北欧神話-4 アースガルズの新たな城壁

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

前回アース神族とヴァン神族の戦争をご紹介しました。結局決着は付いていませんが、一旦はアースガルズに平和が訪れました。

しかし、戦争によってアースガルズの城壁が壊れてしまい、今回はそれを巡ってアース神族と巨人の間に溝が深まってしまう・・・今回はそいった場面をご紹介します。ロキやスレイプニルなどよく聞く名前も登場します。




アースガルズの新たな城壁

アース神族とヴァン神族の戦争は和解によって終わりましたが、ヴァン神族によって壊されたアースガルズの城壁はそのままでした。


ちょっwイメージが全然違う!
すいません、マッチしそうな画像がなかったので、これで勘弁してください・・・。

話は元に戻りますが、

アースガルドの安全の為には、城壁の再建が必要だ。

そう考えていたアース神族達のところに、ある男がやってきて、提案をしました。
「私が新しくて丈夫な城壁を作りましょう。
ただし、報酬として美しい女神フレイヤを妻としてもらえないたろうか。」

はじめアース神族たちは
「フレイヤを犠牲にするなんて、とんでもない。」
と全く取り合おうとしませんでした。

が、ここでロキという神が
「早まるのはよくない。
あの男に「期間は6ヶ月」と条件をつけてはどうでしょうか。
この条件であの男が断っても、我々が何も失うことはありません。
もし同意しても、きっと失敗に終わって、我々は彼が建てた城壁を手に入れることができます。」

と提案しました。

アース神族らも
「確かにそんな期間で城壁が完成するわけがない。」
とロキの口車に乗せられて、その男と交渉をすることになりました。

このロキという神は、元々巨人族でしたが巨人族を裏切ってアース神族の仲間になっている、悪巧みの名人で、北欧神話におけるトリックスターと言われています。

結果、

  • 期間は6ヶ月
  • その男を手伝うのは彼の馬だけで、他の者の助けを借りてはいけない

という条件で、契約が成立しました。

アース神族らは
「しめしめ、これでタダで城壁を手に入れることができる。」
と考えていました。

しかし、そうはうまくいかなかった。

しかし!
予想に反して城壁はどんどんと出来上がっていきます。

その男の馬スヴァジルファリがとてもよく働くのです。

アース神族たちは、どんどん築かれていく城壁を見て焦りました。

フレイヤは不安のあまり涙を抑えることができませんでした。

そこでオーディンは、今回の契約の責任がロキにあるとして引っ捕え、
「なんとかしなければ命は無い」
と脅しました。

ロキの取った行動と男の本性

そんなロキの取った行動は、次のようなものでした。

牝馬に化けてスヴァジルファリを誘惑する

こうして、スヴァジルファリは仕事をしなくなりました。

しかも!

この時のことがきっかけでロキはスヴァジルファリに
「アーッ!!」
されちゃいましてスレイプニルという馬を生みました。
※スレイプニルはオーディンが乗る馬として献上されました。

うーん、ツッコミどころ満載だなぁ。(笑)

この妨害によって作業がどんどん遅れ、男は神々の妨害に怒りました。

実はこの男の正体は、岩の巨人でした。
そして怒りが爆発した男は、変装を解いて岩の巨人の正体を表しました。

って、これダイダラボッチぢゃねぇか!!
すいません、マッチしそうな画像がなかったので、これで勘弁してください・・・。(パート2)

男の正体が巨人とわかったからには、神々も容赦がありません。
オーディンの息子トールミョルニル(トールの持つ戦鎚、トールハンマーと呼ばれることも)で巨人の頭を砕いて殺しました。

この時点で城壁はほぼ出来上がっていて、結果的には神々はアースガルドの新しい城壁を何の報酬も払わずに手に入れることになりました。

最後に

今回の話を見ている限り、北欧神話に出てくる神々は人格・慈愛に満ちた存在とは言いづらく、浅はかだったりずる賢い一面を持っているみたいです。
まぁ、今まで書いてきたギリシア神話とか、他の神々も似たようなもんでして、神ってそんなもんなんでしょうね。

今回の事件をきっかけに、アース神族と巨人族は対立することになって、今後神々が起こすエピソードは、それぞれが最終的にはラグナロクと呼ばれる最終決戦へと繋がっていく伏線となっていきます。

で、次回からは、北欧神話の主だった神々を紹介しつつ、エピソードを書いていきたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。