日本神話-10 オオナムチとスサノオ


どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

今回もオオナムチの話になります。

前回の「因幡の白兎」のエピソードを経てヤガミヒメと結婚することになったオオナムチですが、そのことで八十神(オオナムチの兄達)の逆恨みを買うことになってしまいました。

今回はオオナムチが八十神の迫害から逃げ、スサノオの元で困難に立ち向かい、オオクニヌシとして成長していく様を書いてみます。


八十神による迫害

ヤガミヒメとの件で、オオナムチと恨む八十神(やそがみ)たち。

彼らは作戦を立てて、オオナムチを殺害することにしました。

作戦はこうです、伯耆国(ほうきのくに、今の鳥取県西部)の山のふもとで、
「ここに赤い猪がいるらしい。
上から我々が追いかけて降りてくるから、お前が待ち受けて捕まえろ。」
とオオナムチに命令しました。

そして、猪に似た大きな石を火で焼いて転がし落としました。

それを捕まえようとしたオオナムチは石に焼かれ死んでしまいました。

こんなカンジでしょうか?(笑)

しかし、母がそれを悲しんで、神産巣日神(カミムスビ、造化三神の1柱)に頼み込むと、女神を遣わせてオオナムチを生き返らせました。

日本神話-1 天地開闢

しかし、それを見た八十神は、またオオナムチを騙して山に連れていき、大樹を切り倒し、割れ目にくさびを打ち込んで、割れ目にオオナムチを入らせて、くさびを抜いてうち殺したとか。
文字じゃギミックがよくわからんけど、くさびを抜いたら割れ目が閉まって、挟まれて圧死したってことかな?


こんなカンジ?適当すぎてすいません。

まぁ、そんなカンジでオオナムチがあまりに殺されるので、
「お前はここにいたら、八十神に滅ぼされてしまうでしょう。」
※既に2度殺されてますが。

と言ってオオナムチを大屋毘古神(オオヤビコ、イザナギ・イザナミの子で、家宅六神に数えられる。)のもとへ送りました。

日本神話-1 天地開闢

しかし、八十神はオオナムチの居所を突き止め、オオヤビコにオオナムチを引き渡すように求めてきたので、オオヤビコはオオナムチを逃がせて、スサノオのいる根の国に行くように言いつけました。

根の国へ

ということで、根の国に向かったオオナムチ。

根の国に着いて出会ったのはスサノオの娘にあたる須勢理毘売命(スセリビメ)でした。

オオナムチを一目見たスセリビメは、オオナムチに惚れ込んだようで、その場ですぐに結婚します。
電撃入籍にも程があるよ!

そして、オオナムチを父(スサノオ)に紹介しました。

「さっき出会ったばかりなんですが、彼と結婚しました」
って娘から男を紹介されたら、普通怒ると思うんですが、スサノオがとった行動は、オオナムチを蛇がいる部屋に寝させる。といったものでした。

めっちゃ怒ってるやん(笑)

スサノオの嫌がらせ

このピンチを見たスセリビメはオオナムチに比礼(ひれ、古代の女性が肩にかけていた布(上の写真のようなもの)、振ると災いを退ける力があるなど呪いのような力があると言われる。)を授けまして、この比礼を振ると、オラついていた蛇達は大人しくなりました。

しかし、スサノオの嫌がらせはこれでは終わりません。

次の日には蜂とムカデのウジャウジャいる部屋に寝させました。
しかし、またまたスセリビメから授かった比礼で事なきを得ました。

その次にスサノオは、オオナムチに広い野原にある鳴鏑(なりかぶら)を取ってくるように命じます。
そしてオオナムチが野原に入ると、火を放ち、野原は瞬く間に火に囲まれました。
ここまでくると嫌がらせどころか殺しにかかってますね(笑)

今回はスセリビメも何もできず、ただ夫のピンチを見守るしかありませんでした。

絶対絶命!
しかし、ここでネズミが現れて地面に開いている穴に導いてくれて、火をやり過ごすことができました。

この時点でスサノオに対して何らか報復しそうなもんですが、やはり義父にはそうことできないんでしょう。

スサノオが鳴鏑を取ってきたオオナムチに最後に命じたのは、スサノオの頭のノミを取らせることでした。

しかし、スサノオの頭には無数のムカデが!
ってかスサノオ大丈夫なんか!?(笑)

まぁでもさっきのに比べたら危険度低くね?

そんなオオナムチですが、どうしようか途方に暮れていると、スセリビメが椋(むく)の実を授けてくれました。

これを口で潰して、赤土と口に含んで吐き出すと、まるでムカデを潰したように見えるので、スサノオは
「命令に従順なカワイイ奴だ。」
と思い、そのまま眠りにつきました。

この女性が惚れた男の為に助けるっていう構図なんですが、なんとなくギリシア神話のテセウスとアリアドネを思い出しました。

ギリシア神話-45 英雄テセウスとミノタウロス

根の国から脱出

オオナムチとスセリビメはこの隙に逃げ出そうと思い、スサノオが眠っている間にその髪を柱に括り付け、大きな石で扉を塞ぎました。

そして、スサノオの刀と弓、そしてスセリビメと彼女の琴を持って館を出ようとした時に、琴が木に触れて音がなり、それでスサノオが起きてしまいました。

スサノオは逃げる2人を追おうとしますが、髪が絡まっていて、ほどく間に2人は逃げてしまいました。

ようやく髪をほどいて、2人を追いかけますが、葦原中国(あしはらなかつくに、地上)へと続く黄泉比良坂(よもつひらさか)で立ち止まり、

「その刀と弓矢で、八十神を追い払え。
そして大国主(オオクニヌシ)を名乗り、スセリビメを妻として立派な宮殿を建てて住め。この野郎!」

と、声をかけました。

これはツンデレですかね?(笑)

こうして根の国から脱出して出雲国に戻ったオオナムチは、スサノオの言う通りオオクニヌシを名乗り、八十神を追い払って、国を作り、そこにスセリビメと立派な宮殿を建てて住みましたとさ。

チャンチャン♪

ということでオオナムチ改め、オオクニヌシの話はまだ続くのですが、長くなってきたので、続きは次回にしたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。