日本神話-7 天の岩戸

どうも、元山狐です。

今回も日本神話の続きを書きます。

前回、スサノオの粗暴な行いに悲しんだアマテラスが天の岩戸に隠れてしまいました。

太陽を司るアマテラスがいなくなった世界は暗闇に包まれて、いろんな災いが起こるようになります。

そこで困った神々は相談し、知恵を働かせてアマテラスを天の岩戸から取り戻す。
という流れの有名なお話です。



世界が暗闇に包まれた

太陽を司るアマテラスが天の岩戸に隠れてしまうと、世界は暗闇になってしまいました。
高天原は暗く、葦原中津国(高天原と黄泉国の間にある世界、早い話が地上世界ですね)は更に真っ暗に。

さらに世界にありとあらゆる幸いが起こりました。

困った神々(八百万の神々)は「天地開闢」に登場した、高御産巣日神(タカミムスビ)の子である思金神(オモイカネ)に相談しました。

オモイカネは知を司る神で、今回のお話では次のような知恵を八百万の神々に授けました。

オモイカネの作戦

オモイカネの案により、様々な儀式が行われました。

常世の長鳴鶏を集めて泣かせたり、

八咫の鏡(やたのかがみ)や、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を作らせたり、

雄鹿の骨を焼いて天意を占ったり、賢木(さかき、神事に使われる植物)にそれら(作ったものも含め)をかけて儀式をおこなったりしました。

これで物は揃ったようで、策は次の段階に。

天手力男神(アメノタヂカラオ、力の強い男神)を岩戸の影にスタンバイをさせて、岩戸の前に神々は集まって宴を始めました。

宴では天宇受売命(アメノウズメ)が半裸になって踊りだし、それを見た八百万の神々は高天原が鳴り響くほどにどっと笑いました。

作戦は成功し、世界に光が戻った

一方、岩戸の中にいるアマテラス。

その外では、神々の笑いが響いています。

「私がここにいて、世界は暗闇に包まれたハズなのに、なんで皆は笑っているんだろう・・・」
と思って、岩戸を少し開けてアメノウズメに問いました。
(ちょっとかまってちゃんみたいですね(笑))

アメノウズメは
「あなたより立派な神が現れたので、皆喜んでいるのです。」
と答えました。

そこにいた神が鏡を差し出すと、光り輝いた神がそこに映っていました。(おそらくアマテラス自身)
アメノウズメは、その鏡に写ったのがその神だと思い、ひと目見ようと身を乗り出すと、アメノタヂカラオがその手を取って、アマテラスを岩戸から引っ張り出しました。
そして、そこにいた神が岩戸にしめ縄で通せんぼし、岩戸の中に戻れなくしました。

こうして、アマテラスは高天原にもどり、世界に光は戻りましたとさ。

追放されるスサノオ

アマテラスが戻ったことで、平和を取り戻した高天原ですが、神々はスサノオを許しませんでした。
文書によって様々なんですが、スサノオに罰を与えて、高天原から追放しました。

追い出され、空腹になったスサノオは大気都比売神(オオゲツヒメ、食物の神)に食物を求めました。
これにオオゲツヒメは応えたのですが、彼女は鼻・口・尻から食物を取り出していて、

「なんつー汚いモノを食わせるんだ!」
と怒って、オオゲツヒメを殺してしまいました。

オオゲツヒメの死体からは、以下の物が生まれました。

  • 頭=蚕
  • 目=稲の種
  • 鼻=小豆の種
  • 耳=栗の種
  • 陰部=麦の種
  • 尻=大豆の種

ここで神産巣日神(カミムスビ)が現れて、スサノオにこれらの種を取らせました。

この「殺された神の身体から作物が生まれる」というパターンは世界各地の神話にもあるらしく、ハイヌウェレ型神話と言われるみたいです。
これらの神話に関しても、資料を入手する機会があったらまた取り上げたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。