シェイクスピアのマクベスを読んでみた。

マクベスは中世のスコットランドの話で、実在のスコットランドの王マクベスをモデルにしてます。
本のボリュームはとても少なく結構すぐに読み終わりました。




マクベスの主な登場人物

マクベス

タイトルからわかるとおり主役です。
スコットランドの勇敢な武将で武力に長ける。

初めの方は内面的にも凛々しくてかっこいいのですが、物語の後半に近づくにつれて臆病で気弱な面が目立つようになってきます。

ダンカン

「この野郎!」のターゲットとしてはあまりに有名なダンカン。
でもこの物語ではスコットランドの王です。

部下に対する労いもきちんとできる、有能でとても良い王様です。
マクベスと同じく、歴史上で同名のスコットランド王がいます。

バンクォー

マクベスと同じく勇敢な武将であり、マクベスの親友。

マクベス夫人

名前のとおりマクベスの嫁さん。
固有の名前は出てきませんが、僕的には今回一番印象の強かった人です。

3人の魔女

物語の冒頭は彼女らの語らいから始まる。
予言によってマクベスを惑わすなど、物語の重要なキャラですが、影が薄いです。

「にこにこぷん」の↓くらいのキャラです。

マルコム

ダンカン王の息子(王子)。

マクダフ

スコットランドの貴族で王に対する忠誠も厚い。

あらすじ

3人の魔女の予言

物語の冒頭。
部下から王に、英雄マクベスな様々な戦果の報告があがります。
ダンカン王はそんなマクベスに酬いるため、コーダ(スコットランドの町)の地を与え領主とすることを決めます。

一方その頃、戦より帰還中のマクベスとバンクォーの前に3人の魔女が現れる。

魔女はマクベスが
コーダ領主となり、やがてスコットランドの王となるであろう。と予言を残して、姿を消します。

その後、王の元に帰還したマクベスは褒美の話を聞いて、魔女の予言が当たったことに驚き、喜ぶのですが、ここから彼の心の中に企みの心が現れ始めます。

王殺害

マクベスは妻に今回のことを手紙にして送ります。
マクベス夫人は、その手紙を見て王殺害を決意します。(もうこの時点で狂ってきてますねw)

ダンカン王が家来らとマクベスの館を訪れます。

マクベスは、ここで良心からか野心(王の暗殺)をためらうのですが、マクベス夫人は夫を煽りまくり、暗殺を決意させます。
(その後も、マクベス夫人は夫を叱咤激励して悪行を実行させていきます。)

そして、暗殺を決行したマクベス。

最初にダンカン王の死を発見したのは、貴族のマクダフで、彼らは絶望し、悲しみのどん底に落ちます。
そんな中、息子マルコムとドヌルベインは父の死に直感的に陰謀を感じ、イングランドに亡命します。

マクベスは王殺害の罪を護衛になすりつけることに成功し、魔女の予言どおり王位を譲り受け、計画どおりスコットランドの王となります。
しかし、彼は今後、自らの罪に悩まされ苦しみ続けることとなります。

悪行を重ねるマクベス

マクベスの次のターゲットはバンクォー。
魔女の予言をマクベスの隣で聞いていたバンクォーは、王殺害の犯人としてマクベスを疑っているのです。

マクベスはバンクォーに刺客を送り、計画どおりバンクォー暗殺に成功します。

バンクォー殺害後、マクベスは城で宴を開きますが、ここで死んだバンクォーの亡霊が現れます。
(マクベスの罪悪感が生んだ幻影の類かも知れません。)
マクベスは怯え、取り乱してしまい、座は白け、ここで王に疑いの念を持つ者も出てきます。

その後、罪悪感・恐怖・疑心暗鬼に苦しみ、狂うマクベスは暴政を行い、国はどんどん不安定になり零落していきます。

マルコム王子の復讐

マクベス王に不信感を持った貴族のマクダフは、イングランドに亡命した王子のもとに向かいます。

一方その頃、不安のどん底で苦しむマクベスのもとに、あの3人の魔女たちが現れます。
そして、彼女らは新たな予言として
「女の生み落とした者の中には、マクベスを倒せるものは居ない」と告げます。

それを聞いたマクベスは安心したのか、マクベスは更に悪行を重ねます。
このあたりで、マクベス夫人は夢遊病に悩まされ狂ってしまい、自殺で生涯を終えるのですが、狂気レベルMAXなマクベスはそれを気にかける様子もありません。

そして、念のためマクダフを殺害しておこうと思い、刺客を送るのですが、既に彼は亡命した後だったので、代わりにと家族を皆殺しにします。

またまた、一方その頃イングランドでは、マクダフの説得によって、マルコム王子はマクベス討伐を決意します。

マルコム王子はマクベルらと、イングランド軍を伴ってマクベスを倒しにやってきます。

マルコム側の仲間の数人が犠牲になりますが、最後は
マクベス「女の生み落とした者には、俺を倒せないのだ!グハハハハハァ!」
マクダフ「ワイは月足らずで母体の胎内から引きずり出されたから、オマイを殺せるで(ニッコリ)」
ということ(大筋は)でマクダフがマクベスを倒します。

その後、マルコムが王となり、物語は完結します。

チャンチャン♪

感想

主人公はマクベスで、彼の狂気と罪に苦しむ様がメインなのですが、狂気具合は夫人の方が突き抜けていたような気がします。笑
結構こういう古典?は女性が破滅への道を進めていく展開の物が多いですよね。

そんなマクベス夫人は最後は自殺という終わり方でした。
ちょっと扱いがあっけないな・・・。とは思いましたが、ここでまたインパクト強いことされちゃうと、タイトルが「マクベス夫人」になっていたかも知れません。笑

また、前半では影が薄かったマクダフが、最後には主役並みの活躍を見せて、ラスボス(マクベス)を倒しちゃうのかよwってちょっとびっくりしました。

ケルト神話っぽいテイストですが、
3人の魔女が、ケルト神話に出てくるドルイドに類似する点が見られますし、
男を惑わせて争いを仕掛けるっていうのも、なんとなくケルト神話の戦いの女神っぽいです。
3人で1つという表現もモリガン、バズヴ、マッハとの類似を感じます。

↓モリガン、バズヴ、マッハについてはこの記事で取り上げています。
ケルト神話について-6 戦いの女神たち

あと、亡霊が現れる設定があるので所謂「あの世」みたいなものがあると思うんですが、殺されたダンカンやバンクォーとマクベスと嫁さんはあの世で出会ったら、こうなるだろうなぁー。
とか、でも天国と地獄があるなら被害者と加害者が交わることはもうないのかな?とか、勝手にあの世での展開を妄想するのが楽しい作品でした。

この作品はシェイクスピアの4大悲劇と言われており、他に

  • オセロー
  • リア王
  • ハムレット

があります。

リア王はケルト神話に出てくる神をモデルにしたものと聞いているので、また機会があったら読んでみたいな。って思います。




では、最後までお読みいただきありがとうございました。