今回もホルスとセトの争いの続きになります。
2人の争いは一説によると80年以上続いたとも言われていて、とても長い争いだったようです。
僕もここまで回数を重ねることになるとは思ってませんでした。(笑)
今回はわりとバトルものっぽい展開で、個人的にこのあたりは好きな部分なんですが、イメージを思い浮かべるとツッコミどころ満載です。
裁判の再開
前回ハトホルの裸を見て、機嫌を直したラーは再び、ホルスとセトの言い分を聞くことにしました。
前回、このシーンのことを「もうラーが亀仙人のじっちゃんにしか見えない。(笑)」と書きましたが、思い出したのはこのシーンですね。
まぁ、それはいいとして、ホルスとセトはそれぞれの意見を話し、それを聞いたトトをはじめ他の神々も自身の考えを語りだしました。
そんな中で、オヌリスという神が、メンデスの賢者と言われる羊の神に伺ってみては?と提案。
ラーは裁定するのに嫌気がさしてきていたので、それを承諾しましたが、この賢者も二人の件に関わることを嫌がり、戦いと知恵の女神ネイトに手紙を送っては?と言いました。
ネイトは古代の神で、ラーに近い血縁、年齢もラーに近く、判断は公正と言われていました。
トトがネイトへ手紙を書いて送りました。
だんだんとたらい回し感が出てきましたね。(笑)
ネイトからは、
「王にはホルスが相応しい」ということと、
「この件で互いに争うことをやめるように、もし争えばネイトの怒りによって二人に災いが起こる」といった旨の返事がきました。
ラーはこの返事を受けて、王座はホルスのものだと宣言しました。
一方でラーはセトの財産を倍にしてあげたり、自分の養女であるシリアのアスタルテという神とアナトをセトの嫁にやることにしました。
アスタルテはギルガメシュ叙事詩に登場したイシュタルと同一視されているし、アナトはウガリット神話のバアルの妹であり、妻でもあると言われています。
バアルの妻はアスタロトという説もあったり、アスタロトはイシュタルが堕ちた存在だという説もあったりして、ちょっとややこしいいんですが、要は超絶美女を嫁にやったということでしょう。
セトもこの条件に、しぶしぶながら王座をゆずることにしました。
これにて決着と思ったが
一旦は条件を受け入れたセトでしたが、勝利に喜ぶホルスを見ると、やはり怒りがおさまりませんでした。
そこでセトは真っ黒な豚に変身して、その目からホルスの眼に火の玉を放ちました。
ビジュアルにすると、こういうことかな?
・・・ここ、豚に変身する必要ある?(笑)
前回に続いて、また目をやられたホルスですが、前にホルスがセトの毒牙にかかった時同様にトトがやってきて、目を治してくれました。
が、ここの描写が面白かったんですが、「ホルスの眼に唾をかけて癒した」と書かれていました。
つまりこういうことですかね?
前にホルスがセトに目をえぐられた時は、ガゼルの乳でその目を癒しましたが、今回はそれに比べるとなんかヤダ(笑)
しかし、これで目が直ったホルス。
すぐさま武器をとってセトを追いかけました。
砂漠でセトにおいつくと、ホルスとセトは激しく争いました。
なんだかんだ、こう直接的に争うのは初めてになるのかな。
「いらすとや」様の素材でを編集して画像を作ってるんだけど、今回の↑のはシュールで気に入ってます。(笑)
この結果、ホルスは左眼に傷を受けました。
また眼かよ(笑)
そして、セトは睾丸をこっぴどくやられました。
まぁ、本気で相手を殺すつもりで争ったんだろうから、眼とか金的とか急所に攻撃が行くのは自然なのかも。
ところで、前述で書いたネイトの怒りと災いとは一体何だったんでしょう?
ホルスの左眼と、セトの睾丸のことを予見していたんでしょうか?
それにしちゃ緩い気がするけど、かといってこの先の伏線とも思いにくいし・・・。
ラーはエジプトを2つに分けた
どう決めても争いは終わらないなら、ということでラーはエジプトを2つに分けることにしました。
ホルスには下エジプトと三角洲の肥沃な土地を、
セトには上エジプトと砂漠を与えることにしたのです。
僕的には、これがいい裁決だと思ったんだけど、ホルスとイシスはこれに納得しません。
こうして、この泥仕合のような争いはまだまだ続くことになりますが、疲れたので、次回につづきます。(笑)
では、最後までお読みいただきありがとうございました。