ギリシア神話-58 トロイア戦争(7)

どうも、元山狐です。

今回はトロイア戦争で生き延びた人物達の、その後のことなんかを書いていきたいと思います。

58記事に渡ったギリシア神話もこれで概ね紹介ができたと思ってます。

紹介していない話は、今後もちょくちょくと投稿していきたいと思いますが、一旦は今回で線引きとさせて頂いて、来月からは「北欧神話」について書いていけたらと思います。




アガメムノンとカッサンドラ

前回紹介したカッサンドラは、ギリシアの総大将アガメムノンの戦利品となり、アガメムノンが治めるミュケナイに連れていかれました。

アガメムノンは「王の中の王」と言われる英雄ですが、以前の記事で
「傲慢で非常な一面もあったようで、妻のクリュタイムネストラは夫であり、いとこのタンタロスを殺して奪っています。」
と書きました。

更にトロイア戦争の始まりでは省略したんですが、ギリシア軍がトロイアに向かう際に、娘のイピゲネイアを女神アルテミスへの生贄として捧げていました。
※海が荒れていて、娘を生贄にするように神託を受けた。流石のアガメムノンも娘を差し出す事に苦悩した。

その事もあってか、妻は夫をあまり愛しておらず、というか恨んでいました。

夫がトロイアに向かって10年の間に、アイギストス(アガメムノンの従兄弟にあたる)と不倫をしていて、夫が愛人としてカッサンドラを連れて帰ると、アイギストスと計ってアガメムノンとカッサンドラを暗殺しました。

前回も書きましたが、カッサンドラ自体は何も悪くないのに不憫すぎる・・・。

クリュタイムネストラも、アイギストスも、後にアガメムノンの息子オレステスに殺されています。

メネラオスとヘレネ

パリスとともにトロイアに駆け落ちをしたヘレネがどうなったかというと、実は何もなかったかのように、またスパルタ王の妃になっています。

亡命中にパリスと、更にはその弟のデイポボスとも結婚をしていて、
「こんな浮気女・・・!」
と殺してしまってもおかしくないんですが、一途というか、寛大なのか、メネラオスはヘレネを許して受け入れました。

もともとパリスに恋をしたのも、アプロディテ(もしくはエロス?)の力によるところもあったと思うし、デイポボスとは力ずく、というか不可抗力で妻になったのかと思うと、ヘレネも被害者なのかなぁ。とか思うし、それらが解けたとなるとヘレネも元のとおりメネラオスを愛したのかも知れません。

※デイポボスはトロイの木馬作戦の時に殺されました。

戦争後にスパルタに帰る際に、神への供物を怠ったことで嵐にあい、エジプトに漂流し8年かけて帰国した。
と、ありますが、無事に帰国して、国を治めたようです。

しかし、前項にも書きましたが、ギリシア軍がトロイアに向かう時に、総大将の娘を要求したり、通行料(供物)を払わない者には苦難を与えるとか、神様って結構がめついんですね。(笑)

オデュッセウス

今回の戦争で最もギリシア軍の勝利に貢献したオデュッセウスですが、彼が帰国にあたり最も苦難の道を歩むことになります。

この帰国までの冒険は「オデュッセイア」という物語で語られているんですが、紹介しだすと凄く長そうなので、今回は流します。(笑)

概要としては、自身が治めるイタケへの帰国中にリビア(北アフリカ)の方に漂流し、
巨人達の住む島に流れ着いて襲われたり、
魔女キルケーとの出会いや、
(過去の記事で少し紹介しています。)
セイレーンや、スキュラに襲われたり・・・(↑の写真はセイレーンに襲われている時です。)

「怖い絵」展に行ってきた。(兵庫)

と、様々な危機に遭いつつ、実に20年にも渡る戦争と漂流の末に、イタケに帰還しています。

夫不在の間、妻のペネロペは、一途に夫を待ち続けたのですが、その美しさに108人もの求婚者たちが押しかけました。

ペネロペは機転を利かせて、それを何年もの間らりくらりとかわしていたのですが、力ずくで迫ってくる求婚者達に追い詰められて、逃げ場を失ってしまいます。

追い詰められたペネロペは
「王宮にある弓を扱える人と結婚します。」
と宣言します。

求婚者たちは次々に挑みましたが、失敗。
この時、帰国していたオデュッセウスは、浮浪者に変装して、弓で射った矢を12本の斧の穴に通すという神業を披露します。

そして、正体を明かして、求婚者達を射ち殺しました。

こうして、20年ぶりに夫婦は再開することができましたとさ。
チャンチャン♩

オデュッセウスは、その後の物語も多いので、機会があれば取り上げていきたいですね。

最後に

トロイア戦争の記事は長くなると思って、端折りながら書いてきたつもりなんですが、端折り過ぎて思ったより少ない回数になってしまいました。(苦笑)

前書きにも書きましたが、今回でギリシア神話については、一旦は線引きをさせて頂いて、来月からは「北欧神話」について書いていけたらと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。