北欧神話-20 トールとフルングニル

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

今回もトールのことを書きたいと思います。

今まではトールが女装したり、敵方の幻術で惑わされてしまったり、どこかマヌケ?なところが目立ちましたが、今回はトールとフルングニルという巨人族の豪傑の戦いとなってまして、前回も登場したシャールヴィも活躍するし、個人的にはなんか王道?というか正統派?な内容になっています。



オーディンとフルングニル

ある日、オーディンが愛馬のスレイプニルを走らせて巨人の国をとおりました。
※オーディンはアースガルズの王のくせに放浪癖があるらしく、よく旅をしていますね。笑

それを見かけた、巨人のフルングニルが声をかけてきました。


フルングニル
「すばらしい馬だな!」

オーディン
「だろう?自慢じゃないが、これだけの馬は巨人の国にもいまい。」

フルングニル
「(・・・チッ、完全に自慢じゃねぇか。)あぁ、そうだな・・・。

だが、俺の愛馬のグルファクシを除けば。だがな!!」

オーディン
「なんだとっ!?」

フルングニル
「フフン、貴様の馬と我の馬、どっちが最速の馬か思い知らせてやろう!

あ、ちょっと取ってくるから待っててくれる?」


オーディン
「うん、わかった。早くしてねー。」

ということで、オーディンのスレイプニルと、フルングニルのグルファクシの競争の始まりました。

そして決着は!?

正解は
「勢いのあまりアースガルズのヴァルハラ宮殿まで入ってしまってついてません」
でした!
なんじゃそら!!

しかし、ヴァルハラ宮殿は優れた戦士の魂を招く為の聖なる場所。
例え巨人といえ、むやみに傷付けたり殺したりすることはできません。

そこで、オーディンは彼をもてなすことにしました。


オーディン
「せっかくだから呑んでいきなよー。」


フルングニル
「え?いいの?なんだかいきなり押し掛けたみたいで悪いなぁ。」

と、はじめは友好的にしていたフルングニルもお酒が入ると、フレイヤに酌をさせて、人が変わり、酔って暴言を吐くようになりました。

アースガルズの神々は酒癖の悪いオヤジに、段々と嫌気がさしてきました。

そこでトールアニキの登場

そこで神の1人がトールを呼んできました。

トールはヴァルハラ宮殿で好き勝手しているフルングニルを見ると激怒。

その場で殺そうとしましたが、フルングニルは泥酔し武器も持っておらず、
「そんなヤツを倒しても、お前には不名誉だろう」
と、その場を逃れることができました。

しかし、フルングニルも自身の腕には相当な自信を持っており、後日アースガルズとヨートゥンヘイムの間にあるグリョートトゥーナガルザル(長すぎて絶対に覚えられなさそうw)で決闘をすることになりました。

そして決闘の日が来た

ヨートゥンヘイムの巨人達はフルングニルがトールに負けてしまうのでは?と心配になり、粘土から巨大な体を持つメックルカルフィという・・・巨人?人造人間?を作り加勢させることにしました。

しかし、このメックルカルフィを動かすにあたり、適当なサイズの心臓がありません。

そこで、巨人たちは雌馬の心臓を入れました。
なんで馬?しかも雌だったんだろう?

それとも、途中で面倒くさくなって、適当に
「もぅこれでいいやー。」
ってなっちゃったんでしょうかね?

そんなメックルカルフィは決闘にやってきたトールを見てガクブルで何もできず、それどころか失禁してしまいます。

結局はトールの家来のシャールヴィに倒されてしまいます。
シャールヴィは、前回も登場したトールの従者でとても素早く俊足のシャールヴィと呼ばれています。
しかし、シャールヴィ自身は俊足とは言え、普通の人間の筈なんだけど、どうやって倒したんでしょうかね?

そして、トールとフルングニルの対決です。

フルングニルは大きな盾を持っていたのですが、ここでシャールヴィが機転をきかせて、こう叫びます。
「トール様は地下に潜って下から攻撃するおつもりだ!」

それを聞いたフルングニルは盾を大地に置いて、自分はその上に乗りました。
ってもっと対策あるだろうよ!(笑)

フルングニルの武器は砥石です。
それをトールに向かって投げつけました。

トールがそれに対してミョルニルを投げると、トールに向かって飛んできた砥石に当たって砥石を破壊し(とはいえ、いくつかはトールに当たりトールはダメージを受けた)、そのままフルングニルの頭に直撃し、彼の頭蓋骨を破壊しました。

勝負あり!

しかし、フルングニルは倒れる際にトールに覆い被さるように倒れました。

下敷きになったトール。
流石の彼も、ダメージを受けた状態でフルングニルの巨体をどかすことができませんでした。
この写真を見るとそんなに巨体?と思えますが・・・ってゆーか距離近っ!!(笑)

そんなトールを救ったのが、生後3日のトールの息子マグニくん。

トールの紹介記事でも書きましたが、彼はトールをも超える怪力の持ち主でして、死んだフルングニルの身体をヒョイと持ち上げて、どかせました。

参考書籍では、この時にマグニ君は、
「おっとう、遅くなって悪かったね、僕が相手だったら、こんな巨人げんこつでたたき殺してやったのに。」
といったことを言っています。

生まれて3日でこんな悠長にしゃべるとかハジメちゃんか!(天才バカボンのね)
しかも、内容が物騒すぎ(笑)

トールはマグニくんを褒めて、フルングニルのグルファクシを与えました。

最後は少しあっけない終わりでしたが、以上がトールとフルングニルの話です。

年末に近付いてきたので、北欧神話関連の記事は今年はこれが最後になるかな。

来月(来年)からはトールだけじゃなくて、別の神や巨人のことを書いていきたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。