ギリシア神話-24 英雄ヘラクレスの誕生とヘラの迫害

どうも、元山狐です。

前回までで、英雄ペルセウスについて書きましたので、今回からギリシア神話の英雄で最強と言われるヘラクレスについて書きたいと思います。
ヘラクレスはすごく有名で、僕も名前は知っているんですが、そのエピソードについては殆ど知りません。

軽く本を読んだり、ネットで調べたカンジですと、かなりの数のエピソードがあるので、いくつかスキップするかも知れません。
というかは、僕の勉強不足で拾えていないエピソードが結構出ると思います。笑

それを差し引いてもかなりのボリュームとなりますので、今月中に紹介しきれるかどうか微妙です。




ペルセウスのひ孫で、ゼウスの子

ヘラクレスは前回までで紹介していたペルセウスの子の子の子、つまりひ孫にあたります。

ペルセウスはミュケナイ王家の創始者となったと書きました。
そんなペルセウスの孫アンピトリュオンは王位奪還に失敗してテーバイの王のもとに身を寄せて、いとこのアルクメネと結婚しました。

ところが、アンピトリュオンが戦争に出かけると、そこでいつものエロジジイが登場します。
そうです、ゼウスです。

ゼウスはもともとアルクメネの美しさに目を付けていて、自分の子を産ませる母と決めていました。
しかし、アルクメネは非常に貞操が固く、
「いかに言い寄っても、アンピトリュオンを裏切ることは無いだろう。」
と思っていました。

そこで、ゼウスはアンピトリュオンの姿に変身をして、戦争から帰還した体でアルクメネの元を訪ねました。
そして性交に成功。
こうしてアルクメネは、ヘラクレスを身籠ることになりました。

しかし、ゼウスはダナエ(ペルセウスの母)としたり、そのダナエの孫の妻、つまりゼウスのひ孫の妻を寝取ったり、かなりえげつないですね。

そして、本当に戦争から帰ってきたアンピトリュオン。

妻が自分の手柄を既に知っていることに驚いて、預言者テイレシアスに問いました。
そこで、ゼウスの仕業を知ることになります。

ショックを受けて、その後妻を抱くことをしなかったアンピトリュオンですが、実はアルクメネはアンピトリュオンの子も身籠っていました。
それがヘラクレスの双子イピクレスです。

ヘラの迫害

以前ペルセウスの記事を書いている時に思いました。

「そういえば、ペルセウスはゼウスの子なのに、ヘラの迫害を受けていないなぁ。」

以前女神ヘラを紹介する記事でも書きましたが、彼女はすごく嫉妬深く、激しい気性の持ち主なので、愛人やその子供を迫害するのです。

ギリシヤ神話-10 ヘラ、デメテル、ヘスティアについて

ペルセウスの母ダナエは父から幽閉されたり、箱詰めにされて川に流されていたり既に苦労をしていたので、同情して迫害しなかったのかな?

まぁ、ダナエとペルセウスは例外ということで、いいでしょう。

ゼウスはヘラクレスが生まれるのが近くなると、
ゼウス
「ペルセウスの子孫として次に生まれてくる子が、地上の人々の新たな支配者になる。」

と言いふらしていたのをヘラは聞いていたのです。

ゼウスもヘラクレスが生まれてくるまで黙っているとかできなかったんでしょうか。

ヘラ
「グヌヌ・・・おのれヘラクレスめ。」

ということで、生まれる前からヘラの憎しみを買うことになったヘラクレス。

まず、ヘラは娘で出産の女神であるエイレイテュイアに命じて、アルクメネの出産を遅らせました。

すると、別のペルセウスの子孫エウリュステウスが先に生まれてしまいました。
そうすることでゼウスの神託はエウリュステウスに宿り、エウリュステウスがミュケナイとティリュンスの王になりました。

そして、やがてヘラクレスとイピクレスが生まれると、ヘラはヘラクレスを殺そうと、双子が寝ている部屋に2匹の毒蛇を放ちました。


イピクレスが怯え泣き叫ぶのに対し(赤子なので当然ですが)、ヘラクレスは2匹の毒蛇を難なく捕まえ、絞め殺してしまいました。

イピクレスの泣き声を聞いて、2人の部屋に駆けつけたアンピトリュオンはこの有様を見て、ヘラクレスこそがゼウスの息子であることを知りました。


ちなみに、時系列的にどこかがわからなくて、書き漏らしたのですが、ゼウスはヘラクレスが生まれた後にヘラクレスにヘラの母乳を飲ませようとしました。
ヘラクレスを憎むヘラはそれを拒否。
困ったゼウスはヘラに眠り薬を飲ませて、その間にヘラクレスに乳を飲ませました。

しかし、途中でヘラは目覚めてしまい、ヘラクレスを払い除けます。
そして、その時勢い余って流れた乳がミルキーウェイ、日本で言うところの天の川だという説があります。

ヘラの母乳を飲んだので、ヘラクレスは幼少時から神がかった力を発揮したとか。

並外れた力を示したヘラクレス。

成長した彼は

  • アンピトリュオンから戦車の操り方
  • アウトリュコス(後に紹介するオデュッセウスの祖父にあたります。)からレスリング
  • エウリュトス(オイカリアの王)から弓術
  • カストル(ペルセウスのひ孫にあたる英雄)から武器の扱い
  • 偉大な音楽家リノスから竪琴

など、英才教育を受けました。

アンピトリュオンは息子であり、息子とも言い難いヘラクレスとどんな関係性だったんでしょうか。
でも、戦車の操り方を教えているくらいなので、良好な関係だったんでしょうね。

ちなみに、ヘラクレスには竪琴の才能はなかったらしく、
「覚えが悪い!」
とリノスに叱られたことに激怒し、師匠を竪琴で殴り殺してしまいます。

その後、ケンタウロス族のケイロンに武術と馬術を教わり、人並み外れたくましい青年に成長しました。

※この時、ヘラクレスに武器の扱いを教えたカストルも一緒に教わっているようです。
二人共ペルセウスのひ孫にあたるので、同世代だったのかも。

最後に

今回はヘラクレスが誕生し、青年に成長するまでをご紹介しました。
竪琴の師匠を殴り殺してしまったり、精神面で英雄とは呼びにくい気がします。

また、今の所ヘラの迫害も緩いような気がせんでもありませんが、今後のヘラクレスのエピソードにもちょくちょく出てきては陰険な策を仕掛けてきます。

次回からは、成長したヘラクレスのエピソードを紹介していきたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。