ケルト神話について-5 フォモール族について

前回は、ダーナ神族の神々をご紹介しました。

今回は、敵対する「フォモール族」について書いてみたいと思います。



バロール

魔眼バロールの異名を持つ、フォモール族の長
フォモール族の王で、「魔眼のバロール」の異名を持つ。
(この名前を聞いたことのある人も多いのでは?)

彼の魔眼は、普段は閉じていて、視線で相手を殺すことができると言われています。
瞼が重いので、開けるためには大男が4人がかりで鉤爪を使って開けるのだとか。

これはもともとの能力ではなく、彼が子供の頃、彼の父のドルイド達が毒の魔法を準備していた時に、煙が目に入ってしまってこの能力を得たとあります。

フォモール族の長ということだけあって戦闘には長けていて、第2次マグ・トゥレドの戦いでは、ダーナ神族の長ヌァザを倒します。

彼は預言者に「孫によって殺される」と預言されてまして、孫であり、ダーナ神族側の光の神ルー(前回の記事で取り上げています)を恐れ、いろんな策を講じましたが、最終的にはルーに倒され預言は的中します。
(倒され方はソースによってマチマチでして、統一性はありません。)

彼が倒されたことによってフォモール族の負けは決定化し、ダーナ神族がアイルランドを支配することになります。

ブレス

神族と魔族の血を引く、美しき王
ブレスはフォモール族の父と、ダーナ神族の母の間に生まれます。
ヌァザから王の座を譲られますが、彼の政策は、ダーナ神族に苛烈な税を課したり、過酷な肉体労働を強制するものでした。

前回紹介した、戦いの神オグマには、息子で詩人のコープルがいました。
このコープルが「ブレスは王の器ではない」という風刺をしました。

この風刺がアイルランド初の風刺詩となります。
ケルト文化ではドルイドが重要な役割を持ってまして、ドルイドとは、司祭、政治的指導、詩人たちを指します。

ケルトでは文字で伝えるということはしない、口伝の文化だったので、後世に伝えることができる詩人はとても重要な役割とされていました。
詩人はとても大きな力を持っていたと言われ、詩人の言うことを聞いて、自らの首を差し出す王もいたと言われる程です。

「ペンは剣よりも強し」という言葉がありますが、言葉や情報の伝達は、暴力などの直接的な力よりも影響力があったんでしょう。

話は戻りまして、後にヌァザが腕を取り戻すと、ヌァザはブレスから王の座を取り返します。
そのことに不満を持ったブレスは、フォモール族の後ろ盾を得て、第2次マグ・トゥレドの戦いに突入することになるのです。

最後に

今回はちょっと短くなりました。
次回は、マグ・トゥレドの戦いにおいてダーナ神族を支援する格好で登場する、「戦いの女神たち」について書きたいと思っています。
(おそらく今回よりも更に短くなります。笑)

ところで、今回紹介したバロールなんですが、「バロールの魔眼」ってキーワード、漫画だったりRPGで聞いたことあるな~。って人多いと思うんですが、みなさんは何を思い出しました?

「七つの大罪」に同名のアイテムが出てきますよね。

ドラゴンボールでいうところの、スカウター的な相手の闘級を計測するアイテムです。

僕は、「ARMS」って漫画の「キース・バイオレッド」を思い出しました。

ちょっと年代が出ますね。笑

では、最後までお読みいただきありがとうございました。