エジプト神話-14ホルスとセトの争い その5(イシス大活躍)



今回もホルスとセトの争いについて書きます。
タイトルにもあるとおり、イシスが大活躍します。
自分的にホルスとセトの争いの中でもここの部分が一番好きというか印象が強い部分になります。
ちなみに今回載せている絵?は「ボボボーボ・ボーボボ」の「ただしつけもの、テメーはだめだ」のパロです。久々にボーボボ見たくなってきた(笑)

裁判は新たな局面を迎える

前回、どう決めても争いが終わらないなら、ということでラーはエジプトを2つに分けることにしました。
しかし、ホルスとイシスはこれに猛反発。

このエジプトを2つに分ける案はセト的には賛成だったんだと思うのですが、それに猛反発している甥や姉を見て、怒ってその場から去ってしまいました。
実はここの部分を読むまで、僕はこのエピソードのラーは耄碌した過去の人という印象だったんですが、仮にも裁判長が出した裁決に両者がこうまで従わないのなら、嫌気がさしても当然のような気がします。

エジプト神話-13ホルスとセトの争い その4(バトルものっぽい展開)

もう、キレてまた自身の天幕に引きこもっちゃえ!
で、またハトホルにいいものを見せてもらえばいいじゃない。(笑)

でも今回のラーは堪えて深くため息をつくと、セトのあとを追いかけて、近くの島に連れて行き、そこで裁判の続きをすることにしました。


ただし、イシス テメーはダメだ

実は、セトが去る時にはイシスが裁判に参加することを拒否するようなことを言って去りました。
それにイシスは言葉や呪いの類が強いし、今までの行動から公平な裁判に支障が出ると判断したんでしょうね。

それでもイシスはくじけない

ラーたちは新しい場所(島)に舟で渡りました。
島の渡し守のアンティには、イシスを含め、いかなる女性も通さないようにしました。
そこで新たに裁判を続けるのでしょう。

しかし、イシスはこれではくじけません。
彼女は百姓の老婆に変身して、渡し守のアンティに会いに行きました。


イシスは島に渡すように頼みますが、当然アンティは断ります。
それでもこの老婆(イシス)はしつこく食い下がりました。
そこでアンティが渡し賃について尋ねました。

賄賂次第では・・・ってことで、イシスが金の指輪をアンティに渡すと、アンティは老婆(イシス)を島まで運んでくれました。

今度はハニートラップだ!

イシスが島に乗り込んだ頃、ちょうど神々はその頃、宴中でした。(おい、裁判はどうした!?w)

しかし、セトだけはイシスを警戒して目を光らせていました。
そこで、イシスは今度は若くて美しい女性に変身しました。
セトは前回睾丸をやられたセトは、実はもう子種ができない状態になってしまっているんだけど、それでも好色だったのでしょう。

美しい女性(実はイシス)を見かけると、近づきますが、その女性は身を隠します。
「お嬢さん、僕はここだよ~」
と、セトはその女性を追いかけます。

セトがその女性に近づくと、彼女は涙を浮かべています。
セトが事情を聞くと、女性は次のようなことを語りました。

自分は牛飼いの夫に先立たれた未亡人で、息子が一人いる。
息子に牛を相続させようとすると、よそ者がやってきて群れを奪っていってしまった。
そのよそものに抗議すると、その男は息子に暴力を振るった。

この話を聞いたセトは激昂しました。

セト「なんてヤツだ!そんなヤツは私が許さん!
正しい相続人が生きているのに、財産が他人の手にわたるなんてあってはいけない!
私があなたの味方になると誓おう!」

すると、その美しい女性は鷲(わし)に姿を変え、こう叫びました。
「ひっかかったわねアナタ!アナタは今自分の口で自分の罪を裁いたのよ!(ドヤァ)」

それでも争いは終わらなかった

騙されたと知ったセトは、ラーにはイシスが自分の人のよさにつけこんだと抗議しました。
が、それを聞いたラーは心を動かされることもなく、シラーとした目でセトをみたそうです。
(イシスが島に立ち入ったことはお咎めがなかったのはちょっと不思議なんだけど。)

その後、渡し守のアンティはセトにひどい目にあいました。
まぁ賄賂で言いつけを放棄したんだから罪がないわけじゃないけど、ちょっとアンティはかわいそうですね。

このイシスがセトを騙すシーンは有名で、僕が昔読んだ本にも書いていて、印象に残っているシーンです。
その本では、この後も争いは続いたけど、最終は死の国の王オシリスに手紙を送って、オシリスがセトを王として認める。と返したことでこの争いは終わったような風に書いていた記憶があります。
で、今手元にある他の本にも同じようなことが書かれています。

が、そんな中「著:ジョナサン・ディー エジプト神話物語」にはこの争いがまだ続いて書かれているので、このブログではこのままこの本に倣って二人の争いを追いかけていこうと思います。

では続きは次回以降に続けます。
最後までお読みいただきありがとうございました。