北欧神話-16 盗まれたミョルニル-2

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

前回の続きで、大槌ミョルニルを巡っての冒険を書いていきます。

ミョルニルがヨートゥンヘイムの巨人スリュムに盗まれてしまい、なんとかしてそれを取り返したいアースガルズの神々。

アースガルズの番人で、未来を見ることができるヘイムダルが出した作戦は、トールに花嫁の格好をさせてヨートゥンヘイムに送り、敵を欺くといったものでした。




トール子ちゃん、ヨートゥンヘイムへ

花嫁扮してヨートゥンヘイムに向かうことになった、トールことトール子ちゃん。

しかし、そんなか弱き乙女?を1人危険なところに送るわけにはいかない。

そこで、ロキが
「僕は君の侍女となろう。
そして2人でヨートゥンヘイムに向かうのよぉん!」

ということで、何故かロキまでが女装して同行することになりました。

ロキとトールは親しかったそうですが、この件で絆を強めたっぽいですね。笑

2人はトールの魔法のヤギに乗ってヨートゥンヘイムに向かいました。

※トールの魔法のヤギについてはトールの紹介記事で軽く紹介しています。

北欧神話-7 トールについて

のぼせ上がるスリュム

花嫁に扮したトール子ちゃん、そして侍女に扮したロキ子ちゃんを見たスリュムはデレデレにのぼせ上がりました。

早速部下の巨人達に宴を準備させて、酒盛りをひらきました。

ロキは容姿が美しかったらしいのでまだしも、トール子ちゃんを見て


「くそっ さ・・・さすがナチスだぜ!
よくぞオレの女装をみやぶったな!」


「マヌケッ! ひとめでわかるわーッ きもちわるいーッ
おまえみたいにデカくて筋肉質の女がいるか!
スカタン!
客観的に自分をみられねーのか バーカ」

とはならなかったんでしょうか。
(あ、元ネタはジョジョの2部です。)

まぁ、まわりも巨人族ってみんなデカイだろうし、サイズ感は麻痺していたのかもしれません。

しかし、やはりバレかけてしまう

この酒盛りの料理を見て、興奮したのはトール子ちゃん。

なんと1人で、牛1頭、さらには鮭8匹など出された料理全て平らげ、3樽の酒を飲み干しました。

これには流石にスリュムも怪しみましたが、侍女のロキ子ちゃんが機転を効かせてごまかしました。
「フレイヤ様(一応花嫁=フレイヤに扮している)はこの8日の間、この日を待ち焦がれて何も食べていなかったのです。」

これを聞いて胸キュンしたスリュムは、愛しの花嫁にキスをしようとして、ヴェールの下を覗き込もうとしましたが、顔を見た瞬間びっくりして広間の隅まで飛び退りました。
「ぶ・・・ブッサ!!・・・いや、彼女フレイヤなんだよね?
なんであんなに凄まじい顔をしているの?
あれ、偽物じゃね?」

またもロキ子ちゃんはごまかしました。
「フレイヤ様は8日間もの間、この日を待ち焦がれて一睡もしていないのです、睡眠不足は美貌の大敵なのです、ハイ。」

目的達成

スリュムが
「う~ん、なんか怪しくない?」
と思い始めたところで、彼の妹が花嫁と侍女の元に駆け寄ってきました。

そして、花嫁に贈り物をせがむのです。
「私に目をかけてもらいたかったら、アンタのその美しい腕輪を私にちょうだい!」

一体どんな神経しているんでしょう。
こんなド厚かましいヤツに目をかけてもらったって、ロクなことなさそうです。笑

しかし、これに気を逸したのか、気を取り直したのか、スリュムは部下にこういいました。
「ミョルニルを持ってこい!花嫁を祝福するためにミョルニルをフレイヤのひざに置くんだ。」

こうして、ミョルニルが花嫁の膝に置かれました。

この瞬間、トール子ちゃん・・・いや、トールはミョルニルを振り上げスリュムの頭蓋骨を叩き潰しました。

その後、立て続けに祝宴にいた巨人は女子供問わず皆殺しにして、酒盛りは一気に血祭りに。

先程、花嫁に贈り物をせがんでいた厚かましい女巨人には腕輪の代わりにミョルニルの一撃をくれてやりました。

こうして、トール子ちゃんことトールは無事にミョルニルを取り戻すことができました。

トールに関しては、エピソードが多く、巨人や怪物達と戦う血なまぐさいものが多いのですが、このエピソードは茶目っ気が多く、個人的に好きな部分です。

今度はもうちょっと正統派?なトールと巨人が戦うエピソードを書きたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。