かなり前の話になるんですが、日本神話の記事を書いていた時に、
『この「殺された神の身体から作物が生まれる」というパターンは世界各地の神話にもあるらしく、ハイヌウェレ型神話と言われるみたいです。』
といったことを書きました。
で、その後いつかハイヌウェレの話をこのブログで取り上げたいと思っていたんだけどすっかり忘れていまして、先日エジプト神話のオシリスの遺体がバラバラにされる記事を書いていて、思い出しました。
今回も書き逃すと、次はいつ思い出すかわからないから、覚えているうちに書いてしまおうと思います。(笑)
ただ、僕はインドネシア方面の神話には疎いもんですから、内容は超絶薄くなるかもしれません・・・。
ココヤシから生まれた女の子ハイヌウェレ
ハイヌウェレの話はインドネシアのセラム島(ニューギニア島の西にある比較的小さな島)に住むヴェマーレ族に伝わる神話のようです。
ハイヌウェレはインドネシアの女神で、ココヤシの実から生まれて数日で大人の女性になったそうです。
手元にある本でインドネシアの首狩族の神話に軽く触れている本があります。
残念ながら、ハイヌウェレのことには全く触れていないのですが、このインドネシアにある神話では、創造神ドゥニアイによって世界が作られて、世界にはただトゥワラマイとトゥワレンという男女がいました。
そして、この夫婦にはトゥワレ(太陽神)が生まれ、そこからなんやかんやあって、太陽や月、人間の起源が書かれているのですが、その話の中では「バナナの実から発生した人間の祖先たち」が登場します。
昔々、アメタという男性がココヤシの実を持って帰りました。
で、そのココヤシの実から女の子が生まれました。
彼女はハイヌウェレと名付けられました。ヴェマーレ語でヤシの枝という意味だそうです。
先ほども書きましたが、彼女は数日で大人の女性になり、なんと彼女は様々な宝物を大便として出すことができる。という、すごい力がありました。
多分この頃は人前でその能力を使ってなかったと思うんです。
っていうか年頃の女の子が人前で排泄するなんて、いけませんよね(笑)
で、ハイヌウェレが便を出せば出すほど、アメタは便々・・・いやどんどんお金持ちになっていきました。
しかし、幸せは長く続かなかった
そして、ある日祭りかな?9日続く踊りがあったそうなんですが、ハイヌウェレは踊りを舞いながらその力を人々の前で使ってしまいました。
先祖がバナナの実から生まれたくらいなんだから、ココヤシの実から生まれるのなんて全然変じゃないよ!
心の中の声(いやいや、変だよ!気味悪いよ!)
そう、この頃には人間は人から生まれるのが常識として成り立った後の話なんだと思います。
多分人々は彼女のことを、元々気味悪がっていたのだと思います。
そんな彼女が、目の前でスカ〇ロプレイに興じ、そしてそのウン〇、それがなぜか宝物になって・・・
「ウ、ウワァァァァヴァヴァヴァ!!化け物だ!!」
村人達の気味悪さの許容範囲を超えてしまったのか、村人達は彼女に襲い掛かって、生き埋めにして殺してしまいました。
アメタは9年間ともに過ごしたハイヌウェレを失って、さぞ悲しんだでしょう。
・・・と思いきや、ハイヌウェレの死体を掘り出して、彼女の遺体をバラバラに刻んであちこちに埋めたのです!!
すると彼女の死体からは様尼な種類の芋が育ち、人々の主食となったとさ♪
めでたし、めでたし!?
アメタはサイコパスだったのか!?そして、死体から生えてきた芋を食すヤツらも相当だぞ。
この物語にはまともなヤツが存在しないのか!?
・・・と思うのですが、冒頭でも書いた「ハイヌウェレ型神話」という名を付けた、ドイツの民族学者アドルフ・エレガルト・イェンゼンという方がいます。
その書籍に「殺された女神」というものがありまして、きっとハイヌウェレのこと詳しく書いているんだろうなぁ・・・と思います。
村人はともかく、アメタは他に家族がいなかったのだろうか?とか、ハイヌウェレを娘として可愛がっていたんだろう?とか、何かハイヌウェレや魂の声(私の死体をバラバラにして、あちこちに埋めなさい)みたいなのが聞こえて、そうしたんじゃない?とか。(それも怖いですけどね(笑))
いやぁ、めっちゃ詳細気になる・・・けど、古い書籍なので近隣の図書館にはないみたいですね・・・。
あと、「なるたる」という漫画がありまして、僕はアニメしか見ていないけど、竜の子(能力みたいなもの)にハイヌウェレをモチーフにした、ハイヌウェレという竜の子がいましたね。
アニメはなんか消化不良なカンジだったけど、原作も気になってるんだよなぁ・・・。
いやぁ、思っていたよりもかなり薄い内容の記事になってしまいましたが、これ以上書くことが思い浮かびません。(笑)
次回はまたエジプト神話の続きを書きますね、では、最後までお読みいただきありがとうございました。