どうも、元山狐です。
今回は前回に引き続いて、イスラエル王国についての記事になります。
主役はイスラエル王国第3代王のソロモン。
イスラエル王国に黄金期とも言える繁栄をもたらしましたが、民に重税を課し、没後には衰退を招いたり、その叡知によって悪魔たちを使役したと賛否両論のある人物で、旧約聖書以外にも「偽ソロモン文書」などオカルトめいた逸話がたくさんある人物です。
このシリーズはとうぜん旧約聖書なので、メインはそこになるのですが、いずれ他のオカルトめいた部分も記事にしていきたいと考えてます。
まずは政敵を倒す
王に就任したソロモン王がまずしたこと。
それは弟と、支持者のヨアブの処刑です。
最近の記事では、王権争いで兄弟を政敵として殺すパターンが多いので、正直何も感じなくなってきました。笑
まぁソロモンに限っては、前王ダビデの不倫の末にできた子供ということもあり、王位継承には血生臭い争いがありました。
ダビデ王の長男のアムノンは、タマルという女性に恋い焦がれ、無理矢理手ごめにします。
ってゆーか、この一族も女性に関してはだらしないのなw
実は、このタマルはアムノンの異母兄妹でして、それをしったタマルの兄かつ、ダビデの三男アブロサムはアムノンを殺害します。
これに対しダビデは、アブロサムを罰しますが後に許しています。
しかし、アブロサムには父に対しての不信感が拭い去ることができず、反乱をおこし、戦の中で命を落とします。
こういう経緯があって、ソロモンに王位継承がされたので、ソロモンからしたら兄弟が政敵として映るのも自然の流れだったのかも。
知恵と知識に優れた王
そんなソロモンの夢枕に神が現れました。
そして、「なんでも一つ願いを叶える。」と言ったのです。
「力が欲しいか」
ってヤツです。
これに対してソロモンは力や、富や名声といったものではなく、「知恵と知識」を求めました。
こうして神から叡智を授かったソロモンは「賢君」として仰がれるようになるのです。
あ、賢君ってのは賢い君主のことですね。
\けんクーン、あーそーぼー/
の賢君ではありませんw
有名なエピソードでは「ソロモンの名裁き」ってのがありまして、これは以前書いた「怖い絵展」(兵庫で開催された美術展)でも題材になってまして、以下の記事の「ソロモンの判決」という項で紹介しています。
しかし、一方では
こうして、賢君ソロモン王の元でイスラエル王国は黄金期を迎えます。
しかし、一方では王国の力を維持する為に、民は重税を課せられ、厳しい生活を送っていました。
ソロモン王の頃は、それでもなんとか国は平和だったのですが、ソロモン王の死後に民の怒りは爆発してしまいます。
分裂する王国
ソロモン王の次代の王レアブハムになってから、民は税の緩和を王に求めましたが、王は拒否。
それをきっかけに、ヤロブアム(ソロモンの次代王の候補たった)をたてて、国は分裂。
北のイスラエル王国(王はヤロブアム)と、南のユダ王国(王はレアブハム)に分裂します。
分裂した側の方が10部族で多数派だったんですね。
イスラエル王国の滅亡
互いに争いを続ける両王国ですが、この間に起きたイスラエル王国の内紛に乗じて、大国であるアッシリアが攻め込んできまして、イスラエル王国は滅亡してしまいました。
南のユダ王国は、アッシリアに降伏して、縮小しながら存続を続けました。
そして時間は流れ、13代ゼキヤ王がアッシリアに反乱を起こします。
この時、預言者イザヤが反乱に対して忠告していますが、王はこれを無視。
結果、首都エルサレム以外は全て失うことになりました。
イザヤ
「ざまぁw」
※本当は「神の鞭」と言ったらしい
バビロン捕囚
さらに時間は流れ、16代ヨシヤ王の頃には一時的に領土を取り戻すユダ王国ですが、彼の死後、再び危機が訪れます。
この頃には、大国としてアッシリアだけではなく、エジプト、そしてバビロニア帝国です。
大国に挟まれ、逃げ場を失ったユダ王国。
とうとうバビロニアに攻め込まれて、エルサレムも陥落してしまいました。
ユダ王国のイスラエルの人々は、バビロニアに連れていかれて労役を課せられることになります。
(これが所謂バビロン捕囚です。)
この頃からイスラエルの人々の別称である「ユダヤ人」という言葉が定着しだしたそうです。
こうしてイスラエル人たちの王国は歴史から姿を消しました。
最後に
という流れで、カナンを奪回してできたイスラム王国も幕を閉じました。
この時代は大国が出来たり、滅亡したりの繰り返しですので、ユダヤ人たちはそれに翻弄されていく、という苦難の道が続いていくことになります。
予定では次回の記事で、この「旧約聖書」シリーズは完結することになります。
以前書いたように、続けて「新約聖書」に入っていくつもりなのですが、冒頭に書いた「偽ソロモン文書」ってのがすごーく気になるので、「新約聖書」に入ってからなのか、入る前なのかは決めてませんが、間に脱線として挟むかもしれません。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。