どうも、元山狐です。
前回テバイの王となったオイディプス。
本人はしらずが実父を殺し、いつのまにか実母と婚姻を結び、子供をもうけました。
一見そのまま幸せに過ごすかと思いきや、やはりそういうわけにいかず、国に災いが起こり始めました。
助言を求めた預言者テイレシアスの口から出た言葉からオイディプスと家族は過酷な運命に翻弄されることになります。
平和にも暗雲が
前述にも書きましたが、テバイの王となり、イオカステと結ばれて、子をもうけたオイディプス。
彼はスピンクスを倒した、その超人的な知恵を発揮して国を統治し、明君として人々から敬愛されていました。
しかし、子ができたあたりから暗雲が立ち込めてきました。
不作が続いたり、疫病が流行ったりと災いが連続して起きるのです。
困ったオイディプス王は、以前に自身が行ったデルポイで神託を授かろうと思いました。
そこで、信頼する前王でもあり、義兄弟でもある(実は叔父でもあるのだが)クレオンにデルポイに派遣し、災いの原因を尋ねさせました。
クレオンが持ち帰った言葉は
「前々王ライオスをを殺害した者が罰を受けずにテバイに住んでいる。
犯人を探し出し、殺すか国外に追放すれば災いは去るであろう。」
といったものでした。
そこで、オイディプスはその知恵を活かし、ライオス殺しの犯人を探すことにしました。
真実を知り、絶望する
まず、オイディプスはイオカステに、彼女がライオス殺害の現場から帰ってきた1人の従者から聞いた報告を根掘り葉掘り聞き出しました。
そこで、当時のライオスの年格好、お供の人数、場所や時期まで全て自身がテバイに向かう道中で殺した、横柄な態度の老人と一致することを知ります。
ただ、報告では
「山賊に襲われた。」
という相違点がありました。
次に、オイディプスは田舎で隠居生活をしているその従者から直接確かめようと、従者を連れてくるように命じました。
そこに、コリントスから使者がやってきて
- 王が亡くなったこと
- ただちに帰国して、コリントスの王位につくこと
を求めてきました。
そこで、オイディプスは自身がデルポイの神殿で受けた神託のことを説明し、自分が大罪(両親を殺してしまうこと、母はまだ生きている)を犯すことになるので、戻れないことを説明しました。
しかし、実はこの使者は、コリントスの王にオイディプスを渡した羊飼いだったのです。
そこで、彼はそのことをオイディプスに説明し、両親と思っていたコリントス王ポリュボスと王女メロペが実の父母ではないことを打ち明けました。
更に調べる中で、知らずとは言え、
犯人は実は自分だったこと。
そして、妻が実は自分の母であったこと。
を知りオイディプスは、絶望します。
妻(母)イオカステもそれを知ると絶望して自害してしまいました。
その遺体を見たオイディプスは、イオカステの衣服から黄金のピンを抜き取ると、自ら両目を潰して放浪(贖罪)の旅に出ます。
それを不憫に思った娘のアンティゴネは、オイディプスに付き添い、共に旅に出ました。
オイディプスの最期
その後諸国を放浪したオイディプスは、アテナを訪ねた際に、その当時王だったテセウスに手厚くもてなされます。
実はオイディプスが放浪していたのは、コロノスの森を自らの墓とする為でした。
テセウスは彼の意向を汲み、妨害しようとする輩を退け、オイディプスがコロノスの地中深く飲み込まれて行くのを見守ったそうです。
一方テバイでは、オイディプスが王位を退いたので、彼の息子が成人するまでの間、クレオンが政治を治めました。
ところが、息子2人が成人すると互いに王位争いをはじめ、テバイに危機が訪れます。
続く。
最後に
オイディプスの話は今回で終わりとなるのですが、次回は彼の死後テバイがどうなったかを書きたいと思います。
このテバイをめぐる争いは、今後紹介するトロイア戦争と併せて英雄の時代を終わらせた原因となったとされています。
※英雄の時代についてはこの記事も併せてお読みください。
次回でこのギリシア神話関連の記事も50記事になるんですね。
このブログではまだ200記事いってないので、4分の1以上を占めていることになります。
トロイア戦争については10回もかからないと思うので、9月中にはギリシア神話も一通り紹介し終わるかな・・・?
でも戦争後の後日譚としてオデュッセウスの冒険も紹介したいので、もしかしたら10月にかかってしまうかもですね。
とにかく、ギリシア神話も終盤にさしかかってきましたので、次回もお読みいただければうれしいです。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。