先日の記事で「鬼の大江戸ふしぎ帖」が面白い!って書きました。
この本の面白いところの一つは、なんといってもたくさんの種類の鬼が出てくるところです。
ところで、鬼ってどんなイメージですか?
一般的には頭に角があって、口にキバがあって、虎柄みたいなパンツはいて、肌は赤とか青・・・ってイメージがあります。
ですが、元々鬼には定まった姿というものはなくて、「姿が見えない」とか「人間に化けて人に近づく」とかいろんないわれがあります。
Wikipediaにも以下のような記述があって、さらに国や地域でいろんな話があり、結構複雑な生き物です。
以下はWikipediaからの引用です。
文芸評論家の馬場あき子は5種類に分類している。
民俗学上の鬼で祖霊や地霊。
山岳宗教系の鬼、山伏系の鬼、例、天狗。
仏教系の鬼、邪鬼、夜叉、羅刹。
人鬼系の鬼、盗賊や凶悪な無用者。
怨恨や憤怒によって鬼に変身の変身譚系の鬼。
日本で一番有名な鬼の伝説といえば、平安時代の頼光四天王と酒呑童子の戦いだと思います。
また、この本に出てくる狼鬼たちも設定上は酒呑童子の子孫となっています。
僕的にこの「鬼の大江戸ふしぎ帖」シリーズは結構プッシュしてまして、「酒呑童子について知ればもっとこの本が楽しくなるかな~。」と思って今回記事にしてみました。
大江山の酒呑童子
平安時代の話です。
京の若い女性が次々に神隠しにあっていました。
そこで、有名な陰陽師安倍晴明が占ったことろ、彼はこういいました。
これは大江山に住む酒呑童子の仕業ですな、絶対
・・・いや多分。
(早く帰ってタモリ倶楽部見ようっと。)
こうして、彼の一言で「全ては酒呑童子のせいにしてしまえ」ということになりました。(違)
酒呑童子について
酒呑童子については鬼だったとか、盗賊の頭だったとか言われています。
お酒が好きだったからこう呼ばれているみたいです。
彼は越後(新潟県)に生まれたのですが巨大児だった為、比叡山に捨てられ、延暦寺で坊主として育てられたが、伝教大師(最澄)に追われました。
これだけ見ると人間の方が悪いですね笑
そして、その後大江山に移ったのですが、一度空海によって大江山を追われます。
しかし、空海の死後、また大江山に戻ってきたのです。
そこで帝(天皇の別称)は、源頼光に酒呑童子討伐を命じました。
ちょっと君、ちゃちゃっと酒呑童子を退治してきてよ。
え~私ですか!?
戦の経験もないし、帰ってタモリ倶楽部見たかったのにな~・・・。
オマエラほんまタモリ倶楽部好きな。
※源頼光は実在の人物ですが、実際戦の経験はなくて、この物語のイメージと史実にはギャップがあります。
こうして、頼光は酒呑童子を討伐することになりました。
頼光と頼光四天王
酒呑童子討伐を命じられた頼光は、藤原保昌と鬼退治のエキスパートと言われる4人を連れて行くことにしました。
※大人数で押しかけると、気付かれてしまい逃げられてしまうと考えたのかな?
頼光四天王について
今回はあまり深く触れませんが(というか僕が深く知らないw)頼光四天王は以下の4人で構成されています。
- 坂田公時(さかたのきんとき)
足利山の金太郎として有名な人 - 渡辺綱(わたなべのつな)
羅生門で茨木童子(酒呑童子一味のNo2)と思われる鬼の腕を切り落とした。 - ト部季武(うらべのすえたけ)
- 碓井貞光(うすいのさだみつ)
藤原保昌も武勇に優れ、同時代の伝説の盗賊袴垂(はかまだれ)を恐れさせた逸話が有名です。
彼ら6人は鬼を倒すのに神の力も借りたいと考えて、3つの神社に行きました。
そして、鬼を油断させる為に山伏の姿に変装しました。
いきなりの神頼みといい、「油断させる」という考えといい、初っ端からへっぴり腰全開ですねw
でも、鬼とはそれほど強力で、人間が真っ向勝負を挑んでも、とても敵う相手ではなかったのです。
道中でお参りした神社の神様が、現れました。
そして、光の兜と神便鬼毒酒(じんべんきどくしゅ)という、鬼が飲めば毒となるお酒をくれました。
もっといいアイテムをもらうことは出来ませんかね?
例えば戦車とか、伝説の武器とか・・・
さっさと行かんかい
酒呑童子との戦い
こうして、酒呑童子との戦いの準備が整った彼らは、酒呑童子がいるといわれている、千丈ヶ嶽へと辿り着きました。
そして、酒呑童子と出会った彼らは、親しげにお酒を勧めました。
チーッス、チーッス、童子先輩チーッス。
今日は先輩の為に、名酒持ってきました~
え?誰オマエ?何中?
まぁ、いいや、今からちょうどタモリ倶楽部見ながら一杯やろうと思っていたところだ。
一緒に呑もうぜ!
こうして、無事酒呑童子に近づき、念願のタモリ倶楽部を見ることができた頼光。(違)
酔いも進んできたところで、神様からもらった神便鬼毒酒を酒呑童子にお酌しました。
先輩、どーぞ、さぁさぁさぁ、グイ~といっちゃって下さい。
うぃ~、今日はしこたま飲んだなぁ。
そろそろ酔いが回って、なんだか体が痺れてきちゃった。
ちょっと悪いけど、奥の部屋で寝てくるわ。
あ、俺がセクシーだからって襲うなよ?w
また先輩冗談いっちゃって~w
酔ってもギャグキレキレっすね~!
じゃぁおやすみなさい!
別の意味で襲うけどなw
こうして酒呑童子は酔いつぶれました。
そこで頼光たちは酒呑童子を鎖で縛った上で、首をはねます。
卑怯とは戦略なり!
あまりにも卑劣な頼光たちに怒りをなした、童子の首は空中を舞い上がり、頼光めかげて襲いかかりました。
そして、頼光の兜に食らいつきます。
が、頼光は神様からもらった光の兜をかぶっていました。
流石の酒呑童子もこの兜を食い破ることができず、力尽きてしまいました。
胸ポケットにこのペンダントがなかったら死んでいたぜ・・・(違)
こうして、頼光ら一行は酒呑童子を無事征伐することに成功し、生き残った姫君らを都に連れ帰りました。
彼らには見返りとして、国などが与えられたそうですが、藤原保昌は「和泉式部(歌人)」を褒美として希望したとかしなかったとか。
(史実上もこの二人は夫婦です。)
最後に
というカンジで酒呑童子の物語をご紹介しました。
ちなみに大江山は京都に実在する山でして、千丈ヶ嶽とは大江山の別名です。
付近には大江山鬼嶽稲荷神社、日本の鬼の交流博物館、鬼の足跡などがあり、「酒呑童子の里」という観光スポットとして賑わってる・・・かどうかは知りませんがあるみたいです。
行きたいなぁ~。
とか思ってるんですが、大阪から車で3時間近くかかるので意外と遠いから一人で行くのはちょっと・・・。
そう思って、数年が経ってしまいましたw
そろそろ決心を決めて一人でも行こうかな~。
とか思ってるんですが、もし本当に行ったらまた記事にしてご紹介したいと思います。笑
ちなみに酒呑童子一味のNo2である茨木童子は大阪の茨木市に縁があるそうです。
こっちは近いから、何か関連のあるスポットがあったら行ってみようかな。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
2021/02/13 追記
ついに先日大江山に行ってきました。(リンク)
あと、リンク貼るのを忘れてましたが、
結構前に茨木童子の縁のあるスポットにも行ってました。(リンク)