前回に続いて、「バベルの塔」展のことを書きます。
今回は「展示作品の中で気になって、帰ってきてから調べたキーワード」を書いてみたいと思います。
(音声ガイドで解説されているようなことは省きます。)
ちなみに、作品リストは国立国際美術館のHPに公開されています。
「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 – 国立国際美術館」でググってもらえたら、検索に出てきます。
四大ラテン教父
ニコデモ
聖カタリナ
聖バルバラ
聖クリストフォロス
聖アダルベルト
ソドムとゴモラの町
ロト
ピラト
聖アントニウス
七つの大罪 と 七つの徳目
魔術師ヘルモゲネス
バベルの塔
最後に
四大ラテン教父
聖アウグスティヌス
聖アンブロシウス
聖ヒエロニムス
聖グレゴリウス
いきなり四天王みたいなのがきたw
教父とはラテン語で著述を行った、神学者のことです。
アウグスティヌスは「私は肉欲に支配され荒れ狂い、まったくその欲望のままになっていた」という、爛れた青春を送っていたようです。
アンブロシウスは官僚の道を歩み、非常に優秀だったらしく、話し上手でアウグスティヌスにも影響を与えた。とあります。
ヒエロニムスは、偶然今回の美術展で重要な芸術家である「ヒエロニムス・ボス」と同じ名を持ちますが、全く関係はありません。笑
グレゴリウスは、ローマ教皇として有名です。
先に書いておきますが、今回の紹介はこれくらい「薄っぺらい紹介」です。笑
ニコデモ
「新約聖書」に登場する人物で、イエスに共鳴したユダヤ人です。
彼はファリサイ派(イエスと対立するユダヤ教の派閥)の議員でしたが、イエスに敬意を払っていて、彼を弁護していた。とあります。
イエスの死後は、キリスト教徒となりますが、ユダヤ人に殺されて殉教したとされている聖人です。
聖カタリナ
キリスト教の聖人(女性)。
ローマ皇帝にキリスト教を迫害するのをやめるように説得をした。
50人の異教の賢者たちを論破した。
皇帝に結婚を求められたが、それを拒否し、斬首刑にされた。
聖バルバラ
こちらもキリスト教の聖人です。
裕福な家庭に生まれ、容姿が美しく、父親は求婚者から遠ざけるために、彼女は塔で生活をしていたそうです。
塔生活の中でキリスト教に目覚めるが、非キリスト教徒の父親(この時代キリスト教が禁じられていた)に拷問を受けたりするが、傷が癒えたり神の奇跡を再現した。
最後は父親に剣によって殺害され殉教する。
聖クリストフォロス
以前の「ベルギー奇想の系譜展」でも画題として登場していた聖人です。
クリストフォロス=キリストを背負うもの という名をキリストから与えられました。
で彼に関する伝承は様々なバリエーションがあり、クリストフォロスが巨人として言い伝えられているバリエーションもあるようです。
今回の展示されているボスの聖クリストフォロスも、彼が巨人として登場しています。
聖アダルベルト
プラハ(チェコの首都)の司教。
バルト海沿岸で布教中に殉教した。とされています。
彼の師匠もアダルベルトという名だったそうです。
ソドムとゴモラの町
旧約聖書に登場する商業都市です。
神への信仰を忘れ、神の怒りを買った結果、硫黄と火(神の裁き)によって滅びました。
ロト
ソドムの町に住む彼の元に天使が派遣されて、彼と妻、そして二人の娘は、ソドムが神の裁きを受ける前に町から脱出をします。
その際に「後ろを振り向いてはいけない」と指示されていたのですが、妻はうっかり振り返ってしまい命を落とします。(塩の柱になる。)
その後、彼らは洞窟で住むことになるのですが、二人の娘は子孫が絶えることを恐れ、ロトを酔わせ近親相姦によって、それぞれ一人ずつ子供を産みます。
その子供らは、それぞれ別の部族の祖となります。
ピラト
新約聖書に出てくる、ローマ帝国のユダヤ属州総督。
イエスの処刑に関与する総督として登場します。
イエスの処刑には消極的で、イエスは無実だというスタンスです。
ですが、結局は彼自身はイエスと無実と知りながら、人々の要求に応える形で死刑判決を認めることになります。
その後彼は、自分の罪を悔いてキリスト教に改宗、熱心な信徒となり、聖人となった。としている宗派もあります。
聖アントニウス
3世紀にエジプトに生まれ、両親の死後は財産を貧しい人達に与えて、砂漠に篭って苦行生活を続けたとされています。
彼もクリストフォロスと同じく、絵画の題材として多く描かれています。
七つの大罪 と 七つの徳目
この題材は以前いった「ベルギー奇想の系譜」でも展示されていて、その記事で触れています。
魔術師ヘルモゲネス
名前からして超怪しいヤツです。笑
弟子がキリスト教に改宗し、怒った彼は、聖ヤコブと力を競います。
結果、敗北して改宗・洗礼を受けます。
バベルの塔
有名な話なので、超省略しますが、
人「ワイらにできんことはない!天に届く塔を作ったるで!!」
神「なんて罰当たりな!オマイラの言語をバラバラにして混乱させたるわ!!」
こうして、人々はバラバラな言語となって各地に散っていきましたとさ。めでたし、めでたし。
ということです(?)
最後に
今回の記事は自分のメモ的なカンジで書いたので、 相当粗い紹介になりましたが、この程度の知識でも、あるとないとで、ちょっと展示も楽しみも変わってくるのでは?と思います。
今から思えば、美術展のWebサイトに作品リストが公開されているんだから、事前に出して調べておけばよかったかも。笑
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
2017年10月4日追記
今回記事をより楽しんでいただけるように「旧約聖書」についてまとめています。
記事は随時追加していくので、よかったら併せお読み下さい。
旧約聖書についての記事