北欧神話-13 ニョルズとスカジの結婚

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

前回2回に渡って、若さの女神イズンが誘拐された話を書きました。

結果的に、イズンも若さのリンゴも無事にアースガルズに戻ってきて、誘拐犯のシアチも倒されました。

しかし、この話はここで終わるわけではなくて、まだ続きます。シアチにはスカジという、娘がいまして、父がアースガルズの神々に殺された知って乗り込んできます。




父の後を追ってきたスカジ

前回殺されてしまったシアチですが、彼にはスカジという娘がいました。

そんなスカジは見た目は美しいのですが、気性は荒かったようで、父がアースガルズの神々に殺されてしまったことを知ると、報復を誓い、武装してアースガルズに乗り込んでしました。

アースガルズは和解を提案

乗り込んできたスカジに対して、アースガルズの神々は意外な対応をしました。

女性であるスカジとは戦いたくないと思ったらしく、またスカジが美しいということもあり、アースガルズの男神の誰かと夫として与えることで和解しようと提案しました。

以前の記事で魔女グルヴェイグを何度も殺そうとしたのは一体・・・

北欧神話-3 アース神族とヴァン神族

スカジはこの提案を受け入れました。
うーん、男を餌に親の仇を諦めるって、どうなんだろうか・・・。

スカジが夫に選んだのは

スカジの本命は、オーディンの息子でアース神族の男神では最も美しいバルドル。

しかし、オーディンは
「脚だけしか見せない。脚を見て夫を選べ。」
と、条件を付けました。

スカジは
「完全無欠に美しいバルドルなので、足だけでもその美しさは明白だろう。」
と考えて、布の下に見える脚の中で、最も美しい脚と思われる神を選びました。


しかし、その男性が布を取ると!


出てきたのはフレイ、フレイヤの父ニョルズでした!ガビーン!

ニョルズは海神だったので、常に脚は海に洗われて美しかったのです。

この時、スカジは不服で拗ねた?らしく、
「私を笑わせなかったら、一生あんた達を怨む。」
みたいなことを言っています。

その時にロキは、
自分の性器とヤギのヒゲを綱で結んで、綱引きを始め、痛みのあまり、断末魔のように叫び、スカジの前に倒れ込む。
という身を削った上に、放送できない余興でスカジを笑わせたそうです。

なんというか、僕的には今回ダントツのインパクトなんですが。(笑)

しかし、結婚生活はうまくいかなかった

前項でもニョルズは海神と書きました。
一方スカジは巨人族とはいえ、山の女神だったり、狩猟の女神と言われています。

そんな二人は住む場所から揉めることになり、9日間は山のスカジの館で過ごし、次の9日間はニョルズの住む港で過ごしました。

ニョルズは山から帰ってくると
「私は山が嫌いだ。」
といい、どうやら狼の鳴き声のせいで心が休まらなかったそうです。
一方スカジも海に馴染めず、カモメの鳴き声で眠れなかったようです。

そんなカンジで、二人の結婚生活はうまくいかず、すぐに別れることになりました。

その後、ニョルズは殆ど神話に出てきませんし、スカジはオーディンの妻になったとか言われますが、詳しくはわかりません。

次回からも、神々が起こす様々なエピソードを書いていきたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。