ギリシア神話-31 英雄ヘラクレスと10の難業(5)

どうも、元山狐です。

今回もヘラクレスと10の難業について書いていきます。

といいつつ、前回は難業について殆ど書いてませんでした。笑

ケンタウロス族との争いの中で師を亡くし、永きに渡り罰を受けていたプロメテウスを解放したヘラクレス。

大猪を捉え、難業を達成したヘラクレスにエウリュステウスが命じた次の難業は、今までの難業に比べて極めて異質な内容でした。




今回の難業は掃除

今回エウリュステウスが命じた難業は、
「エリスの王が所有する家畜小屋を掃除してこい」
というものでした。

は?

掃除?

と思いきや、ヘラクレスにとっては屈辱だったでしょうし、案外苦痛を与えることには成功したのかも知れません。

この家畜小屋は3千頭の牛がいて、30年間掃除されたことがないそうです。

3千頭が収容できる家畜小屋ってのが、規模的にイマイチピンときません。

軽く調べただけなので、どこまで正確性があるか自信がありませんが、約40平方メートルで6-7頭という例を見かけたので、6頭と考えると単純に500倍の広さ、20,000平方メートル・・・ピンときません。

東京ドームの4割くらいの広さ・・・
競技用のプールが1レーン50M×25Mらしいので、16レーン・・・(通常10レーン)
普通乗用車約1,333台収容スペース(通路考えず)

・・・
広さの例えは難しいですね。笑
まぁしかし、一人で掃除するにはかなりの広さだと思います。

ヘラクレスのトンチ

豪傑なる英雄ヘラクレスが家畜小屋の掃除だと!?

とヘラクレスが怒りそうなもんですが、ヘラクレスには策があるらしく、ノリノリで(?)エリスの王アウゲイアスを訪ねました。

そしてこう言いました。

ヘラクレス
「もし私が1日で家畜小屋を綺麗にしたら、3千頭の牛の10分の1、つまり300頭いただけませんか?」

アウゲイアス王
「アッハッハ、面白い!やれるものならやってみろ!」

もちろん王は「そんなことできっこない」と思っています。

そこでヘラクレスさんのトンチ炸裂です。

なんと近くのアルペイオス川とペネイオス川の流れを強引に変えて、小屋に引き込み30年間溜まり固まったりこびり付いている汚物を、一気に流したのです。

強引に変えてってのはどんな手段なんでしょう?
何かと神々と縁のあるヘラクレスですから、川の神の力を借りたのか、それとも豪傑な彼らしく土木作業によって川の流れを変えたのかな?

ともかく、川の流れは本来のものとは異なってしまい、その後この付近は度々水害に悩まされることになります。

※今回特にマッチする絵がなかったので、ギャップあってすいませんね・・・。

今回の難業もノーカウント

難業2つめの「ヒュドラ退治」は「他人の力を借りた」ということで、ノーカウントとされましたが、今回は

難業=罪滅ぼし
なのに、勝手な報酬を求めた。
ということで、ノーカウントとされてしまいました。

さらにアウゲイアス王も

「掃除はヘラクレスがしたのではなく、川の水が掃除した」

とか屁理屈を並べて、報酬を支払いませんでした。

国の民も水害で悩まされることになるし、今回は誰にとってもいいことなしのようです。

最後に

今回なんかコミカルタッチな内容で、なんとなく「こち亀」みたいな匂いを感じました。笑
ヘラクレスが両さんで、エウリュステウスが部長みたいな。

追加情報としては、ガメツイイメージだけが残ったアウゲイアス王ですが、別の英雄イアソンアルゴー船で様々な冒険をしたアルゴナウタイという英雄たちの1人に数えられるそうです。

まぁこの時点で、僕はイアソンのことを調べていないので、どんな冒険だったかはわかりませんが。

一方ヘラクレスは今回のことで、アウゲイアス王を恨んでまして、後々にエリスを攻撃し、アウゲイアス王を殺しています。

なんかヘラクレスって筋肉DQNみたいな印象なんだけど、この後に難業を積み重ねる中で精神的に成長していくんですかね?

概要は読んでるんですが、細かな肉付けは調べてながら書いていってるので、書く方としても、今後の展開が気になります。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。