どうも、元山狐です。
今回でヘラクレス関連の記事もようやく最後となります。
数ある英雄の中で、最も多いエピソードを持つヘラクレスとは言え、一人の英雄を紹介するのに15回以上かかってしまいました。
でも他の(僕が紹介しようと思っている)英雄達は、ヘラクレスに比べるとかなりエピソードが少なく、コンパクトにできそうなので安心しています。(笑)
ケンタウロスのネッソス
前々回の記事で10の難業を終えたヘラクレスは、冥界で出会った英雄メレアグロスに妹を紹介されて、ディアネイラを新たな妻として迎えました。
結婚した2人はしばらく、ディアネイラの住んでいたカリュドンで暮らしていましたが、やがてトラキスという街に移住することにしました。
※トラキスの王はヘラクレスの親戚でもあり、最も親しい友だったそうです。
トラキスに向かう旅路の途中で、エウエノス川を渡る必要があり、岸には川を通行人を向こう岸まで運ぶ仕事をしているネッソスというケンタウロスが暮らしていました。
そこで、ヘラクレスは渡し賃を払って、ディアネイラを向こう岸まで運ぶように頼み、自分は1人で川を渡ることにしました。
先にディアネイラを抱えて向こう岸に着いたネッソス。
ネッソス
「よく見るとこの娘、超絶美人じゃん!」
そう、彼はムッツリスケベ?だったのです。
ディアネイラの魅力に理性をなくした彼は、突然ディアネイラに抱きついて、ナニをいたそうとしました。
妻の悲鳴が聞こえ、向こう岸を見ると、自分の妻がケンタウロスに襲われています。
怒ったヘラクレスは、川の中から矢を放って、変態ネッソスを射殺しました。
死ぬ間際に、正気に戻ったのか、ネッソスはディアネイラに愚行を詫て、自らの血を取っておくように助言しました。
彼が言うには、ネッソスの血は
「肌に塗ると、失われた愛を取り戻すことができる」
というのです。
実はそれは真っ赤なウソで、猛毒だったのですが、素直なディアネイラは変態ケンタウロスの言うことを信じてネッソスの血を集めて保存しました。
※実はネッソスは本当のことを言っていたが、ヒュドラの猛毒で射抜かれたせいで、血に猛毒が混じってしまったのかもしれません。
ヘラクレスの浮気
時は更に経った後のこと。
ヘラクレスはオイカイアという街に攻め入りました。
この街の王にはイオレというたいそう美しい娘がいました。
ある日、街で弓の競技が開かれて、
「優勝者にはイオレを妻として与える」
と宣言されていました。
その大会に参加し、難なく優勝したヘラクレスでしたが、王はその約束を反故にしたのです。
なんかヘラクレスって毎回王に約束破られてますね。笑
そんな過去の恨みを晴らす為に、オイカイアに攻め入ったという訳です。
新しい妻もいるんだし、そんな過去のことどうでもいいじゃん。とか思うんですが、ヘラクレスは王とその息子たちを殺し、イオレは捕虜として捕らえました。
そうです、この男、未練タラタラだったんです。
捕虜という体裁で、自分の側にイオレを置いたのですが、実際には愛人として夢中で寵愛しました。
夫の浮気を知ったディアネイラは
ヘラクレスがイオレを寵愛していることを知ったディアネイラ。
悲しみもしたでしょう。
憎しみも抱いたでしょう。
しかし、願ったのは
「移ってしまった夫の愛が戻ってくること」
でした。
そこで、ディアネイラはネッソスの血のことを思い出し、ヘラクレスの下着に血を塗って使者に届けさせました。
ヘラクレスの最期
何も知らずにその下着を身に着けたヘラクレス。
下着ってきっとパンツですよね。
そこから猛毒が流れてくるのだから、超絶苦しそうです。
苦悶しつつ、下着を自分から剥ぎ取ろうとするヘラクレス。
しかし、下着は肉にすっかり付着し、剥がそうとすると肉まで一緒にむしり取られてしまいました。
肉ってのは一体どの部位なんだろう・・・もう書いているだけで痛いです。笑
しかし時はすでに遅し。
既に猛毒が全身に回ってしまい、もう手遅れです。
ヘラクレスは猛毒の苦しみに悶ながら、自分をオイタ山の頂上に運ばせることにしました。
一方、ヘラクレスのことを使者から聞いたディアネイラは自分が犯してしまった過ちを知り、自害しました。
本当にヘラクレスのことを愛していたんでしょう。
そうしている間に、オイタ山の頂上についたヘラクレス。
自分を火葬するために、薪の山を築かせ、その上に身を横たえると、火を付けさせました。
こうしてヘラクレスは最期を迎えました。
彼の魂は天に昇り、数々の功績が認められてオリュンポスの神々に迎え入れられました。
ゼウスはヘラにヘラクレスと和解するように命じました。
ヘラも過去のことは水に流し、ヘラクレスを我が子同様に見なすことを誓いました。
ってゆーか、ヘラクレスの方が、この時点では恨み深いですよね。笑
まぁともあれ、和解はなされたようで、ヘラクレスはヘラの娘である青春の女神へべと結婚しました。
最後に
ということで、最後は結構壮絶な最後を迎えたヘラクレス。
ヘラクレスの死後も、その息子たちは様々な活躍を見せるのですが、それはまた別の機会があれば紹介していきたいと思います。
今回でヘラクレスに関することは一旦終わりとしまして、次回からはヘラクレスと同じ時代を受けた英雄を何人か紹介していきたいと思います。
で、次回紹介するのはイアソンという英雄を紹介したいと思います。
彼も数回に渡り紹介することになると思いますが、ヘラクレス程長くはならないと思いますので、よろしくお願いします。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。