日本神話-33 仁徳天皇-2

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

今回も第16代仁徳天皇について書いてみたいと思います。

前回は天皇になった経緯や聖帝として、を主に書きましたが、今回は「恋多き天皇」としての面に目を向けて書きたいと思います。

当時天皇は複数人の后を迎える、所謂一夫多妻制が当たり前の時代でもあったのですが、正妃石之日売命が嫉妬するくらい女好きなところがあったみたいです。



父が見初めた女性を奪う

先代応神天皇の頃からその女好きを発揮しております。(笑)

というのも、応神天皇が后に、と見初めた髪長比売(カミナガヒメ)に一目惚れした仁徳天皇(=大雀命)は父に頼み込んで、譲ってもらい后にしているのです。

とはいえ、歴史学では応神天皇と仁徳天皇は同一人物と見る説があり、同じ天皇を2代に分けている可能性もあるみたいですね。

正妃石之日売命の嫉妬

仁徳天皇の正妃は石之日売命(イワノヒメノミコト)ですが、夫の女好きに悩まされてかなり嫉妬深かったようです。

他の后達は石之日売命を恐れて宮の中に近づくことができなかった。

とか。

黒日売命という美しい女性がおり、天皇が召し上げましたが、彼女は石之日売命の嫉妬を恐れて故郷に逃げ帰ってしまった。

とか。

天皇が石之日売命の留守中に八田若郎女(ヤタノワカイラツメ)を宮に入れたことに激怒して、山城の筒城宮(現在の京都府京田辺市多々羅付近)に出ていってしまい、一生会わなかった。

とか。
結構激しい性格をしているみたいです。

速総別王と女鳥王

仁徳天皇には弟に速総別王(ハヤブサワケノミコ)がいました。

その速総別王を仲人にして、異母妹の女鳥王(メトリノミコ)を后に迎えようとしました。

しかし、女鳥王は
「石之日売命が嫉妬深いのでヤダ。私は貴方の妻になる。」
といって、速総別王の妻になってしまいました。

こうなっては速総別王も仁徳天皇に報告するわけにいきません。
そこで、天皇は直接女鳥王に会いに行き、そこで彼女の気持ちを知って、そのまま宮に帰りました。

しかし、後になって帰ってきた速総別王に向かって、女鳥王は
「雲雀は 天に翔ける 高行くや 速総別 雀取らさね」
と歌いました。
「雲雀だって空高く飛びます。まして天空高く行く隼を名に持つ速総別王なんだから、雀(大雀命=仁徳天皇)なんてヤッちゃいなよ!」
みたいな意味です?

これを伝え聞いた天皇は、軍勢を送って二人を殺してしまいました。

でも、嫉妬に駆られて二人を殺した?という見方よりは、二人が謀反を企んでいることを人から聞いた=もう二人を庇うことはできない という理由で殺したのかな。って思ってます。

ちなみに、この女鳥王を討った軍隊の将軍は、女鳥王が身につけていた玉釧(たまくしろ=玉を巻いた腕飾り)を気に入って、自分の妻に与えました。
後にその玉釧を見たことがある石之日売命が、将軍の妻がそれを身に着けているのを見て、将軍を呼び出し問い詰めました。

そして、
「女鳥王らは不敬であったので、討たれたことには異論はないが、自分の主君(一応女鳥王は皇族(速総別王の妻)だからかな?)が身につけていたものを、死んで間もないうちに剥ぎ取って、自分の妻に与えるとは!!」
といって処刑したようです。

やはり石之日売命は激しいなぁ。という見方もできるんですが、速総別王と女鳥王のことを想ってそうしたのかも?という見方もありなのかな。と思います。

まぁしかし、仁徳天皇が女鳥王に恋をしなければ、このようなことは起こらなかった。わけですし、恋が生んだ悲劇というところでしょうか。

最後に

2回にわたり、仁徳天皇のことを書きました。

この後は17代履中天皇、18代反正天皇・・・と続くのですが、正直2人とも地味でこれといったエピソードがありません。(笑)
ですので、次回は2人をまとめて書いていきたいと思います。

では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。