どうも、元山狐(もとやまきつね)です。
前回、神武天皇が大和の国を支配するところまで書きました。
今回はそんな神武天皇が皇后を娶り、子供が生まれ、やがて世代が子たちに移り、継承争い・・・という流れのご紹介になります。
この天皇の皇后となる女性には、当然両親がいるのですが、その両親の馴れ初めの部分が、自分的にはかなりパンチの聞いたエピソードと思っています。
神武天皇の結婚
神武天皇はもともと日向にいた時に阿比良比売(アヒラヒメ)という妻がいました。
そして、この二人の間には
- 多芸志美美命(タギシミミ)
- 岐須美美命(キスミミ)
という二人の子がいました。
しかし、大和を征服した天皇は、この地で皇后となるべき女性を求めました。
そこで、大久米命(オオクメ)という人が
「三輪の大物主神(オオモノヌシ)と勢夜陀多良比売(セヤダタラヒメ)の子、伊須須岐比売(イススキヒメ)は神の娘と呼ばれているみたいですよ。」
といった情報を持ってきました。
その後、イススキヒメを含む7人の娘が、高佐士野(たかさじの、奈良県のどこからしい)で歩いている姿を見て、天皇はイススキヒメを見初めて皇后に迎えました。
大物主神(オオモノヌシ)と勢夜陀多良比売(セヤダタラヒメ)の馴れ初め
冒頭にも書いてました、イススキヒメの両親の馴れ初めが自分的にはかなりパンチの聞いたエピソードだと思ったので、取り上げてみます。
前項にも書きましたが、イススキヒメの父は三輪の大物主神(オオモノヌシ)、母は勢夜陀多良比売(セヤダタラヒメ)です。
オオモノヌシといえば、オオクニヌシの国造りの際に登場し、三輪山に祀られたとされる偉大な神です。
そんな偉大な神であるオオモノヌシは、セヤダタラヒメの美貌に一目惚れをしました。
そこで、偉大な神らしくアプローチする・・・と思いきや・・・。
セヤダタラヒメが大便をしようとしている時に、赤い矢に変身して彼女の陰部を突きました。
当然驚いたセヤダタラヒメは、その矢をとって床の側に置くと、その矢は立派な男性に変身し、彼女を抱いた。
そして、生まれたのが前述のイススキヒメというわけです。
正直どっからツッコミを入れたらいいのかわかりませんが、完全なる変態じゃん(笑)
神武天皇崩御
話は再び本筋に戻りまして、神武天皇とイススキヒメの間には3人の子ができました。
- 日子八井命(ヒコヤイ)
- 神八井耳命(カムヤイミミ)
- 神沼河耳命(カムヌマカワミミ)
しかし、やがて神武天皇が亡くなりました。
そして、天皇の正妃だったイススキヒメがどうなったかというと・・・
前前項で書いた、神武天皇と日向のアヒラヒメの間に生まれた、タギシミミが娶りました。
ちょっと経緯がわからないんですが、かなり意外な展開ですね。
継承争い
タギシミミは、イススキヒメを娶った時に、彼女だけでなくて、天皇の座も欲しいと思い、義理の弟3人を殺そうと企てました。
これに驚いたイススキヒメは、息子たちに和歌でもって警告を送ります。
で、これを聞いた3人の息子も
「タギシミミを殺そう」
ということになります。
で、まずは次男のカムヤイミミがタギシミミを武器を持って殺そうとしますが、臆病な彼はガクブルしちゃって殺せませんでした。
そこで、弟のカムヌマカワミミがその武器を受け取って、タギシミミを倒しました。
ちなみにこのエピソードでは、長男のヒコヤイのことが書かれていません。
そもそも日本書紀だと、このヒコヤイのことが省かれて、2人兄弟と書かれているみたいなので、空気みたいな存在と思ってよさそうです。(笑)
こうして、継承争いに勝利した兄弟ですが、兄のカムヤイミミは、
「自分は臆病なので、天皇に向かない。」
といって弟に天皇の座を譲り、自身は祭司として弟に仕えました。
こうして、カムヌマカワミミが天皇となりました。
そう、2代目天皇綏靖天皇(すいぜいてんのう)ですね。
で、以前2代天皇~9代天皇は「欠史八代」と呼ばれていると書きました。
この欠史八代の天皇に関しては、特に書くことがないので、次回は第10代天皇 崇神天皇(すじんてんのう)の時代からを書いていきたいと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。