男の名前はウートガルザ・ロキ
スクリュミルが話していた、ウートガルズを治める王です。

ウートガルザ・ロキはトールのことを知っており、トールは巨人の間でも豪傑として知られていると持ち上げました。

それに気分を良くしたトールですが、その後ウートガルザ・ロキは
「この館に入るには何か人より優れた特技・能力を持った者でないと入れない。」
といいます。

「これは挑戦だな!巨人のクセに生意気な・・・。」
ということで、トール達と巨人たちの特技の競い合いがはじまりました。

ということで、ここからが戦い?というよりは競い合いってカンジになっていきます。

ちょうど区切りがいいので、今回はこのあたりにしたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。