今回はエジプト神話に登場する神、猫の頭を持つと言われているバステト神について書いてみたいと思います。
このブログではヘリオポリスの創世神話と、それに続く格好でオシリス神話について書いてきましたが、特に登場することはなかった女神です。
バステト神はあまり固有のエピソードを持たない神らしいのだけど、一方日本ではかなり有名、というか人気のある神だと思い今回取り上げることにしました。
姿もいくつかバリエーションがある
バステトといえは猫ってイメージがあると思います。
なんか最近バステト神がガチャガチャになってるのを見たことがあるような、まぁそれくらい日本ではバステト神は人気があって、猫ってイメージがあると思います。
そんなバステトですが、初めは猫ではなく雌ライオンの頭を持ったイメージだったようです。
頭をまるっと代えたとしたら、こんなカンジかな?
まぁ、これはこれでアリなような・・・。
ちなみにこのライオンのイメージは後述する、「ラーの目」と呼ばれる物語に因るものなのかな?と思います。
ちなみに手に持っているのはシストラムという古代エジプトの楽器で、儀式などで神殿の巫女が使う楽器だったようです。
バステト神が崇拝されたのは下エジプトのブバスティス(ヘリオポリスの北東にあたる)という古代エジプトの都市が中心でした。
この都市では、猫は聖なる動物とされていて、猫のミイラが多数地下都市に埋葬されていたようです。
ラーの目から生まれた(?)
バステトの前身は荒ぶる獅子の女神セクメトと(いう説)が伝えられています。
Wikipediaより引用
ラーは自らを崇め敬わない人間を滅ぼすため、自らの片目(右目とも左目とも)を雌ライオンの頭を持つ破壊の女神セクメトに作り変え地上に送り、人間界で殺戮のかぎりを尽くさせた。
上記に書いたとおり、ラーは一時期民の敬いを失ったことがあり、いら立って自身の片目を破壊の神セクメトに作り替えて人間界に送り込みました。
セクメトは人々をシバきまくりました。
人間も軍隊を編成してセクメトに対抗しましたが、まったく敵いません。
って、時代設定がおかしいだろ!
しかも1台戦車じゃなくて、洗車がいるじゃないか(笑)
・・・まぁ、そんな冗談はさておき、セクメトによる殺戮が続き、オシリスらの意見もあって、ラーはセクメトにこれ以上人間を殺さないように説得をしました。
が、セクメトは既に殺戮を繰り返すうちに、人々の血で喉を潤すことに取りつかれてしまっていて聞く耳を持たず、ラーは生き残った人間たちに大量に真っ赤なビールを作らせて、次にセクメトが破壊しにくるであろう場所にぶちまけました。
それを見たセクメトは、このお酒(ビール)を人の血だと思い、飲み干しました。
そして、大量の酒を飲んで酔いつぶれたところに、ラーがこっそりと近づいて、セクメトの恐ろしい力を抜き取りました。
そして、セクメトから憎しみを除いて新しい神を創りました。
これが、猫の神バステトだと言われています。
(このブログにも何度か登場しているハトホルという説もあるようですが)
前項に書いた、「初めの頃の雌ライオンの頭を持ったイメージ」 = セクメトなんじゃないかな?と思っています。
冒頭の文章で、「バステト神はあまり固有のエピソードを持たない」といったことを書きました。
実は、エジプト神話の初回に出てきた湿気の神テフヌトと同一視されることがあったり、セクメトが創りかえられてハトホルとなった説もあることから、ハトホルと同一視されることもあります。
そういった見方によって、夫が大気の神シューだったり、プタハというメンフィスで信仰された創造神だったりと様々な性格を持ち合わせる少々複雑な神であると言えそうです。
ところで、バステトってゲームだったり、創作物にも出てきますよね。
名前を聞いて、パっと思い出す作品ってあります?
僕はやはり、ジョジョの奇妙な冒険 第3部 のエジプト9栄神 バステト女神 カードの暗示のスタンドをもつマライアですかね?
このシーンがインパクトありすぎますね。(笑)
他のエジプトの神々もこんなカンジで小エピソードを交えながら紹介できればと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。