「鬼の大江戸ふしぎ帖 鬼が飛ぶ 」を読んでみた。

以前、「鬼の大江戸ふしぎ帖 鬼が見える」が面白かった!と書きました。

「鬼の大江戸ふしぎ帖」を読んでみた。

その記事の中でも書きましたが、2作目にあたるのが、この「鬼の大江戸ふしぎ帖 鬼が飛ぶ 」です。

鬼の大江戸ふしぎ帖 鬼が飛ぶ

宝島社文庫
和田はつ子

この2作目も面白かったので、記事にしてみました。

基本的には、この本を読む人の一つのメモくらいになればなー。と思って書いた記事なので、そうじゃない人は読んでもつまんないかも(汗

基本的には前作の続き

内容的には前作の続きとなってます。

今回も前回同様で4話構成で、各話ごとにオチがついてるのですが、登場人物(鬼も含め)や世界観の設定を含め、前作を読んでからの方が楽しめる内容となってます。



魅力的な登場人物や鬼たち

今回も沢山の登場人物が出てきます。
それぞれ魅力的なところがあって、読んでて飽きないのですが、

◯吉
とか
◯右衛門
とか
◯助

とか似たような名前の人物が多いので、ちょっと名前と人物を覚えるのが大変です・・・。

まぁこれは、時代小説を読み慣れていない僕の問題でもあるんですが、今回も登場人物を軽く紹介していきます。
(というか、今回は登場人物の紹介がメインです笑)

前作から引き続き登場する主な登場人物

渡辺源時


前作に続きこの作品の主人公。
南町奉行所の町廻り同心。
前作の初期の頃に比べると、四天王力(鬼を見破る力や、心で会話する力、また単純に身体能力も向上)がかなり上がってきている。

物語のところどころで特に解説もなく出て来る「四天王力」ってのが、なんとなく違和感をカンジる・・・というかちょっと笑えました。
まぁこういうご愛嬌もあるのが、この作品のいいところの一つです。

稀世


源時の恋女房。
前作の最後には、実は華鬼(怪我や病気を癒す力を持つ、非常に珍しい鬼)かも?と描写があったが、本作では確定的な表現がされている。

外見だけではなくて、心がとても美しくて、市中の鬼たちの間でも有名になりつつある。

本人には鬼である自覚はなく、また鬼と人間の区別もつかず、源時が四天王であることも知らない。

楽田狼太


人とはあまり関わりを持たない飾り職人。
薬草を作って生計をたてている。
源時が四天王に目覚めるきっかけになった事件で源時と出会った。
狼鬼。
一見クールで無愛想だが、情に厚い。

今作ではちょっと登場が少なくて、僕的には少し寂しかった思いをしました。
なんとなく、楽田を見て昔ジャンプでやっていた「WILD HALF」って漫画を思い出しました。
結構好きだったんですが、読んでた人います?

花吉


源時の元で働く下っ引き。
下っ引きとは、本来は同心の配下で働く岡っ引きの家来なのだが、岡っ引きが病に伏せているので、彼が代行している。
その正体は、鬼では最弱の部類に入る蚊蜻蛉鬼だが、小さく飛ぶことができる蚊蜻蛉に変身できるので、作中の活躍が多い。

永元堂次郎左衛門


薬問屋永元堂の主人。
計算高く、助兵衛で自分の利のためなら平気で嘘を付くお調子者。
その正体は狐鬼。

典型的な3枚目キャラクターで、鬼太郎でいうと鼠男、悪魔くんでいうとこうもり猫、水戸黄門でいうとうっかり八兵衛みたいな枠のキャラクターです。
基本的にちょっと嫌なヤツなんですが、憎めなくて好きなキャラクターです。

久右衛門


四天王で、源時に四天王としての生き方などを指南した。
今作では若干存在感が薄め。

前作の記事でも書いたのですが、もし実写化するなら特殊メイクをした山田孝之さんに演じて欲しいですねw

明月亭吉兵衛

明月亭の席亭(支配人)。
その正体は鼠鬼。

明月亭希朝

町では大評判の明月亭の噺家。
その正体は時鳥鬼。

お福

源時の妹。
天真爛漫な性格。
前作1話で彼女が誘拐事件に遭ったことがきっかけで源時は四天王の力に目覚めた。

第一話「鬼薬」で登場

おぶん

身重で稀世のもとにやってきた患者。

三助

おぶんの亭主。
職業は籠引き。
多情で頼りない。

優二

源時の実家の海老屋の手代。
源時の妹のお福が彼に惚れている。
その正体は猫鬼。

なんとなく今後も登場しそうなキャラクターです。

吾妻屋与助

お福の縁談相手。
お福は乗り気ではない。
吾妻屋は海老屋の上得意。

浅田玄九郎

据物師(処刑人のようなもの)。
大富豪で収集家なので、海老屋の上得意である。
性格は傲慢で自分勝手。
その正体は猫虎鬼。

浅田家が作る「命救丹」は比類なき妙薬なのだが、今回はこの「命救丹」を巡った事件から物語は始まる。

式庵

開業医 兼 牢医師。



第二話「鬼が飛ぶ」で登場

小吉


茂兵衛長屋に住む屋根大工。
その正体は鼠鬼。
腕がよく、仲間たちから慕われている。

今作から登場するキャラクターの中では一番登場頻度が多かったように思います。
カバーにも描かれているし、優遇されてますよね。笑
彼も今後も登場しそう。

お常

小舟町で古着屋を営む女主人。
その正体は鼠鬼で、鼠鬼たちの長老格で「鼠鬼婆」と呼ばれている。
鬼が代償を支払うことで、他の鬼に化けることができる「鬼化け」という商売もしている。

お常の養女で彼女の商売を手伝っている。

俊太

お常が可愛がる若者。

瓢吉

博打好きな左官。
その正体は蟻鬼。

真吉

瓢吉の親友。
その正体は蟻鬼。

お佳世

真吉の恋人。
その正体は蟻鬼。

第三話「鬼の呪縛」で登場

佐竹屋武蔵・梅太郎

市内の呉服問屋で狐鬼たちの出世頭。
武蔵が主人で、梅太郎は倅。

奉公人として、大番頭の平吉と手代の和助がいる。

中村屋・藤屋・大野屋・中西屋

それぞれ狐鬼たちが営む屋号。

玉藻御前

鳥羽上皇の寵愛を受けたとされる伝説の狐鬼。
退治された際に、殺生石になり、狐鬼たちの家宝となったとされている。
※実際に登場するわけではなく、殺生石の説明として紹介されている。

戸治貝右衛門

義眼の例繰方同心。
その正体は四天王。

例繰方同心ってのは主に「判例の記録と調査」を担っていますので、源時のように町廻りをしているわけではありません。
今作から登場するキャラクターで、引退して静かに暮らしたいと言っているのですが、なんとなく辞める辞める詐欺で次作以降も登場しそう。笑

月琴

尚徳庵の庵主。
その正体は蟷螂蛇鬼。

第四話「鬼が恐い、人が恐い」で登場

銀太

源時の知人の瓦版屋。

上川史郎左衛門

有名な博物学者。

宇三郎

海産問屋播磨屋の若頭。

鉄五郎

海産問屋播磨屋の養子で、血は繋がっていないが、宇三郎の兄。
宇三郎が幼い頃に行方不明になってしまった。

寛吉

海産問屋播磨屋の番頭。

感想

この作品、僕は面白いと思っているので、あんまりネタバレ的なことは書きたくありませんが、「こりゃまた3作目が出るなぁー。」ってカンジの終わり方でした。笑

正直シリーズものってあんまり好きじゃないので、どこまで読むかわかりませんが、多分次も出たら読むと思います。
登場人物が多くて、楽田狼太とか稀世の出番をもう少し増やして欲しいなぁー。と思いますが、今後もシリーズものとして続くかと思うので登場人物はもっともっと増えていくのかな?

と、まぁそんなカンジです。
妖怪物に分類されるのだと思いますが、バトルがメインではなくて、人間ドラマ的な展開がメインなので、インフレもせずオススメできる本だと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。