北欧神話-2 世界のはじまり

どうも、元山狐(もとやまきつね)です。

今回は北欧神話の世界のはじまりについて書きます。

ユミルやオーディンなど早速有名な名前が出てきます。

進撃の巨人やファイナルファンタジーシリーズを思い浮かべたんですが、作品イメージと神話のイメージはかなり違います。

あと、今回の話を書いて、昔読んだ絵本のことを思い出しました。わかった人は年代が同じかもしれません。(笑)




世界のはじまり

今まで紹介した神話でも、様々な世界の始まりがありました。

聖書の世界では、神が世界を作りました。

旧約聖書について-2 天地創造

ギリシア神話では、まずカオスが生まれ、そこからガイア(大地)など様々な要素を司る神が生まれました。
かなり初期の段階から、エロス(愛)という概念があって、なんだかロマンチックだな~。とか書きました。

ギリシヤ神話-1 天地創造

ケルト神話には、創造神話がなかったりします。
(もしくは残っておらず、伝わっていないのでは?と思う)

ケルト神話について-2 神話サイクル

今回の北欧神話においては、他の神話に比べて独自の部分もあり、類似する部分もチラホラ見られます。

まず、この世にははじめ以下の3つの世界(要素)がありました。

世界 備考
ギンヌンガガプ 深淵
ムスペルヘイム 灼熱の世界
ニヴルヘイム 極寒の世界

そして、ムスペルヘイムの熱気が、ニヴルヘイムの氷を溶かしてできた露が、ギンヌンガガプに溜まり、2つの生命体ができました。

なんとなく、要素が互いに干渉しあって、新たなものが生まれるってのが、ギリシア神話と似てる気がします。(ギリシア神話の場合は、神々(要素)が結ばれて、子(新たな要素)が生まれる。)

「穴に液が入って、新しい命に生まれた」
って考えると、3つの要素がナニして子供ができた・・・と捉えるのは深読みのし過ぎですかね?(笑)

原初の生き物

前項で「2つの生命体が生まれた」と書きました。

この時に生まれたのが、
アウズンブラという牛
ユミルという巨人
でした。

一体誰が名付けたんだろう?
物語として書かれる中で名付けられたのかな?

で、この2体が生まれて何をしたかというと、

アウズンブラはギンヌンガガプに溜まって、再び氷となった塊を舐めて生き延び、ユミルはアウズンブラの乳を飲んで生き延びました。

ちょうどこの絵画のようなカンジですね。

で、絵にはユミル以外の人物が描かれています。
氷の中にいるのは、全ての神々の祖と言われる、ブーリという神で、アウズンブラに舐め出されました。

また、ユミルの体の各所からは何人もの巨人族たちが生まれました。(両性具有だったのかな?)
こうしてユミルは巨人たちの祖となりました。

一方、氷から舐め出された神ブーリも、ボルという生み出しました。

後にこのボルとユミル(巨人)一族の娘ベストラとが結婚しました。

そして、この2人から3神が生まれました。

  • オーディン
  • ヴィリ
  • ヴェー

ユミルの殺害

巨人族たちは乱暴で粗野だったので、神々と対立し始めました。

そこで、オーディンら3神がどうしたかというと。

ユミルを殺して、その死体を使って世界を作りました。

この絵を見る限り、そこまでデカくないだろう・・・。

とは思うのですが、ユミルが死んだ時に流れた血が洪水となって、巨人たちはベルミルゲルという巨人(とその妻)以外溺れて死んでしまいます。

うーんスケール感がよくわからん。(笑)

ユミルの死体を使って世界を作った

前項でも書きましたが、オーディンらはこのユミルの死体を使って、世界を作りました。

  • 血から海や川を
  • 身体から大地を
  • 骨から山を
  • 歯から岩を
  • 髪は草花に
  • 睫毛はミズガルズ(人間たちの住む世界)の防壁に
  • 頭蓋骨から天を作り
  • 脳髄から雲を作った

なんか楽しそうですね。(笑)

で、残った身体が腐り、湧いた蛆に知性を与え小人に変えたそうです。

ちなみに人間もオーディンら3神に作られてまして、浜辺に落ちていた流木を人型に変えて、命、感情、知性、言葉などを与えました。

初めて作られた人はアスク(男)とエムブラ(女)といい、ミズガルズに住みました。

人間の住む世界が、巨人の身体(ユミルの睫毛)によって作られた防壁に守られている。って設定は「進撃の巨人」に影響を与えたっぽいですね。

因みに、この部分を書いていて、
「昔読んだ絵本の内容に似ている」
と思って調べたところ、

「てんちをつくったバンコ」
という絵本がありました。
※Amazonになかったので、画像はググッてみてください。

バンコ=盤古という中国神話の神で、天と地を分けて、彼の身体から川や山などが作られた。という話なんですが、
「世界が巨人の身体から作られた」
といった神話は、インドにもあるようです。

オーディンらは天上にアースガルズという、自分たちが住む国を作り、生き残った巨人達は海を隔てた彼方に追いやりました。

後に世界の中心にユグドラシル(世界樹)が立ちました。

そんな流れで、世界は作られて、各種族はそれぞれの国に住むことになりましたとさ。

ということで、今回は北欧神話の世界のはじまりについてご紹介をしました。

次回からは、オーディンらが起こす、世界初の戦争について書いていきたいと思います。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。