今回もオリュンポス12神を紹介します。
今回は出身が異色な女神アプロディテと、そのアプロディテを巡るゼウスとヘラの子供ヘパイストスとアレスを紹介したいと思います。
アプロディテについて
アプロディテは愛・美・性の女神で、オリュンポス12神のメンバーです。
その出身は他のメンバーに比べると変わってまして、ウラノス(初代神々の王)が息子クロノスによって去勢されました、つまりちょん切られました、ナニを、アレを、つまり性器を。
その切り落とされた性器が泡に触れたことで、アプロディテは生まれした。
そんなアプロディテに魅せられた、西風が島に運び、季節の女神ホーラ達がアプロディテをオリュンポス山に連れて行ったとあります。
そして、オリュンポスの神々に受け入れら、ゼウスの養女となった。
という流れです。
彼女は気性が荒い一面があり、後々の記事で紹介する予定の「トロイア戦争」の発端を起こしたり、後術するヘパイストスやアレスの運命を翻弄したり、何かとトラブルメーカーなイメージがあります。
ヘパイストスについて
ヘパイストスはオリュンポス12神のメンバーで、炎と鍛治の神です。
ゼウスとヘラの第1子であるとか、ヘラが1人でもうけたという説があります。
鍛治の才は凄まじく、既に過去の記事で紹介をしたキュクロプス達を従え、アポロンとアルテミスの弓矢や、アイギスの盾など武具だけではなく、パンドラという(後々の記事で紹介予定)人間を作ったりします。
生まれた時に両足が醜く曲がった奇形児だったヘパイストスは、母ヘラに捨てられてしまいます。
そこを海の女神テティスとエウリュノメに拾われ、育てられます。
後に天に帰り、オリュンポスの神々に受け入れられますが、ヘラとの仲は良いとは言えません。
ヘパイストスは、ヘラに宝石が散りばめられた豪華な椅子を作り送りますが、それは罠で、座ると拘束されて動けなくなるといったものでした。
その時の解放の条件が、美の女神アプロディテとの結婚だったのですが、結婚生活もうまくいかず、アプロディテは後術するヘパイストスの弟にあたるアレスと不倫してしまいます。
アプロディテの不倫に気づいたヘパイストスは、復讐として、その鍛治の才を活かし目に見えない網を作り、密通現場を抑え、網で拘束し、神々の前に晒しものにしました。
(後にアプロディテとは離婚し、アレスからは賠償を受け取る)
また、アテナに欲情し、求愛しますが、アテナに拒否され、ボコボコにされますが、執念深いヘパイストスはめげずアテナの足に精液をぶっかけます、ここまでいくとかなりの変態ですね。
アテナはそれを羊毛で拭き取り、投げ捨てますが、それが上半身が人間、下半身が蛇のエリクトニウスとなって生まれました。
エリクトニウスは、アテナが神殿に連れて帰り育てたとあります。
鍛治の才能は凄まじいと思いますが、全体的には愛に恵まれず、少し闇を感じるエピソードが多いですね。
アレスについて
アレスもオリュンポス12神のメンバーで、戦いの神です。
ゼウスとヘラの間に生まれ、尊い神のように思えますが、恩恵をもたらすというよりは、戦いの狂気を神格化したイメージで、荒ぶる神として恐れられています。
性格は粗野で残忍、不誠実とされていて、神々の間でも嫌われ気味です。
ただし、アレスが起こす戦いは冥界の住人が増えるので、冥界の王ハデスとは交流があったようです。
また、オリュンポス神族の中でも逞しい身体と、端正な容姿を持っていたので、既に書きましたが、ヘパイストスの妻で美と愛と性の女神アプロディテの愛人となりました。
戦いの神と書きましたが、神話上ではロクなエピソードがなく、人間と戦って負ける、英雄ヘラクレスに半殺しにされる、巨人の兄弟に青銅の壺に幽閉される。
など、その戦績は散々です。
最後に
今回はアプロディテとゼウスとヘラの子たちを紹介しました。
他にもゼウスもヘラの間には子がいますが、あまり優れた能力は持っておらず、12神のメンバーからも漏れています。
ヘパイストスとアレスも、あまりいい扱いはされておらず、ヘラが愛人やその子たちを迫害したのも、外でできた子の方が優秀だったということで憎しみが増したのもあるんじゃないでしょうか。
今回の記事で主だったオリュンポス神族の神は紹介したと思ってますので、次回はギリシア神話における人間について書いてみたいと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。