日本神話-4 黄泉国


どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

前回「神産み」をする中で、ヒノカグツチ(火の神)を産んだことで火傷を負い死んでしまったイザナミ。

そのことに怒り我が子を斬り殺したイザナギですが、それでも妻を失った悲しみが癒えることはありません。

妻を忘れることもできず、悲しみに苦しむイザナギは黄泉国(よみのくに=死者の国)に行って、イザナミを連れ戻すことにしました。



黄泉国で2人は再開するが・・・

黄泉国についたイザナギは、イザナミに向かって大声で呼びかけますが、イザナミは
「既に黄泉国の食べ物を口にしてしまったので、もう元の世界には戻れない」
といいます。

イザナミ
「でも黄泉神(ヨモツカミ)に頼んでみるから、待っててね!
その間決して、私のことを見にこないでね。
絶対ダメよ!
これフリじゃないからね!
押すな、押すなみたいなヤツじゃないからね!」


イザナギ
「わかったよ、絶対に待ってるから。」

ということで2人は約束したのですが、イザナミは御殿に入ったきり、中々戻ってきません。

とうとう痺れを切らしてしまったイザナギはイザナミの様子を見にいくことにしました。

そして御殿の中に入ると、

って、これじゃゾンビじゃんw
でも、そこには美しい姿をしたイザナミの姿はなく、
体中には蛆がたかって腐乱し、更に全身に雷神がまとわりついた、それはそれは恐ろしい姿に成り果てたイザナミがいたのです。

イザナミ
「みーたーなあー!?」

変わり果てた姿を見られたイザナミは激怒!
恐れて逃げるイザナギを、黄泉醜女(ヨモツシコメ)に追わせました。

追っ手から逃げるイザナギ

イザナギはヨモツシコメに対し、身につけていた髪飾りや櫛を投げ捨てました。
するとそれらが葡萄や筍となり、彼女らがそれを食べている間に時間を稼ぎ、逃げることに成功します。

しかし、イザナミは次に身体にまとわりついた雷神たち、さらには黄泉軍(ヨモツイクサ=鬼の軍団)を遣わせました。
イザナギは十拳剣(とつかのつるぎ=前回ヒノカグツチの首を斬った剣)を振りまわしながら逃げますが、雷神達はそれでも追ってきます。

黄泉平坂(よもつひらさか)までたどり着いたイザナギは、そこになっていた桃の木から実を三個とって、雷神達に投げつけました。
すると雷神達は退却しました。
※このエピソードから桃には邪気を追い払う力があると言われています。

この際、イザナギは桃に
「これからもこの世のものが辛い時には助けるように」
と言葉をかけて、意富加牟豆美命(オオカムヅミ)の名を与えました。

ついにはイザナミ自らが追ってきた

最後にはイザナミ自身が追ってきました。

それに対しイザナギは千引の岩(ちびきのいわ=千人力でやっと動くような巨石)で、黄泉平坂の道を塞ぎました。

これに怒った(ってとうに怒ってるんだけど)イザナミは、
「毎日人を1000人殺してやる!」

それに対してイザナギは、
「それなら毎日1500人の子供を生んでやる!」
と言って黄泉平坂を後にしました。

これで、あんなに愛し合った夫婦は完全に決別してしまいました。

最後に

前項のイザナギとイザナミの言い争いに関して、
「いやいや、そこは1000人殺させないような対策をとってくれよw」
とイザナギにツッコミを入れたいと思った人も結構多いと思うんですが、どうでしょうか(笑)。

まぁ、そんなカンジで黄泉の国から帰ってきたイザナギ。

「穢れた国に行ってしまったので、身のけがれを洗い清めよう」
ということで、このことがきっかけでまた新たな神々が生まれることになりますが、次回にしたいと思います。

最後に脱線して申し訳ないのですが、ギリシア神話にも今回の話と似たエピソードがありまして、以前の記事で少し紹介しています。

「怖い絵」展に行ってきた。(兵庫)

では、最後までお読みいただきありがとうございました。