日本神話-9 因幡の白兎

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

今回紹介する話は「因幡の白兎」という、とても有名な話です。

また例によって結構端折って書くつもりなのですが、オオクニヌシ(今回の時点ではまだオオナムチと名乗っています)の話って個人的に好きなんですよね。

オオクニヌシの登場する話はとても多くて、しばらくは物語の中心的な存在としてお話が進んでいくと思います。

関係ないけど日本神話をモチーフにした「GOD WARS」ってゲームがあって、気になってるんだよな~・・・。


傷に苦しむ兎と八十神

大己貴神(オオナムチ)という神がいました。

彼はスサノオの子孫にあたる神で、後に改名して大国主神(オオクニヌシ)を名乗るのですが、それはもう少し後の話になります。

オオナムチにはたくさんの兄(八十神、やそがみと呼ばれています。)がいましたが、兄たちからは嫌われて召使いのような扱いを受けていました。

八十神は稲羽の八上比賣(ヤガミヒメ)に求婚したいと思って、オオナムチに荷物をもたせて稲葉に向かいました。
なにせ、八十神とは大人数だったので、その荷物を持つオオナムチは大変です、八十神たちに遅れて、どんどん距離が開いてしまいました。

個人的には、八十神=ジャイアン・スネオ、オオナムチ=のび太くんみたいなビジュアルをイメージしています。(笑)

八十神達は道中で、裸(毛をむしり取られた状態)で全身傷だらけの兎伏せているのに出くわしました。

八十神はとても意地悪な性格をしていたので、

八十神
「海水を浴びて、高い山の頂上で風に当たり寝ていたら治るよ♪」


「え?そうなの!?八十神さん、ありがとう!」

といった具合に、兎に嘘の治療方法を教えて、道を進みました。

兎は早速八十神の言う通りにしました。
しかし、海水が乾くと、体中の皮が避け、傷はさらに痛み、苦しみに泣いていました。

オオナムチと白兎

やがて、遅れてやってきたオオナムチが兎と出会い、
「なぜ泣いているのか」
訪ねました。

そこで、兎は

『隠岐島からこの地に渡ろうと思っていたのですが、私には手段がありませんでした。
そこで和邇(わに)達に
「我々兎か、あなた達和邇の数、どちらか多いか数えてみましょう。」
と声をかけて、和邇たちを隠岐島からこの地の前まで並んでもらいました。

数えるフリをして彼らの上を渡ってきたのですが、最後にうっかり
「お前たち(和邇)は私に騙されたのさ!ざまぁw」
と言うと、最後の和邇が私を捕まえて毛を剥いでしまいました。

その後、八十神たちに出会い、治療方法を教えてもらったのですが、傷は更にひどくなって苦しんでいたのです。』

と話しました。

ちなみに和邇ですが、「日本神話に登場する海の怪物」とされていて、サメ説、ワニ説、ウミヘビ説などがあるようです。
※手元の資料では殆どがサメとして紹介されているので、サメ説が一般的なのかな。

でもこの絵を見るとやっぱりワニかなw

あと、隠岐島はイザナギ・イザナミに行われた「国産み」でかなり初期の方に生まれた島です。

日本神話-2 国産み

この話を聞いた、心優しいオオナムチは
「水門へ行き、水で体を洗い、蒲の穂をとって敷き、その上を転がって花粉を付ければ傷は癒えるよ。」
と今度は本当の治療法を教えてあげました。

兎はオオナムチの言うようにすると、体は回復し、見事な白兎となりました。(これが因幡の白兎です。)

ヤガミヒメとオオナムチ

前述の兎ですが、オオナムチに感謝し、
「八十神のヤガミヒメへの求婚は失敗して、姫は心優しいあなたを選ぶでしょう。」
と予言しました。

この予言はそのとおりとなり、ヤガミヒメは求婚する八十神たちに
「あなた達好みじゃないわ」(とは言ってないけどw)
と求婚に取り合いませんでした。

そして、遅れてやってきたオオナムチを見ると、ひと目で恋に落ちて
「私をあなたの妻にしてください!」
と言ったそうです。

※そんなエピソードがあってか、因幡の白兎は兎神とされていています。

これにてハッピーエンド!・・・とはいかなかった

オオナムチとヤガミヒメが結婚して、ハッピーエンド・・・とはいきませんでした。

恥をかかされた八十神たちは、オオナムチを恨み殺そうと企てました。

そこから八十神によるオオナムチの迫害、それに対抗する格好でオオナムチが成長していく・・・という流れなのですが、区切りがいいので、今回は一旦このあたりで終えようと思います。

では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。