ギリシア神話-29 英雄ヘラクレスと10の難業(3)

どうも、元山狐です。

今回もヘラクレスと10の難業について書いていきます。

前回ヒュドラという怪物(とついでに蟹)を倒したヘラクレス。

しかし、これは功績としては認められず、ノーカウントとされてしまいました。

そんなヘラクレスにエウリュステウスが次に出した難業は
「ケリュネイアの牝鹿(めじか)を生け捕りにすること」
でした。

初めて出された捕獲ミッション、ヘラクレスは達成することができるのでしょうか。




今回は退治ではない

冒頭でも書きましたが、初めての難業(ライオン退治)、前回の(失敗とされた)難業(ヒュドラ退治)は怪物を退治する。
といった内容でしたが、今回は「生け捕りにしてこい」ということで、ヘラクレスにとっては初めての捕獲ミッションとなります。

今までの難業でヘラクレスが得た、ライオンの爪や、ヒュドラの毒では生け捕りにすることは難しく、倒すよりも捕獲する方が難易度的に高そうですよね。

牝鹿=聖獣

更にこの牝鹿は女神アルテミスの聖獣で、5頭の兄弟らしく、他の4頭はアルテミスにより捕まっていて、アルテミスの戦車を引いていましたが、この牝鹿だけは脚が早く未だに捕まっていません。

アルテミスについては、以前の記事で紹介をしましたが、弓矢の名手で狩猟の女神と紹介しました。

狩の神ですら捕まえられない鹿を人間が!?

ということで、かなりの難題を与えられたヘラクレス。

で、ヘラクレスはどうしたか

正解
「1年間かけて一生懸命に追いかけて捕まえました」

うーん、普通!笑

なんか知恵を働かせたり、神からマジックアイテム的なものを借りるとかなかったんだね!

詳細に書くと、ヘラクレスは牝鹿を捉えるために水を飲んでいた牝鹿の脚を射て捕らえました。

そして、帰還する最中で偶然アルテミスの双子の兄アポロンと会いました。

アポロンは、ヘラクレスが脚を負傷した牝鹿を捕らえているのを見て、ヘラクレスが牝鹿を傷付けたと思い、アルテミスとともに激怒しました。

しかし、ヘラクレスがエウリュステウスが課した10の難業の達成の為には必要だったことの説明と、達成後はアルテミスに牝鹿を必ず献上すると約束すると、アポロン、アルテミスともに納得しました。

ってゆーか、ヘラクレスにエウリュステウスに仕えて難業を達成するように神託を授けたのはアポロンですし、そこは聞かなくても事情わからんかったんかい。って気もしますが。

難業を命じたエウリュステウスは
「ヘラクレスが、捕らえる際に牝鹿を傷付け、アルテミスがヘラクレスを恨み、罰するのと」
を目論んでいたのですが、この偶然の遭遇があったことで、それも台無しになりました。

ざまぁ。です。
ってゆーか、ちょっと策が回りくどいです。

で、捕らえた牝鹿は

捕らえられた牝鹿はエウリュステウスに難業達成の報告をした後、約束どおりアルテミスに献上され、牝鹿は他の4頭と共にアルテミスの戦車を引くことになったとさ。

めでたし、めでたし・・・なんかなー?牝鹿は少し可哀想な気がします。

最後に

この記事の文中で、エウリュステウスの策が回りくどい。って書きましたが、実際に1年かかったんだから、「生け捕り」はヘラクレスにとって、「退治」よりも難しかったんじゃないかって思います。

そう考えると、エウリュステウス的にはこういうミッションでヘラクレスを葬るのがベターなのかな?と思います。

で、実際に次の難業も「生け捕り」です。

エウリュステウス的にも
「今回は惜しかったが、いい線いった」
と思ったんでしょうか。

この難業について書く前は、一つの記事で複数の難業を紹介するつもりだったんですが、結局1記事1エピソードになっちゃってますね。

このペースだと来月もまだヘラクレスのことを書いてるかも知れんな・・・と、いうか多分そうなるでしょうね。笑

では、最後までお読みいただきありがとうございました。