どうも、元山狐(もとやまきつね)です。
約1ヶ月ぶりの「ケルト神話について」シリーズです。
前回の記事で「悪徳の町ソドムとゴモラ」という旧約聖書のエピソードを書きました。
ケルト神話のエピソードにちょっと類似した話がありまして、紹介したいと思います。
以前の記事で、ケルトはもともと口伝によって伝わってきたと書きました。
彼らはドルイド(司祭や吟遊詩人)によって「文字に教えを残すのはよくないこと」と信じていました。
その後、ローマの勢力に圧されて散り散りになったケルトの文化ですが、皮肉にもその文化や伝承を文字にして残したのはローマ(キリスト教)の司教たちでした。
なので、ケルト神話にはキリスト教の影響?というか編纂された(ように見える)エピソードがあります。
今回紹介するエピソードは、特にそういう色が濃そうな話です。
イスの都
5世紀ごろの話です。
コルヌアイユという国のグラドロン王には、ダユーという、それはそれは美しい娘がいました。
グラドロン王はダユーのことを溺愛していました。
あ、先に書いておきます。
こういう古い話で、溺愛された子供は、大体ダメな大人に育ちますが、今回もそんなお話です。笑
ある日、グラドロン王は聖人のコランタンに出会い、キリスト教に改宗をし、コルヌアイユにはキリスト教が普及しましたが、ダユーはそれを良く思いませんでした。
話脱線しますが、コランタンって名前、ちょっと可愛くないですか?w
まぁいいや、話を戻します。
耐えかねたダユーは、グラドロン王に自分の為に新たに都を作るように要求し、要求を聞き入れた王は、海の近くにイスという都を作りました。
が、ダユーが納めるイスの都は堕落し、悪徳に満ちてしまいました。
特にダユーは堕落し、貴公子を誘惑して、飽きては殺して海に捨て、取っ替え引っ替えの爛れた生活をしていました。
ある日、悪魔が貴公子に化け、ダユーを逆に誘惑しました。
うまくダユーを言いくるめた悪魔は、ダユーからイスの都の水門の鍵を手に入れました。
そして、悪魔は水門の鍵を開け、イスの都はダユーとともに海の底に沈みました。
悪徳の町ソドムとゴモラとの類似点
新しいキリスト教を受け入れなかったダユーが邪悪になっていって、堕落した結果、神ではなく悪魔の手によって滅びる。
って内容なんですが、キリスト教を布教させるのに書かれたエピソードのような気がします。
(ケルトの文化圏は、ローマ帝国によって侵略されて、結果キリスト教圏となります)
悪徳の町ソドムとゴモラとの類似を挙げると、悪徳に堕ち、滅びる。
ってことなんですが、こうやって書いてみると、あんまり似てなかったかもw
ソドムとゴモラは神により、業火で滅びましたが、イスの都は悪魔によって水で滅びてるから逆だしなぁ。
最後に
イスはフランス語でYsと書きます。
この字を見ると「イース」ってゲームを思い出しますね。
・・・といいながらFCの3と、PSPで7しかやったことないんだけどねw
赤髪のアドルが冒険するアクションRPGのんですが、Wikipediaによると、やはりネーミングはこの「イスの都」に由来しているみたいです。
これ書いてたら、イースがやりたくなってきました。
1と2はiPhoneアプリ化されてるみたいだし、やってみようかなぁ。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。