どうも、元山狐(もとやまきつね)です。
今回は北欧神話の世界のはじまりについて書きます。
ユミルやオーディンなど早速有名な名前が出てきます。
進撃の巨人やファイナルファンタジーシリーズを思い浮かべたんですが、作品イメージと神話のイメージはかなり違います。
あと、今回の話を書いて、昔読んだ絵本のことを思い出しました。わかった人は年代が同じかもしれません。(笑)
世界のはじまり
今まで紹介した神話でも、様々な世界の始まりがありました。
聖書の世界では、神が世界を作りました。
ギリシア神話では、まずカオスが生まれ、そこからガイア(大地)など様々な要素を司る神が生まれました。
かなり初期の段階から、エロス(愛)という概念があって、なんだかロマンチックだな~。とか書きました。
ケルト神話には、創造神話がなかったりします。
(もしくは残っておらず、伝わっていないのでは?と思う)
今回の北欧神話においては、他の神話に比べて独自の部分もあり、類似する部分もチラホラ見られます。
まず、この世にははじめ以下の3つの世界(要素)がありました。
世界 | 備考 |
---|---|
ギンヌンガガプ | 深淵 |
ムスペルヘイム | 灼熱の世界 |
ニヴルヘイム | 極寒の世界 |
そして、ムスペルヘイムの熱気が、ニヴルヘイムの氷を溶かしてできた露が、ギンヌンガガプに溜まり、2つの生命体ができました。
なんとなく、要素が互いに干渉しあって、新たなものが生まれるってのが、ギリシア神話と似てる気がします。(ギリシア神話の場合は、神々(要素)が結ばれて、子(新たな要素)が生まれる。)
「穴に液が入って、新しい命に生まれた」
って考えると、3つの要素がナニして子供ができた・・・と捉えるのは深読みのし過ぎですかね?(笑)
原初の生き物
前項で「2つの生命体が生まれた」と書きました。
この時に生まれたのが、
アウズンブラという牛
ユミルという巨人
でした。
一体誰が名付けたんだろう?
物語として書かれる中で名付けられたのかな?
で、この2体が生まれて何をしたかというと、
アウズンブラはギンヌンガガプに溜まって、再び氷となった塊を舐めて生き延び、ユミルはアウズンブラの乳を飲んで生き延びました。
ちょうどこの絵画のようなカンジですね。
で、絵にはユミル以外の人物が描かれています。
氷の中にいるのは、全ての神々の祖と言われる、ブーリという神で、アウズンブラに舐め出されました。
また、ユミルの体の各所からは何人もの巨人族たちが生まれました。(両性具有だったのかな?)
こうしてユミルは巨人たちの祖となりました。
一方、氷から舐め出された神ブーリも、ボルという生み出しました。
後にこのボルとユミル(巨人)一族の娘ベストラとが結婚しました。
そして、この2人から3神が生まれました。
- オーディン
- ヴィリ
- ヴェー
ユミルの殺害
巨人族たちは乱暴で粗野だったので、神々と対立し始めました。
そこで、オーディンら3神がどうしたかというと。
ユミルを殺して、その死体を使って世界を作りました。
この絵を見る限り、そこまでデカくないだろう・・・。
とは思うのですが、ユミルが死んだ時に流れた血が洪水となって、巨人たちはベルミルゲルという巨人(とその妻)以外溺れて死んでしまいます。
うーんスケール感がよくわからん。(笑)
ユミルの死体を使って世界を作った
前項でも書きましたが、オーディンらはこのユミルの死体を使って、世界を作りました。
- 血から海や川を
- 身体から大地を
- 骨から山を
- 歯から岩を
- 髪は草花に
- 睫毛はミズガルズ(人間たちの住む世界)の防壁に
- 頭蓋骨から天を作り
- 脳髄から雲を作った
なんか楽しそうですね。(笑)
で、残った身体が腐り、湧いた蛆に知性を与え小人に変えたそうです。
ちなみに人間もオーディンら3神に作られてまして、浜辺に落ちていた流木を人型に変えて、命、感情、知性、言葉などを与えました。
初めて作られた人はアスク(男)とエムブラ(女)といい、ミズガルズに住みました。
人間の住む世界が、巨人の身体(ユミルの睫毛)によって作られた防壁に守られている。って設定は「進撃の巨人」に影響を与えたっぽいですね。
因みに、この部分を書いていて、
「昔読んだ絵本の内容に似ている」
と思って調べたところ、
「てんちをつくったバンコ」
という絵本がありました。
※Amazonになかったので、画像はググッてみてください。
「世界が巨人の身体から作られた」
といった神話は、インドにもあるようです。
オーディンらは天上にアースガルズという、自分たちが住む国を作り、生き残った巨人達は海を隔てた彼方に追いやりました。
後に世界の中心にユグドラシル(世界樹)が立ちました。
そんな流れで、世界は作られて、各種族はそれぞれの国に住むことになりましたとさ。
ということで、今回は北欧神話の世界のはじまりについてご紹介をしました。
次回からは、オーディンらが起こす、世界初の戦争について書いていきたいと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。