今回もエジプト神話の続きを書きます。
前回死んだのか死にかけたのか、ピンチなったホルスなんですが、トトによって命を取り止めました。
そして、その後はすくすくと育ちました。
今回からは青年(神だから青年という言い方が正しいのかどうかわからないけど。)になったホルスが、いよいよセトから王位を取り戻す戦いに突入していきます。
たくましくなったホルス
たくましくなったホルスを見て、イシスはホルスと共に、オシリスを殺害し王位を奪ったセトを糾弾しようと思いました。
そんなある日、神々が三角洲のある島に集うことになっているという噂を聞きつけます。
今まであまり取り上げてこなかったけど、ヘリオポリス神話の中で中心的な神はヘリオポリス九柱神と呼ばれます。
一般的には以下のメンバーが挙げられます。
- アトゥム(ラー)
- シュー
- テフヌト
- ゲブ
- ヌト
- オシリス
- イシス
- セト
- ネフティス
ただし、場面や話によって九柱神のメンバーは入れ替わっていることがあります。
ちなみに手持ちの本では、この時に集まった神は、
ラー、シュー、テフヌト、ゲブ、ヌト、トト、大ホルス(イシスの息子とは別神)、セト、ネフティスと書いていました。
イシスとホルスの代わりにトトと大ホルスが入っているカンジです。
大ホルスは太陽神としてラーと同一視されたり、イシスの息子のホルスとも同一視されたりする、なかなか立場があいまい?な神です。
それよりも、ネフティスは前回までセトに迫害されていたのに、神々の集いに参加する程地位を回復していたんですね?(というかそれなら、イシスにこの集まりのことを教えてあげるとかできなかったのかな。)
とにかく、この神々の集いにイシスとホルスは乗り込みました。
そして、セトのことを訴えました。
この時は水掛け論的なやりとりがあったものの、ほとんどの神はイシスとホルスに味方をしました。
が、ラーはセト派です。
武力に優れたセトを護衛にして重用していたのもあったんでしょうが、真名の件があってから、イシスにあまりいい思いは持っていない気がせんでもありません。
ホルスとセトの争い(水中我慢対決)
イシス、ホルス、セトだけでなく神々もそれぞれの意見を言い合い、裁判のようなものが始まりました。
裁判長はこの中では最も偉いラーがすることになりました。
(個人的にはこういうのは知を司るトトの方が向いている気がするけど。)
で、ラーの判決としては
「ホルスはまだ子供なので、セトが引き続き王位に座りる。しかし、その跡はホルスが継ぐ。」
といったものでした。
いかにも煮え切らない判決で、これには神々も不満の声をもらしました。
そこで、セトはホルスと実力で競うことを提案しました。
で、セトから提案された手段が、
「二人でカバになって、どっちが水中で息を我慢できるか対決ぅ~!」
オシリスを殺害したり、バラバラに刻んだあの凶暴さは一体どこにいったのでしょう。(笑)
しかし、回りの神もそれなら、2人が大きく傷つくような事態にはならないし・・・と異論を唱えることはありませんでした。
2人はカバに化けて水中に潜りました。
普通のカバは4~5分程もぐることができると言われています。
最高で8分という話も聞きます。
しかし、今回の2匹のカバは神の化身、というか神が変身した特別なカバです。
何時間たっても上がってくる気配がありません。
そう、この勝負はすぐに決着がつくようなものではないのです!!
すごい!これはすごい勝負だ!
だけど、神々はイシスだけを残して、散り散りに去っていっちゃいました。
飽きちゃったんだねw
実はこの我慢大会ここからさらに5日以上続きます。
クジラでも数時間なんだけど、ここまでくるともうカバってレベルじゃぁねぇぞ!
イシスもホルスのことが心配になってきました。
いや、心配し始めるのが遅すぎるんですけど。
っていうかさすがにしびれを切らしちゃったんでしょうね。
で、イシスが動くことでこの戦いは新たな局面を見せることになります。
ちなみにここからしばらくはホルスとセトの争いが続きますが、内容はかなりツッコミどころ満載でカオスな争いに発展していきます。(笑)
とりあえず続きは次回に続けたいと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。