北欧神話-7 トールについて

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

オーディンの息子トールについて紹介したいと思います。

本当はこの記事で、同じくオーディンの息子、バルドルやチュールたちも紹介したかったのですが、長くなってきたので分割して、今回はトールだけに絞ってみました。

豪快でオーディンをも凌ぐ戦力を持つトールですが、どこかお人好しで愛されるキャラクターでもあります。




アース神族の最強戦力

トールはオーディンと、女巨人ヨルズの間に生まれた息子です。

以前のオーディンの記事にも書きましたが、オーディンの正妻はフリッグですので、妾の子ということになります。
まぁオーディンは浮気癖があったので、珍しい話じゃありません。

そんなトールは赤毛の大男だったと言われ、神というよりは巨人族に姿は似ていたそうで、アース神族では父オーディンをも上回る最強の戦力を誇ったそうです。

もちろん武器を持たない状態でも、筋肉隆々で強かったのですが、協力な武具を持っていました。

特に有名なので、大槌ミョルニルです。
その名は「稲妻」を意味し、前回ロキの記事でも紹介しましたが、小人族のブロックとシンドリ兄弟が作って、トールの手に渡りました。

このミョルニルは
「投げると的に必ず的に命中して、手元に戻ってくる。」

・・・そういえばオーディンの記事で、グングニルのことを
「この槍は的に必ずあたり、その後は自動的に持ち主の手元に戻る。」
と書きました。

ほとんど同じじゃん笑

あと、ヤールングレイプルという鉄の手袋を装備していました。
これは高温に燃えるミョルニルに耐えるためだそうで、ミョルニルとセットと考えていいと思います。

さらには、自身の力を倍にするメギンギョルズという帯を付けていて、山を砕くことさえできたとか。

ミョルニルの時点では、オーディンと一緒じゃん。と思いましたが、元の肉体に加えこの帯を付けることでオーディンをも凌ぐ戦力と言われているんでしょうね。

魔法のヤギ

オーディンはスレイプニルという馬に乗っていました。

それに対して、トールは
タングニョストとタングリスニルというヤギに引かせた戦車
に乗って、空を駆け巡り、敵と闘ったそうです。

ヤギってなんか弱そう・・・
でもこのヤギは魔法のヤギで、骨と皮さえ残っていれば、ミョルニルを振って祝福すれば蘇る。
つまりトールはこの2匹を食料にしていたわけですね。

戦車を引かされ、食べられ、蘇させられて、また戦車を引かされ、食べられ、蘇させられ・・・の、ループです。
地獄だ~w

荒々しいが素朴で愛されるキャラクター

性格は豪胆で、悪く言えば乱暴といえるトールですが、一方でお人好しで、ロキをはじめ他の者に翻弄されるエピソードもいくつかあります。
(これらのエピソードは、今後紹介していきたいと思います。)

そういった部分が、古代の人々に愛されたのか、オーディンはどちらかというと支配層の神とされていたのですが、トールは庶民層からの信仰を集めていました。

トールは雷を操るといいます、また、天候を操る力があると考えられていて、農耕の神としても信仰されていました。

また、雷を操るということから、ギリシア神話のゼウスと同一視するような説もあるそうです。

トールの家族たち

トールにはシヴという美しい妻がいました。
彼女は美しい金髪の持ち主で、本人もトールもそれを誇りにしていいました。

が、悪戯者のロキがその髪を刈ってしまいました。

ロキの記事に書いた、「黄金の髪」はロキが小人族のイーヴァルディの息子達に作らせて、トールの妻シヴの髪を剃った償いにシヴに送ったものです。(被ると頭にくっついて本物の髪の毛になるという、超高性能なカツラです。)

前述の項と重複しますが、それでロキのことを許すトールもお人好しですね。

シヴの他にも、女巨人のヤールンサクサと子供をつくりました。

特にヤールンサクサとの間にできたマグニという息子は父を超える怪力の持ち主で、ラグナロクの後も生き残る、数少ない者の1人です。

ということで、オーディンの息子トールについて紹介しました。

本当はこの記事で、同じくオーディンの息子、バルドルやチュールたちを紹介したかったのですが、長くなってきたので次回にしようと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。