日本神話-8 スサノオのヤマタノオロチ退治

どうも、元山狐です。

前回高天原を追放されたスサノオは、出雲国の肥の河(いずものくにのひのかわ、現在の島根県の斐伊川)に降り立ちました。

今までは、粗暴で邪悪な部分だけが目立っていたスサノオですが、今回はガラリと変わり、途中で出会った老夫婦と女性の窮地を救うため、知恵を働かせてヤマタノオロチを退治する英雄神として描かれています。


老夫婦と女性に出会う

冒頭にも書きましたが、高天原を追放されたスサノオは、出雲国の肥の河に降り立ちました。

そこで、彼は河の上流から箸が流れてくるのを見て、上流に人がいると思い、上流を目指しました。

そこで、老夫婦と若い女性と出会います。
この老夫婦は国津神(地上世界の神)の大山津見神(オオヤマツミ、イザナギとイザナミの間に生まれた山の神)の子で、足名椎(アシナヅチ、夫)・手名椎(テナヅチ、妻)、そして娘は櫛名田姫(クシナダヒメ)といいました。

彼らは泣いていたので、スサノオがなぜ泣いているのかを尋ねると、元々アシナヅチ・テナヅチの間には8人の娘がいたのですが、八俣のおろち(ヤマタノオロチ)という8つの頭と尾を持った化物が毎年やってきて、食べてしまったらしく、今年もその時期がやってきたので泣いている。
と、いうことでした。

スサノオ VS ヤマタノオロチ

アシナヅチの話を聞いた、スサノオは自身をアマテラスの兄弟の神であり、先程天から降り立った。(というか追放されたんだけど(笑))と身分を明かし、その上でクシナダヒメを妻にすることを条件にヤマタノオロチを倒すことにしました。

まずスサノオは、クシナダヒメを爪櫛(つまぐし)に変えて、自身の髪に指しました。

そして、アシナヅチ・テナヅチに強い酒を作って、垣を作り、その垣には8つの入口を作って、そこには作った酒を置いておくように指示しました。
つまり、酒で酔わせて、寝込みを襲うという英雄らしい、正々堂々とした戦いを展開しようとしたわけですね。(笑)

まぁ、英雄がお酒で酔わせて化物を退治するといった話は、他にも聞いたことがあるような・・・
このブログで過去に取り上げたものから探すと、「酒呑童子伝説」なんかがそれにあたりますね。
多分探したら、もっともっと出てくると思います。

酒呑童子伝説について

こうして準備が整うと、いずれヤマタノオロチが現れました。
で、スサノオの作戦どおりヤマトタケルはその8つの頭で、8箇所の入り口から垣に入り、そこに置かれている酒を飲んで酔い寝てしまいました。

そこで、スサノオは持っていた十拳剣で、ヤマタノオロチを斬り倒したのですが、尾を斬った際に剣が欠けてしまいました。
不審に思って、その部分を裂いて見てみると、そこには見事な太刀が。

スサノオはこの太刀(=有名な草薙の剣(くさなぎのつるぎ))を姉のアマテラスに献上しました。
※草薙の剣は後に、ヤマトタケルの国内平定にも用いられます。
ちなみに日本書紀では天叢雲剣 (あめのむらくものつるぎ)と呼ばれています。

宮を立て、子孫を残す

ヤマトタケルを倒したスサノオはその後、出雲の須賀の地で宮を建てました。

そして、先程登場していたアシナヅチを召し抱えて宮の首長にしました。
娶ったクシナダヒメと子を作り、以降も子孫が続いていきました。

そして、6代目の子孫として大国主神(オオクニヌシ)が生まれました。

最後に

スサノオは本来天津神なんですが、スサノオ含め、子孫たちは国津神に分類されているようです。

地に降り立ったから、そういう分類をされているんでしょうか。
そう考えると、血統で分類されているわけではなさそうですね。

で、次回からはオオクニヌシが中心となって話が進んでいきます。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。