ギルガメシュ叙事詩-4 ギルガメシュと永遠の命

前回までのあらすじ

暴君ギルガメシュの暴挙に耐えかねたウルクの人々は神様に訴え、神様は野人エンキドゥを作りました。
二人は戦うことになりますが、互いの実力を認め、硬い友情で結ばれました。

平和で退屈な生活に耐えられなくなった彼らは、森の番人フンババを征伐しに出かけ、見事征伐します。

そんな立派なギルガメシュにホレた女神イシュタルは、自信満々に告白するも、ボロカスにフラれ、ギルガメシュに復讐を企みます。

そして神から、ギルガメシュとウルクの都を滅ぼす為に、天の牛が送られますが、ギルガメシュとエンキドゥは力を合わせて天の牛を倒します。

ですが、神の使いフンババにつづいて天の牛を殺してしまったことで、エンキドゥは神の裁きを受け、病に倒れ死んでしまいます。

エンキドゥが死んでしまった様に、私もやがては同じ運命を免れないのか・・・。

こうしてギルガメシュは、いままでの功績に満足せず、永遠の命を求めるようになっていきました・・・。



永遠の命を求めるようになったギルガメシュ。
彼は、唯一不死を得た人を知っていました。

それは、古都シュルッパクの王 ウトナピシュティムです。
過去に起きた大洪水の生存者であり、夫婦ともに不老不死の命を持つと言います。

なんとなく不老不死と聞くと某◯リーザ様を思い出してしまいます。笑

ギルガメシュは不死の秘密を探るため、ウトナピシュティムを訪ねることにしました。

しかし、道中は険しく、獣や飢えに苦しみながら進むことになります。

うぅー。お腹が空いた。。。

シャーッ!

ヒーッ!
蛇だー!!

がぉ~。

ヒーッ!
ライオンだー!!

ワンワン!

ヒーッ!
・・・あ、犬だ。かわいい。

馬鹿め!騙されたな!
実は私は狼なのだ!!

ヒーッ!
しゃべった~!!

他にも道中でサソリ人間が開いた山を通ったり困難がありました。

こういった困難を乗り越えて、海辺にあった酒屋で女将シドゥリに出会い、ウトナピシュティムが海の先にある島に住んでいることを聞きます。

シドゥリは永遠の命はギルガメシュに得ることは出来ないと、説得しましたが、それでも聞き分けることのないギルガメシュの心情を察して、船頭を紹介してくれました。

こうして、なんとかウトナピシュティムに会うことが出来ました。

ギルガメシュとウトナピシュティム

そうです、ワタシガウトナピシュティムです!

なんかヘンなキャラ付の人だなぁ・・・
貴方はどのようにして不死を手に入れたのですか?私に教えて下さい!

健康の秘訣は、この「しじ◯習慣」!
◯じみをコトコト、濃い煮汁になるまで煮詰めて煮詰めて・・・超濃厚なエキスにしました!その超濃厚なし◯みを飲み易いソフトカプセルに、さらに濃縮!

ダーッ!
違う!そんな二箱無料のお試しの健康食品のことなんか聞きたくない!

こうして(?)はじめは話を逸らそうとするウトナピシュティムでしたが、それでもギルガメシュはしつこく教えを請うので、どのようにして不死を得たのか、秘密を話しました。

ウトナピシュティムと大洪水

ある日、神々の王エンリルは言いました。

あー、人間が増えすぎてウゼー。
いっちょ滅ぼしてやるか!
おい!みんな!人間滅ぼすから、人間の手助けすんじゃねーぞ!

しかし、心優しい神のエアは

こ、これは大変だ。
このままでは人間が絶滅してしまう!

ということで、ウトナピシュティムの夢に現れました。

実はカクカクシカジカで・・・

これは大変ですね!
そうなるとせっかくレアガチャ当てたのに自慢することもできません!

・・・人選ミスったかな?

エンリルは様々な困難を人々に与えました。
そして最終的に大洪水を起こしたのですが、エアはウトナピシュティムの家族たちが、洪水から逃れる為の舟の作り方を教えてくれました。

こうして、ウトナピシュティムらは大洪水を生き延びることができました。

これによって、エンリルはエアが人間を助けたことを知って激怒しましたが、エアは
「今は助かった彼らに助言を与えるべきだ」
とエンリルを説得しました。

結果、ウトナピシュティムら夫婦は、エンリルから永遠の命を与えられ、チグリスとユーフラテス川の合流地点に住み、人々を導くことになりました。




ギルガメシュと若返りの植物

・・・ということなのだ。
不老不死は神から与えられたもので、私がどうにかして得たものではないのだ。

で、では・・・

やはり、私が不死を得ることは叶わぬのか・・・。

こうして、意気消沈したギルガメシュはウルクに帰ることになりましたが、ウトナピシュティムは妻の執り成しによって、海の底に若返りの植物があることをギルガメシュに教えてくれました。

そして、ギルガメシュは足に石の重りをつけて海底を歩き、その植物を手に入れます。

が、帰還途中で水浴びをしている間に、ヘビがこの植物を食べてしまいました。

ギルガメシュは絶望し、泣きましたが、もうどうすることもできませんでした。

彼は涙に濡れながら、ウルクに帰りました。

おしまい。

最後に

「ギルガメシュ叙事詩」はここで、物語が終わっています。

しかし、その後ギルガメシュは有限の命を受け入れて天寿を全うした。
強固な城壁を築き、王として成すべきことを果たして、人々を導いた。
エア神の薦めで、自らの墓を作った。(墓はユーフラテス川の奥底に隠された)
死後は冥界でエンキドゥと再会した。
死後は冥界神として神格化された。

などなど、英雄として、神として色々な伝承が残っています。

ギルガメシュはとても人間味に溢れていて、失敗などを糧に成長し、偉業を成した。
って印象でして、だからこそ人々に慕われ長きに渡って語り継がれたのかな?とか思います。

うーん、我ながらありきたりな感想ですなw

大洪水の部分はノアの箱船に影響を与えただろうし、若返りの植物というアイテムも他の神話に類似したものはありそうです。

今回まとめにるにあたって、この本を参考にしました。
ギルガメシュ叙事詩
ちくま学芸文庫
矢島文夫

実はこの本には「イシュタルの冥界下り」というエピソードも付属されてまして、これが日本神話のイザナギとイザナミの黄泉の国のエピソードに似ています。(というか、こっちが影響されてると思います)

これもまたいずれ別記事で紹介出来ればなー。と思っています。

ということで、4回に分けて「ギルガメシュ叙事詩」をご紹介しました。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。