エジプト神話について-4オシリスの殺害

今回は次回の続き、セトのオシリス抹殺計画その2について書こうと思います。
セトは争いを好む神なので、武器を使うとか、腕力にモノをいわせるとか、直接的なやり方で相手を殺しそうなもんなんですが、今回は内容的になんじゃそのオモシロトリックは!?とツッコみたくなるような手法をとってオシリスを亡き者にしようとしています。



セトが考えた作戦 その2

前回考えた作戦は
「宴会でお酒を飲ませて酔ったところをブスリ!」
作戦でした。

正直、この作戦も暗殺としてはアリバイがすぐにバレそうだし、あんまりいいものではないと思う、というようなことを書きました。

結局は作戦は失敗するどころか、妻のネフティスをオシリスにNTRされてしまいました。(とは言え、オシリスはネフティスのことイシスと勘違いしていたんですが。)

話はそれますが、相手を昏睡させて肉体関係に持っていこうとする流れって、『海の闇、月の影』(うみのやみ つきのかげ)って少女漫画でも見た気がします。
あの本、今は手元にないんだけど、面白かったんですよね。。。

話を本筋に戻します。
今回の作戦はこうです。

  1. オシリスにピッタリの棺桶を用意します。
  2. またまた宴会を開きます。
  3. 宴会中にミニゲーム「この棺桶にピッタリ入るのは誰!?勝者には棺桶プレゼント!」を開く
  4. オシリスが棺桶に入ったら蓋を固定してナイル川に沈めます。

名付けて「ナイル川に棺桶で沈めるぞゴラア~」作戦です!(違)

東京湾にドラム缶で沈めるぞ的なセリフってヤクザ映画に多いと思うんですが、まさか元ネタはこれなのでは?
まぁ多分違いますねw

まぁ、でもセトもヤクザと同じくらい気性が荒いので、発想が似ているのかも知れません。

作戦は成功

前述の作戦は、いかにもぶっとんだ作戦なんですが、この作戦は成功します。

宴会ってことで他の神も参加していたんだけど、みんな
「なんて素晴らしい棺桶なんだ!!」
「こんな素晴らしい棺桶は我にこそ!」
と、行列を作ってこのゲームに参加しました。

そして、この行列の中にはオシリスも並んでいました。
オシリスって思慮深い神なんですよね?(笑)

そして、とうとうオシリスがこの棺桶に入った時。
「おぉ!この棺桶は私にピッタリだ!つまりこの棺桶は私のものだ!
いや、待てよ!?これはあまりにピッタリすぎる・・・もしやこれは・・・」

とオシリスがその思慮深さを発揮しだした時に、セトは蓋を固定し、隙間に鉛を流し込んで・・・ってその時点で絶命するけどね(笑)
とにかく棺桶を開けられないようにして、棺桶ごとナイル川に沈めてしまいました。

攻撃!!粉砕!玉砕!大喝采ー!
ちなみに、前回も攻撃!!粉砕!玉砕!大喝采ー!って書いていて、補足し忘れたんですが、遊戯王のキャラクター海馬瀬人の有名なセリフです。
瀬戸という名前は、そのまんまですが、このセト神にちなんだもので、確か漫画でも前世は「神官セト」という設定だったような。

しかし、オシリスを亡き者にするのは成功したと思うんですが、行列ができるほど神が参加していたわけで、殺害現場には多数の目撃者(神)がいたと思うんです。
その場でセトは罪を問われて裁かれてもおかしくないと思うんだけど、この時の状況のことは手持ちの資料では何も書いていませんでした。
もしかしたら、セト派だったり、買収された神たちで宴会を開いていたのかも知れませんね。

ナイル川を流れる棺桶

オシリス(死体)入った棺桶はナイル川から地中海に渡り、ビブロス(レバノン)まで流れ着いていました。

直線でも600Km以上の距離が・・・大阪から鹿児島の直線距離も同じくらいなんだけど・・・。
隙間に鉛が流し込まれた棺桶がそんなに流れるわけねぇだろっ!!
鉛がよっぽど少なかったのか、それともこの棺桶の浮遊力がハンパなかったのか・・・。
まぁ、ともかくこの棺桶は結構な距離を流れていました。

そして、これもこのタイミングで意味わからんのだけど、流れ着いた棺桶から芽が出て、あっという間に大樹になりました。
農耕の神でもあるオシリスなので、その体から木が生えてもおかしくは・・・あるんだけどね、これも気にしません。(笑)

そして、この立派な大樹(オシリスの棺桶が中に入っている)は、伐採されてビブロスの宮殿の柱として使われることになりました。

夫の後を追うイシス

一方、オシリスがナイル川に流されたことを知ったイシスは、オシリスを探して旅に出ることにしました。
前述の宴会の時、イシスは参加していなかったのかな?
とか、夫を殺害したセトに対する報復とかは考えなかったのかな?
など思うことはあるんですけど、まずは夫の身を確保することを優先したんでしょう。

イシスは魔術に長けていまして、魔術を駆使してオシリスが入った棺桶の在りかを突き止めました。

ヘリオポリス九柱神に数えられる程高貴な女神で、魔術にも長けたイシスなので、場所さえわかれば、確保するのは楽勝でしょ!
と思うのですが、ここでまた「なんで!?」という行動に出ますが、この続きは次回に書いていきたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。