日本神話-31 応神天皇

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

今回は第15代応神天皇(おうじんてんのう)について書いてみたいと思います。

武の神として武将の信仰を集めたり、八幡様として祀られている応神天皇ですが、手元の資料には
「こういったことをした」
といった具体的なことは殆ど書かれていませんでした。

いつもよりWikipediaなどネットの情報の比率が高くなっています。

新羅の遠征任務中に生まれた

神功皇后は前回の新羅遠征の任務中に、産気づいて子供を生みました。

前回も書いていましたが、子供は品陀和気命(ホムダワケノミコト)と名付けられ、後の15代応神天皇となります。

応神天皇の古墳にも以前行っていて、少し触れているようです。

日本史に疎い僕が百舌鳥・古市古墳群を回ってみた-3 応神天皇陵

応神天皇の父親としては、諸説あるようで、住吉大神の子であるとか、前回書いていた武内宿禰の子という説もあるみたいです。

もし武内宿禰が父親だったら、仕えた主君の妻とデキていたってことだし、なんだか昼ドラみたいですね。(笑)
まぁもしそうだとしても、夫(景行天皇)が亡くなった後だとは思いますが。

海外と積極的に交流して国を発展させた

そんな応神天皇は軽島(かるしま = 現在の奈良県橿原市)で治世を行いました。

百済から要請されて援軍を送ったり、高句麗や百済から人を朝廷に受け入れたり、海外から人材や文化を受け入れて発展させたようです。
こういった実績から、武の神と言われ、八幡様として祀られています。

八幡様といえば、稲荷様に次いで国内に神社が多いと言われていまして、とても多くの人の信仰を得ていますし、稲荷様は渡来人の秦氏が崇めていた神が由来といいます。

応神天皇が受け入れた渡来人には弓月君(ユヅキノキミ)が含まれており、この弓月君は秦氏の先祖と言われています。

そう考えると、日本で最も社の数が多いと言われるのは「稲荷様」「八幡様」「天神様」です。
菅原道真が天神様として祀られたのが平安時代のことですから、これらの中でも八幡様が由来的に最も古いのかもですね。

問答により次代を指名

また、応神天皇は子供が多く、26人もいたようです。

晩年になると、応神天皇は次代を決めるべく有力な2人を呼びました。
大山守命(オオヤマモリノミコト)
大雀命(オオサザキノミコト)

そして2人にこういった問答をしました。

「お前たち、子供は愛おしいか?」

これには2人とも「はい」と答えました。

次に
「では、年長と年少ではどちらが愛おしいか?」
と聞きました。

これには意見が割れまして、

大山守命
「年長者ですね、自分の跡を継ぐのは年長者ですし。」

大雀命
「年少者ですね、年長者は立派に成長して安心ですが、一番下の者はまだ幼く、心配が尽きません。」

この問答の結果、応神天皇はこの2人よりも年少である菟道稚郎子(ウジノワキイラツコ)が次代の天皇に、大雀命と大山守命にはその補佐を命じました。

しかし、これに不服だったのが大山守命。
これが後に争いを生むことになります。

武内宿禰と弟の甘美内宿禰

ちょっと本筋から外れるのですが、応神天皇のWikipediaで気になる記事を見かけましたので、紹介しておこうと思います。

ちょこちょこ名前が登場する武内宿禰ですが、彼には甘美内宿禰(ウマシウチノスクネ)という弟がいました。

ですが、この2人の中は良くなかったようです。

ある時、武内宿禰は応神天皇の命で、筑紫の百姓を視察に行きました。

そして、武内宿禰が留守の間に、弟の甘美内宿禰は応神天皇に、兄が筑紫と三韓を率いて国を奪おうとしている。と吹聴しました。

これをそのまま信じてしまった天皇は、武内宿禰に誅殺の使いを送りました。

これに嘆いた武内宿禰ですが、志願した部下が身代わりとなり、命は助かります。
長らく天皇の忠臣として尽くしてきたのもあって、人望があったんでしょうね。

その後、悲しみの中、なんとか帰国を果たした武内宿禰は天皇の前で、甘美内宿禰と論争しました。

2人の言い争いを聞いた天皇は、どちらが正しいか判断をつけられず、2人を盟神探湯(くかたち=古代に行われた呪術などを使った裁判のようなもの)で争わせました。

結果、武内宿禰が勝利し、彼は弟の命を奪おうとしましたが、天皇の勅で命は助けることにしました。

その後、甘美内宿禰は豪族に奴隷として授けられたそうです。

なんとなく、応神天皇が情けなく描かれて、武内宿禰が不憫でならないエピソードですが、この後の仁徳天皇の忠臣も務めるあたり、天皇への忠誠心は失わず、その後も務めあげたんでしょうね。

以前「古事記は上中下に分かれている」と書きました。
手元の資料では、応神天皇までが中巻とありますので、次回からは下巻の内容となります。

では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。