どうも、元山狐です。
前回までは英雄ヘラクレスのことを書いてきましたが、今回からはイアソンという英雄のことを書いていきたいと思います。
イアソンはヘラクレスと同時代に活躍した英雄で、アルゴー船でコルキスの黄金の羊の毛皮を探し求めた冒険が有名です。
今回はそんなイアソンの生い立ちと旅立ちについて書きたいと思いますが、正直ヘラクレスに比べると地味です。(笑)
王位争いに巻き込まれる不幸な王子
イアソンはテッサリア地方のイオルコスの王アイソンの子、つまり王子ですね。
生い立ちに関しては主だって次の2説があります。
説その1
通常ですと王アイソンが亡くなると、息子であるイアソンが王位を継承するのですが、アイソンが亡くなった時にイアソンが幼かった為、アイソンの弟でイアソンの叔父にあたるペリアスが王位を継ぎ、イアソンはケンタウロスの賢者ケイロンの元に預けられました。
説その2
アイソンとペリアスは兄弟で王位を争いました。
結果、アイソンは王位を奪われ、アイソンは幽閉されました。
アイソンはイアソンを助ける為に、イアソンをケンタウロスの賢者ケイロンの元に預けました。
こうやって並べると、説によって叔父ペリアスの邪悪さ加減が変わってくるのですが、このブログでは説2を前提に書いていきたいと思います。
どちらにせよ、ケンタウロスのケイロンの元に預けられるのですが、ケイロンといえばヘラクレスの武術と馬術の師匠ですね。
そして、ヘラクレスの毒矢で命を落とす、少々不遇な人物?でもあります。
立派に成人したイアソン
ケイロンの元で立派に成長したイアソンは王位をペリアスから奪還する為、故郷に向け旅に出ることにしました。
その道中で氾濫している川の手前で立ち往生している老女に出会ったイアソン。
彼は老女を背負って、川を渡りました。
肉体的な面だけでなく、精神的にも紳士として英雄に相応しい成長をしたんでしょうね。
水の勢いと老女の重さで、川を渡ることは困難で、履いていたサンダルの片方を無くしましたが、なんとか川を渡りきりました。
実はこの老女の招待は神々の女王ヘラでして、誠実なイアソンはその後ヘラの加護を受けることになります。
そして故郷に到着
故郷イオルコスに到着したイアソンは、叔父ペリアスに会い王権の回復を求めました。
ペリアスはイアソンの外見を見てギョッとしました。
実はペリアスは
「サンダルを片方だけ履いた男に滅ぼされる」
と神託を受けていたのです。
しかし、せっかく手に入れた王位を簡単に手放すわけにはいかない。
そこで、ペリアスはイアソンに王位を返す条件として
「コルキス王の持つ金羊の毛皮を持ち帰ること」
と言い渡し、旅の道中で命を落とすだろうと企てました。
アルゴー船で航海の旅に
コルキスは黒海の果にあり、辿り着くのに困難が予想されました。
そこで、イアソンは船大工のアルゴスに巨大な船アルゴー船を建造してもらい、乗組員を募集しました。
イアソンの人徳の元に集ったのはそうそうたるメンバーでした。
アルゴー船の乗組員として集った英雄たち
ヘラクレス
前回まで紹介していた、ギリシア神話最大にして最強の英雄。
ヒュラスというヘラクレスお気に入りの美少年も同行させていたようです。
船大工アルゴス
カストルとポリュデウケス
ゼウスとレダの双子の息子
カストルはヘラクレスに武器の扱いを教え、ヘラクレスとともにケイロンに武術と馬術を教わっています。
テセウス
アテナイの英雄。
彼は今後の記事で紹介していく予定です。
他名高い神の子や、英雄ら50人を超える勇姿が集まりました。
アルゴー船の乗組員たちはアルゴナウタイと呼ばれています。
アルゴナウタイは、英雄たちの神アテナの祝福を受けて出発しました。
道中でも様々がことがあった
ヘラクレスの離脱
アルゴナウタイの中でも一際勇敢で強靭だったヘラクレスですが、道中お気に入りの美少年ヒュラスが、その美貌のため水のニュンペ(精霊たち)にさらわれてしまし、それを救出するために離脱しました。
ヘラクレスは男色の気もあったのかな。
離脱と書きましたが、厳密にはヒュラスを探している間にアルゴー船が出発してしまった。ということになります。
盲目の預言者ピネウスを救出
ピネウスは以前人間の未来を予言したため、神々に罰せられ盲目にされてしまいました。
さらに神々はピネウスの元に怪鳥ハルピュイア(英語読みだとハーピー)を遣わし、彼の食事を毎回奪うようにさせました。
すごい嫌がらせですね。笑
そんなピネウスが住むトラキア島についたアルゴナウタイは、怪鳥ハルピュイアを追い払い、ピネウスを救いました。
ピネウスはお礼にイアソンらに航路を示し、アルゴー船はそれに従うことで、途中の難所も無事に通過してコルキスに到着することができました。
他にもいろいろあったのですが、長くなってきたので、今回はこれくらいにしておきます。
最後に
無事にコルキスについたイアソンらアルゴナウタイですが、ここから更に難題をふっかけられたり、イアソンとメディアという娘の恋物語があったり盛り上がってきます。
正直僕はイアソンと恋に落ちるメディアの起こす行動の方が、イアソンよりインパクトがありました。
イアソンに関しては、あと数回で書き終える予定なので、そのあたりの紹介も次回以降の記事でしていきたいと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。