ケルト神話について-21 首無しの騎士デュラハン

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

かなり久々になりますが、ケルト神話関連のことを書きたいと思います。

先月ギリシア神話の記事でメドゥーサのことを書いたのと、和歌山の首大仏のあるお寺のことを書きました。

首関連ってことで、こっちは「首なし」なんですが、デュラハンのことを書こうと思います。



デュラハンについて

アイルランドに伝わる首のない騎士の姿をした妖精です。

実は乗る馬も首がない

コシュタ・バワーという首がない馬に乗っているらしく、片方で手綱を、片方に自分の首を持つ姿で描かれることが多いそうです。

馬も首なしなんだ!
僕も調べるまでは、イラスト同様、馬は首があるものと思ってましたが、なんだか首なしというとに拘りを持ってるのかな。

それよりも、乗り手も馬も首がない状態で、どのように方向を見定めて移動してるんだろう。

抱えた首が方向を見てるとしたら、器用過ぎですよね。笑

死を予言し、魂を刈り取る

「死を予言する」存在で、近々死人が出る人の家の付近に現れ、
戸口を開けた、家の人にタライいっぱいの血を浴びせかける。
と、あります。

嫌すぎ!!笑
なんつー迷惑な野郎だ・・・

ケルト神話で死を予言する存在としては、妖精バンシーなんかが有名です。

以前書いた半神半人の英雄クー・フーリンの死を予言したのもバンシーでした。

ケルト神話について-11 クーリーの牛争い(後編)

しかし、こちらはバンシーとは違い、人の魂を刈り取る、死神のようなこともしているようです。

更に持っている武器(鞭)は人間の背骨で、無関係の人でもその姿を見てしまうと、その鞭で両目を潰されるそう。

根本的にデュラハンは、人にその姿を見られることを嫌うそうで、前述のタライいっぱいの血といい、鞭で目を潰すも見られるのが嫌だからなんでしょうね。
そう考えるとシャイでかわいい・・・とは思えませんね、やることが激しすぎる。(笑)

デュラハンから逃れることができれば、死から逃れることができる。
と、考えられているらしく、コシュタ・バワー(馬)は水の上を渡ることが出来ないので、川を渡ればデュラハンから逃れることができるらしいです。

性別の謎

男性とか女性とかいう説があります。

首がなくて、鎧着てるから見た目ではわかりにくそうですね。

騎士というイメージだと男だと思うんですが、ケルト神話に出てくる女神モリガン・バズヴ・マッハも戦いの女神であり、死の前兆といった性質を持っていました。

ケルト神話について-6 戦いの女神たち

死の予言をする妖精だとバンシーも女性ですし、死の前兆って部分でいくと、個人的には女性説の方がしっくりくる気がします。

まぁ根本的にどっちであろうが、あまり会いたくない存在ではあります。

デュラハンの逸話

デュラハンってゲームとか、いろんな作品で登場するので結構有名だと思うんですが。

持ってる参考書籍や、ネットで調べたりしたんですが、ケルト神話上で登場している逸話が見つけられませんでした。

神話というよりは民間伝承の存在なのかな。
(日本でいうところの妖怪的な。)

これがデュラハンというには荒いかもしれませんが、以前紹介した「新約・アーサー王物語」という本に「縮んだ腕のカラドック」という話があります。

新訳 アーサー王物語 読んでみた。

そのエピソードの中で、このエピソードの主人公カラドックスは、ある騎士と勝負をすることになります。

その騎士は自分の首を台の上に横たえて、
「誰にでもいいからそれ(自分の首)を切ってもらう。ただし、もし切られても自分が生きていたら、今度はその切った相手が自分と同じことを試みる。」
という条件を出しました。

カラドックスはその勝負を受けて、騎士の首に一撃を与えると、首と胴体は切り離れ、首は転がるのですが、騎士はそのまま歩き出し、自分の首を拾って、何も無かったかのように元どおり取り付ける。

といつシーンがあります。
これ以上書き出すと、アーサー王物語の記事になっちゃうのですが(笑)、ちょっとデュラハンっぽいなー。と思いました。
(実際この騎士は後にカラドックスの父親と判明するんですが。)

デュラハンの由来?

参考書の一冊に、おもしろい説があったので紹介してみます。

いちばん詳しい「ケルト神話」がわかる事典という本です。

デュラハンの名前の由来については、
「モンマルトルの丘で斬首された後、その首を抱え歩き続け、後に聖ドニ大聖堂が建てられた場所で倒れた。」
という言い伝えを持つ、3世紀のキリスト教司教聖ドニ(ディオニュシウス)の名前が由来となった。という説があるみたいです。

ただし、聖ドニはフランスの守護聖人で、十四救難聖人(信者がピンチのときに名を呼ぶと救ってくれるとされている聖人)の1人として数えられる方なので、デュラハンとはかなり性質が違いますね。
あまりこの聖ドニのことを書き出すと、また脱線しそうですが、ここまで書いていてこの方に興味が出てきたので、別の記事で紹介できたらと思います。

あと、同じ書籍に書かれていて、読み流していたんですが、改めて見ると少し「フフッ」となったので、紹介しておきます。

「いちばん詳しい「ケルト神話」がわかる事典」より
1845年のジャガイモ飢饉の際、首なしデュラハンとバンシーが同時に現れたという話がある。

なんかすごくB級な臭いが。笑

最後に

かなり久々にケルト神話関連のことを書きました。

正直神話というよりは民間伝承というか、都市伝説っぽい気もしましたが。
アメリカの都市伝説スリーピー・ホロウとか、よく聞く首なしライダーの都市伝説なんかにも影響を与えていそうですね。

amazonプライムのレンタルで映画「スリーピー・ホロウ」がレンタルできるみたいなので、見てみようかなぁ。

そういえば、前にやっていたゲームで「ドラゴンズクラウン」のアートワークにも首なし騎士があったような。
もう売ってしまったけど、なんか無償にまたやりたくなってきたかも。

かなり出ている作品が多いデュラハンだけに、記事を書いているとあれやこれ思い出しますね。

また、他の妖精たちも紹介していけたらと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。