ギリシア神話-60(番外編その2)カラスが黒くなったきっかけ?ギリシア神話に伝わるコローニスの物語

先日『八咫烏神社に行ってきました。(奈良県)』という記事を投稿しました。
その記事の中で、「ギリシア神話にはコローニスという娘とカラスが登場する物語がある。」といったようなことを書きました。
長らくギリシア神話からは離れていたけど、久々にギリシア神話関連の記事を書いてみます。



コローニスの物語

テッサリア王の娘コローニス


昔々、ギリシャのテッサリア王には、コローニスという美しい娘がいました。
コローニスはとても美しく、オリュンポス12神の太陽神アポロンはメロメロになりました。

太陽神アポロンと愛し合う

2人は愛し合って、コローニスは子供を授かりました。
アポロンは愛するコローニスに、使い(というより連絡係?)として白いカラスを送りました。

しかし、幸せは続かなかった

しかし、コローニスにはイスキュスという愛人がいました。

そして、ある日カラスは見てしまったのです!
コローニスとイスキュスが密会している現場を。

コローニスはイスキュスのバトントワリングにメロメロです。
やっぱ器用な男の子ってモテるからね。

愛から憎悪へ

カラスはこのことをアポロンに報告しました。
激怒したアポロンは!
コローニスに向かって矢を放った!
こうかはばつぐんだ!

・・・こうして、コローニスは息絶えたのですが、その間際に
「お腹にいる赤ちゃんを産んでから死にたかった・・・。」と残しました。

赤ん坊は救出された

冷静になって、悔やんだアポロンは、コローニスのお腹から赤ん坊を取り出して、ケンタウロスのケイロンに育てさせました。
ケイロンは英雄ヘラクレスの武術と馬術の師匠でもあった、偉大な人物です。

ギリシア神話-24 英雄ヘラクレスの誕生とヘラの迫害

ケイロンは医学にも長けており、育てられたその子は、アスクレーピオスと名付けられて後に「医神」として信仰されることになります。
アスクレーピオスは杖を持った姿で描かれることが多いのですが、世界保健機関(WHO)の旗にかかれている、中央の杖はアスクレーピオスの杖ですね。

アポロン神はダプネとのエピソードといい、恋愛運には恵まれません。

ギリシア神話-14アポロンとアルテミスについて

喪に服すカラス

そして、カラスはその時からコローニスの喪に服することになり黒になりました。
・・・という自主的に黒になった説もあれば、アポロンからの逆恨みで「お前はずっと喪に服してろ!!」と言われたからという説もあります。

後者だったら、かなり理不尽ですね・・・。