シェイクスピア「リア王」を読んでみた

どうも、元山狐です。

以前シェイクスピアの「マクベス」という本を読みました。

シェイクスピアのマクベスを読んでみた。

その時、なんてゆーか古い本のくせに(失礼)面白いな。って思いました。
で、先日同じくシェイクスピアの「リア王」を読んでみました。

こちらもシェイクスピアの4大悲劇と呼ばれるものの1つで、他には以下があります。

  • オセロー
  • ハムレット




「リア王」の主な登場人物

この物語は、そこそこのボリュームもあり、登場人物も結構多いのです。
僕は人物相関図を頭の中だけで組み立てるのが苦手で、ノートに登場人物を書き出しておかないと「誰が誰で何?」となってしまいそうでした。

リア王とその娘達

リア王

物語の主人公で、ブリテンの王。
3人の娘たちがいる。
自分の退位とともに、国を3人の娘に分け与えることにする。
その歳に、娘に対し自分への愛を問うが、それが悲劇の始まりになってしまう。

ゴネリル

リアの長女。
父の問に対し、言葉巧みに父を喜ばせるが、その心は醜く、父、妹だけでなく夫に対しても不誠実。
多分物語の中では一番性格が悪い。

リーガン

リアの次女。
ゴネリルと同じく、父の問には嘘をついて父を喜ばせる。
内心も姉と同じく醜い。

コーディリア

リアの3女。
ヒロイン。
父の問に対し、正直な気持ちを答えたところ、勘当されてしまう。

リアの娘たちの夫たち

オルバニー公

ゴネリルの夫。
嫁とは違い、良識ある人物。

コーンウォール公

リーガンの夫。
傲慢な印象です。

バーガンディ公

フランス王とともに、コーディリアに求婚し、所謂恋敵だったが、リアに勘当された時点でコーディリアを見限るクズ男。

フランス王

バーガンディ公と違い、リアの問に対し、正直で誠実なコーディリアの姿を見て、益々彼女を愛し妃とする。
すごく誠実な人だと思うのですが、物語で登場することは殆どありません。

リアや娘の臣下たち

ケント伯

リアの臣下。
リアに対し忠義に厚いが、娘(コーディリア)に対する勘当に諫言した時に追放されてしまう。
その後、リアが危機に瀕していることを知り、変装してリアに仕える。

グロスター伯

リアの臣下。
ケントと同じ忠義に厚く、王に対し誠実な人物。
庶子エドマンドに図られて、誠に父を愛する息子エドガーを追放してしまう。

エドガー

グロスター伯の息子。
王、父に対して誠実。
物語におけるヒーロー的な役割。

エドマンド

グロスター伯の庶子。(本妻以外の女性から生まれた子)
野心家で、エドガーの追放に成功。
更に王になろうと目論む。

オズワルド

ゴネリルの執事。
典型的な小物悪役。

あらすじ

すでに登場人物の項にも少し書いてしまいましたが、リア王は自らの退位と、3人の娘に国を分け与えることにします。

その際、娘たちに「自分(王)のことをいかに愛しているか」を問います。

長女ゴネリル、次女リーガンは言葉巧みに王が如何にも喜びそうな言葉を返します。
100%お父様ラブ的な。

しかし、王が最も寵愛した3女のコーディリアは正直に自分の気持ちを答えます。

父親のことを勿論愛しているが、夫に嫁いだ上はその半分は夫に捧げるつもりだ、と。

これがリア王の癇癪に触れてしまい、コーディリアは勘当され、それを諫言した忠臣ケントを追放してしまいます。

リアが王を退位した後、姉たちの態度は一変。
父を蔑ろにし、挙句の果てに追い出してしまいます。

それに対し、王に対し忠義を守るケントや、グロスター、エドガー、そして勘当されても変わらず父を愛するコーディリアらの助けによって、姉らをはじめ野心のあまり人道を外れた勢力と戦うことになります。

しかし、最終的にはリアと娘らは皆死んでしまうという悲劇です。

かなり、大雑把ですがそんなカンジ。

感想

正直はじめの時点で、リアの王としての無能さが露呈してまして、まぁそりゃハッピーエンドにはならんだろう。と思いました笑。

娘に全ての愛を自分に向けることを求めているってのは父親としてキモいですし、国を分割して継承するってのも王として無能ですよねw
歴史の話になりますが、フランク王国遺産分割の慣わしがあったそうで、こちらもやはり代を重ねる毎に衰退していきます。

無能な王、典型的に性悪女の姉達との戦いよりかは、ケントやグロスター伯と、その息子達の活躍の方が人間ドラマに富んでいて僕は読んでて楽しかったですね。

物語「リア王」のモデル

僕はあまりシェイクスピアには詳しくないんですが、今回購入した本には「解題」がありまして、
シェイクスピアの作品はの殆どは、原作or元ネタがある。とありました。

この「リア王」の場合は、12世紀の修道士ジェフリー・オブ・モンマス「ブリタニア列王史」に出てくるリール王の記録と、作者不明の古い劇「リア王と3人の娘達の年代記劇」を下敷きにしているようです。

ブリタニア列王史は歴史的史実に、神話や伝承の出来事も混ぜ合わせて「歴史書」として書いたもの。だそうで、真実とはかなり異なる部分があります。
で、この「ブリタニア列王史」は修道士のジェフリー・オブ・モンマスという人が書いたもので、ケルト神話回りの影響を色濃く受けています。

ケルト神話の「神話サイクル」にリルという海の神様がいまして、彼の話が下敷きとなってリール王の物語が作られ、そのリール王の物語がリア王の下敷きになったのだと思います。
ちょっとウラが取れていないので、もしかしたら間違っているかも知れません・・・。

ケルト神話について-4 ダーナ神族の神々

リア王には「ハッピーエンド」バージョンがある?

これも、購入した本の「解題」に載っていましたが、リア王のモデルとなった、前述の「リア王と3人の娘達の年代記劇」はシェイクスピアのリア王とは違ってハッピーエンドらしく、コーディリアとフランス軍は、2人の姉とその夫たちの軍勢を破って勝利して父に王位を復活させる。
リアもコーディリアもその後は幸せに暮らすという結末みたいです。

シェイクスピアのリア王の方はそれに比べると、なんというかあんまり救いがないです。
まぁバッドエンドの方が、なんとなく神話とか伝説に寄せているカンジがして僕は好きですけどね。

最後に

ということで、新年一発目に読んだ本が、このシェイクスピアの「リア王」でした。
購入したと書きましたが、実はAmazonのPrimereading で読みました。

対象だった本が、急にそうじゃなくなったり、対象作品がコロコロ変わるので、コミックとかで使うのはキツイなぁ。とは思うのですが、小説は短期間で読むことが多いので、また電子書籍もボチボチ使っていこうかな。とか思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。