北欧神話-5 オーディンについて

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

今回から北欧神話の主だった神々を紹介していきたいと思います。

あまり回数をかけても話が進まないから、省いたり、まとめて紹介する神々もあるかとは思いますが、登場人物(だから神だってばw)がわかっていた方が、先の物語も理解しやすいと思います。

で、初回はアース神族の王と言えばこの人「オーディン」について書いてみたいと思います。




北欧神話における最高神


オーディンといえば、北欧神話における最高神として名高く、最も有名だと思います。

彼は、神々の祖ブーリの子孫でもあり、原初の巨人ユミルの子孫でもあります。
つまり、基本的に神々と巨人の間には血筋とかいった明確な違いはあまりなさそうですね。

ボル(神)とベストラ(巨人)の間にできたのがオーディン、ヴィリ、ヴェーの3神です。

北欧神話-2 世界のはじまり

正直オーディン以外の、ヴェリ、ヴェーはあまり目立ったエピソードが無くて、影が薄いです。

一方オーディンは、アース神族の王として君臨し、最終決戦のラグナログまでその地位が揺らぐこともなく、まさに神々の王というカンジです。
ギリシア神話でいうところのゼウスみたいな地位ですね。

欲望に忠実

オーディンもギリシア神話のゼウスと同じく浮気者の一面があります。

フリッグという妻がいまして、この2人の間にはバルドルという息子がいます。

しかし、娘とも言われているヨルズとの間にはトールを、他にもグリーズとの間にヴィザール、更には母親がわからないホズ、ヘルモーズ、ヘイムダルなど多くの愛人と息子を持ちます。

しかし、オーディンの凄いところは愛欲だげじゃありません。

知識に対する欲望が目立ちまして、以前に書いたようにミーミルの泉から知識を得る為に片目を代償にしたり、ルーン文字の秘密を知るために、9日9晩グングニル(オーディンの愛槍)に貫かれたまま、ユグドラシルに首を吊るということをしました。

最高神に自身を捧げる、つまり自分に自分を捧げるということで、
「ん?なんか言ってることがよくわかんないw」
ってカンジですが、オーディンは早い段階からラグナロクのことを知っていて、滅亡を避ける為に知識を欲したといいます。

目的を達成するためなら自身の犠牲もいとわない(とはいえ、片目を代償にするのには相当悩んだとか。)強さも感じますね。

優れた武器と生き物を持つ

オーディンは知識と魔術にも長けていますが、それに加えて優れた武具も持ちます。

グングニル


オーディンと聞いて、このグングニルを連想する人も多いんじゃないでしょうか。

オーディンの愛槍で
この槍は的に必ずあたり、その後は自動的に持ち主の手元に戻る。
という能力を持っています。

なんかケルト神話のダーナ神族の長ヌァザの持つ剣に似ているような?
そういえば、ヌァザも完全無欠ではなかったので、そう考えるとオーディンはゼウスよりもヌァザの方が似ているかも知れませんね。

ケルト神話について-4 ダーナ神族の神々

この槍は小人達が作ったとか、オーディンがミーミルの泉を飲んだ時に記念として泉の上に伸びていたユグドラシルの枝を折って、自ら作ったとか諸説あるようです。

スレイプニル


前回の記事にも出た、岩の巨人が持っていた馬スヴァジルファリと、雌馬に化けたロキの子供であります。

城壁を巡るエピソードの後で、ロキからオーディンに献上されました。

オーディンは
「最高の馬!」
と大絶賛したらしいけど、目の前の男が生んだ馬を譲り受けるというのはどういう気分なんだろう?w

8本足を持つ優れた馬で、空をかけることができるそうです。

フギンとムニン


オーディンは情報収集にも余念がありませんでした。

2羽のカラスを飼っていて、毎朝空に放って偵察に向かわせつつ、自身も王座のフリズスキャーブル(全世界を視界に捉えることができる高座。これもオーディンの持ち物)から世界を監視してあらゆる出来事を知ろうとしました。

オーディンは博識だったとは思いますが、「プライバシー」という言葉は知らなかったんでしょうか?
と、いう戯言は置いといて、この2羽のカラスはフギンとムニンといいました。
なんか名前がかわいい・・・。

オーディンもただの道具として彼らを扱っていなかったようですが、Wikipediaにはこんな記述が。

Wikipediaから引用
『古エッダ』の『グリームニルの言葉』第20節(古ノルド語)では、オーディンの口から「フギンとムニンが毎日世界中を飛んでいるが、戻ってこないことを心配している」といった趣旨のことが語られている

う~ん、なんかホンワカしますね。(笑)
見出しの下にある写真もなんだか、「仲良しさん」ってカンジに見えます。

・・・オーディンに対するイメージが崩れてきてしまいました。(笑)

ケルト神話に登場する戦いの女神たちも、ワタリガラスが化身だったりしますし、カラスが登場するというところもケルト神話との共通点になるんですかね。

ヴァルハラ宮殿に優れた戦士を集める

オーディンは戦場で死んだ人間の魂を選定し、認めたものはエインヘリヤル=「優れた戦死者の魂」として、自身の住むヴァルハラ宮殿に招きました。
そして、エインヘリヤルは死してなお修練に明け暮れました。

時として、オーディンは目をつけた戦士が勝てるように戦争の勝敗に関与したり、ヴァルハラに招きたいがあまり戦士を殺したりしました。

この戦士たちの魂はヴァルキューレ=「死体を選ぶもの」が導きます。
※そして、エインヘリヤルに給仕ともなるらしい。

これらの兵士は、もちろんラグナロクに備える為です。

知識欲のことといい、情報収集に執着するのも、全てはラグナロクを恐れ、備えていたからです。
これがその極めつけですね。

ということで、今回は主神オーディンのことを紹介しました。

次回は北欧神話界のトリックスターロキについて書きたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。