北欧神話-21 フレイとゲルズ

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

今回はフレイについて書いてみたいと思います。
フレイは、双子の妹フレイヤとともに、父親でヴァン神族の指導者であるニョルズとアースガルドにやってきて、そのまま居着いている格好となります。

以前は父ニョルズとスカジという巨人の結婚について書いたので、今回は子どもであるフレイの恋愛(結婚)エピソードを書いてみたいと思います。

あと、話しは変わりますが、以前当面目次はなしで・・・と書いたのですが、やはり自分で読み返していて、目次あった方がいいかな。とか思って、今回から目次また書いてます。行ったり来たりですいません・・・。



フレイの一目惚れ

ある日フレイはオーディンの玉座(フリズスキャルヴ)に座って、世界を見ていました。

そこで、ゲルズという巨人の娘を見て一目惚れしてしまいます。

しかし、このフリズスキャルヴは、オーディンと妻であるフリッグだけが座る権利を持っていると参考書籍にはありますので、もしかしたら一目惚れはもっと前にしていて、恋い焦がれるあまりオーディンの目を盗んでゲルズの姿を拝みに来ていたのかもしれません。
・・・そう考えると、急にストーカーみたいに思えてきた・・・。

あと、関係ないけど、上の画像のオーディンとフリッグは何をやってるんでしょうね?
あっち向いてホイですか?なわきゃねぇか(笑)

ともあれ、恋の病にかかった、フレイは元気を無くしてしまいました。

父のニョルズが心配をして、何故元気がないか尋ねますが、フレイは何も言いません。
まぁ親父に恋の相談なんかするわきゃないわな(笑)

ニョルズには従者にスキールニルという青年がいまして、彼はニョルズの従者でもあり、フレイの幼なじみで親友でした。

書籍によっては、フレイの従者とも書かれてますが、この一家に仕えていた。ということなんですかね。
種族的にはハッキリと明示が見つけられなかったのですが、人間だと思われます。

「父よりも、親友の方が胸の内を打ち明けやすいだろう。」
ということで、ニョルズの命を受けて、スキールニルがフレイに何故元気がないかを聞きにきました。

父には話せなかったものの、親友に迫られてフレイはゲルズに一目惚れをしたことを打ち明けます。

「では、私がその巨人の娘を貴方の妃として迎えに行ってきましょう。」
この時、スキールニルはヨートゥンヘイム(巨人の国)への危険な旅に備えて、フレイの持つ馬と、オーディンのグングニルの槍、トールのミョルニルに並んで強大と言われてる、フレイの宝剣を譲り受けました。

スキールニルの旅

フレイから譲り受けた馬のおかげで、スキールニルは巨人に襲われることなくゲルズの住む館まで辿り着くことができました。

そして、ゲルズにフレイの花嫁としてくるのなら・・・と
イズンの若返りのリンゴや、
ドラウプニル(オーディンの持つ9日ごとに同じ大きさの黄金の腕輪を生み落とす魔法の腕輪)
を贈ろうとしますが、ゲルズはいずれも「要らない」とフレイの愛を拒みました。

実はこの物語は時系列的にはオーディンの最愛の息子バルドルが死んだ後の話になります。
※参考書籍にもWikipediaにも、この時にスキールニルが「この腕輪はバルドルの火葬の薪の上に載せたもの」と説明している旨が書かれています。
なので、本来はバルドルの死について書いた後に紹介すべきなのですが、物語の順番的にちょっと説明し辛いなと思って、この順番で紹介することにしました。

そこで、スキールニルは強硬手段に出ることにしました。
フレイの宝剣で、ゲルズの首を切り落とすと脅しました。

しかし、それでもゲルズは応じません。

しかし、最終的にはルーン文字による呪いで脅迫し、それに怯えた彼女はようやくフレイと結婚することに同意しました。
(バリの森で九夜後にフレイに自身を捧げる、という約束をした。)

つまり
金、モノで釣ろうとしたけど駄目だったので、脅してゲットしました♪
ってことですね☆

上の画像は、スキールニルがゲルズを馬車に載せている場面だと思うんですが、スキールニルの表情にとても闇を感じてしまうのは僕だけでしょうか。(笑)

しかし、結婚生活は円満だった様子

そんな、あまりキレイな話とは言えない・・・どころか真っ黒な話の内容なんですが、Wikipediaによると

Wikipediaより引用
この物語は「天と地の聖婚」を表していると考えられている。
つまり、冬の凍った大地の中に閉じ込められていた生命が、春に暖かな光を浴びて甦ることの象徴であるという解釈である。
また2人が会う「バリの森」の「バリ」(en)は、「バル」(大麦)が語源であろうと考えられている。

ということで、ごめんなさい、よくわかりません(笑)

しかし、この2人は仲のいい夫婦となって、家庭円満のシンボルとなります。

最後に

こうして、愛を得たフレイですが、その代償として自身が持つ最強の武器を失ってしまいました。
(そのままスキールニルに褒美として与えられたという説が強いみたいです。)

まぁ本人からしたら、ラブラブでウハウハだったでしょうし、武器なんてどうでもよかったんでしょう。
また、武器がなくてもフレイはベリという巨人を牡鹿の角で倒した。という逸話があり、もともとの戦闘能力も高かったようです。

が、それが後のフレイの運命に大きな影響を与えることになります・・・。

ということで、北欧神話の神々が起こす様々なエピソードを10記事以上書いてきました。

他にもエピソードはたくさんあるみたいなんですが、僕が個人的に好きなエピソードは、大体紹介できたのかな・・・って思ってます。
で、次回からはそろそろラグナロクに突入していくきっかけとなるエピソードを紹介していきたいと思います。

北欧神話に関する記事は、昨年の10月から書き始めていまして今月で4ヶ月目となりますし、できれば今月でひととおり書き終えたいな。なんて思っています。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。