小泉八雲について

どうも、元山狐です。

普段あまり怪談って読んでないな。

と思って、ラフカディオ・ハーンという人の「怪談・奇談」という本を読みました。

読むまでこのラフカディオ・ハーン=小泉八雲ってことを知りませんでした。汗

小泉八雲って名前だけは何となく知っていたんだけど、特に作品も読んだことがなくて、今回は「どんな人なんだろう?」と思って調べてみました。




ギリシャで生まれ、波乱万丈な人生を歩む


ラフカディオ・ハーン(本名はパトリック・ラフカディオ・ハーン)は1850年にレフカダ島(当時はイギリスの保護領で、現在はギリシャ)で、イギリス軍の軍医である父と、裕福な名士の娘である母の間に生まれました。
ミドルネームのラフカディオは、故郷がレフカダ島ということで島の名前にちなんで付いたそうです。

名前のとおり、日本出身ではありません。

男3人兄弟の次男でして、お兄さんは若くして亡くなっていて、お父さんが西インドに赴任中にお母さんが精神を病んで、離婚しています。
その後は両親と会うことも殆なくて、父型の大叔母に育てられたみたいです。

この大叔母の家は厳格なカトリックだったそうですが、ハーン少年はこの教えに疑問を抱いたそうです。
パトリックというファーストネームは聖パトリックにちなんだものなんですが、敢えて名乗ってないのも関連がありそうです。
※ちなみにカトリックに疑問を抱いたからなのか、ケルトのドルイド教に傾倒していたようです。

16歳の時に、寄宿学校で回転ブランコで遊んでいる際に事故に遭い、左目を失明しています。

父は西インドから帰国途中に病死。
両親に代わりハーンを育てた大叔母は破産し、単身でアメリカに渡りジャーナリストとして活動しはじめます。

その後、黒人女性と結婚・離婚(ちなみにこの当時は黒人との結婚は法律で認められておらず、届け出は受理されなかった)、食堂を経営しては失敗したり、会社を転々としたりで中々に波乱万丈な人生を送っています。

来日し、一生を過ごす

ハーンが日本にくる決意をしたのには諸説ありまして、
彼が憧れていた、優秀な女性ジャーナリストエリザベス・ビスランド(別の女性記者と世界一周旅行のレポートで競い、世界的な注目を集めた。ハーンとは親しかったらしく、恋人?という説も)の言葉がきっかけ。
とか、
英訳された「古事記」を読んで決意した。
といった情報を見かけました。

ハーン自身がジャーナリストで、多様な文化に触れる中で日本文化にも出会っていたでしょうし、前述のエリザベス記者からの話や、書籍等で得た情報などから日本に対する憧れ?みたいなものが積み重なったんじゃないかな。と思います。

そして1890年に来日し、島根県の中学校の英語教師に。
(アメリカで知り合った日本人の斡旋)

そして、翌年にはハーンが信頼を寄せていた西田千太郎(努めていた学校の教頭)の紹介で小泉セツと結婚します。

初回の結婚は離婚に終わってしまいましたが、2度目の結婚は生涯を通して仲睦まじかったようで、
セツは日本語が読めないハーンの為に、日本の民話・伝説を語り聞かせるため、普段から情報収集に努めた。
とか
ハーンが避暑で自宅を離れている間に、セツに送った多数の手紙が残されている。
(ハーンは日本語がわからず、セツは英語がわからないので、夫婦の間だけで通じる特殊な仮名言葉で書かれているらしい)
といったエピソードがWikipediaに書かれていて、二人の間には4人の子供(3男1女)が産まれたみたいです。

1896年には東京帝国大学文科大学の英文学講師に就任し、同年日本に帰化して小泉八雲と名乗りだします。
1903年には帝大を解雇され(後任は夏目漱石)て、早稲田大学で教鞭を執るようになっています。

そして、1904年に心臓発作でこの世を去っています。
享年54歳でした。

執筆活動のペースが凄い

1890年に来日し、1904年に亡くなっているので、日本で過ごしたのは14年。
14年って個人的にはそこまで長いように思わないのですが、Wikipediaによるとこの14年で12もの著作を残しています。

しかも来日後の初著書は94年でして、そこからはほぼ毎年、晩年1904年、そして亡くなった翌年にも著作を発表しています。

ジャンル的には一から文章を考えるものではなくて、いずれも元ネタがあるものが多いかとは思うのですが、英文学を講じながら、執筆していたことを考えるとすごいペースだな。って思います。

で、本の感想は


今回は冒頭にも書いた「怪談・奇談」を読んだんですが、300ページ弱の中に、「耳なし芳一」をはじめとした42編もの物語が書かれていて、1つの物語あたりが数ページ程度の短編形式でした。

なんとなくエピソードを知っていた「果心居士のはなし」とか、「耳なし芳一のはなし」も面白かったんですが、
子供の頭がもぎ取られて死んでしまった「幽霊滝の伝説」と、新しい妻が前妻の亡霊に殺されてしまう「破約」という話がグロテスクで印象に残りました。
2つとも共通して殺されてしまう者には何の罪もなくて、ちょっと気分悪くなるような内容なんですが、なんかその方がおどろおどろしくて怪談ってカンジだな~と思って。

まだ1回しか読んでないけど、1つ1つの話はとても短いので、ちょっとした待ち時間とか「隙間の時間」に読むのにちょうどいい。って思います。
まぁ話の数が多すぎて全部は覚えてない。ってのが正直なところですかね。
・・・ってのが1回目読んだ時点での感想ですね・・・これは感想というのか?笑

最後に

初めは最近ギリシア神話関連の本以外を読んでなくて、久々に別ジャンルの本を読んだので、感想を書こうと思ったんだけど、
「我ながら向いてないな。」
と思いました。笑

でも今回こうやって、著者のことを調べたら、
「この人の別の著書読んでみたい。」
とか、
「エリザベス・ビスランドって人の世界一周のレポート読んでみたい。」
とかまた別の興味が生まれてきました。

まぁしばらくは買って読んでない本が結構積まれているので、先になりそうですが・・・。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。