エジプト神話-15ホルスとセトの争い その6(またもイシス大活躍)

前回イシスのハニートラップにはまってボロを出したセト。

よく聞くのはこれが決定打となって、ホルスがエジプトの王となりましたとさ、チャンチャン♪
という流れなのですが、手持ちの本にはまだまだ続きが書かれていまして、今回も続きのお話を紹介したいと思います。
今回の話はちょっとBLな雰囲気を感じる内容になっています?



セトから宴の誘いがくる

ある日セトからホルスに、使いがきました。
それは、もう争いをやめて宴を開こうという内容のものでした。

まぁ、オシリス殺害の時も初回は宴の後にブスリ作戦でしたし、今までの流れからして罠っぽさ前回ですよね。
当然のごとくイシスはこれは罠だ!とホルスを説得します。

エジプト神話について-3理想の王オシリスとセトの計略

が、なぜかホルスは行く気満々です。
「輝ける神の心には決して恐怖は宿らないのだ」
とかよくわからないことを話しています。

「駄目だこいつ・・・早くなんとかしないと・・・」

しかし、結局はイシスの説得の甲斐もなく、ホルスは宴に行ってしまいました。

そして、宴会を楽しむ二人


いや、すごい今風にちゃんとしてるやん! これ、絶対相手のことお互いに気遣ってるわw

ということで、和やかに宴会が進みました。

ホルスが眠っている間にセトは・・・

まぁ、ここの話読んでいる時に、絶対にそうなるなwと思っていたのですが、やはりセトは宴の後に、よくない企みを抱いていたのです。

それは、ホルスがお酒に酔って寝ている間にブスリ!・・・ではなく、
なんと自分の種をホルスに埋めてしまうという作戦でした。

・・・っていうか種ってナニ!?
セトはホルスとの争いで睾丸をやられたことで、生殖機能は失われています。

が、しかし!
が、しかし!
寝込んだ甥に種を植え付けるって!

だけど、ホルスはこういう罠が待っていたことを知っていたのでしょうか。
手を太ももの間の中に入れていたので、セトの種を手のひらで受け止めることができました。

っていうか、種って股間から植え付けるんだ!?
もう、なんか・・・BLな空気しかしない(笑)

まぁ、でもこれでイシスがニヤニヤしていたら、これが婦女子の元祖だったのかもしれませんが、イシスは少なくともそういうことは望んでいないハズなので、よかったです。(何が(笑))

とにかく、ホルスは体内に種を植え付けられるという惨事を逃れました。
そして、なぜかセトは自分の失敗に気が付いていません。

こうして、翌日にはホルスは無事に帰宅することができました。

イシスの逆襲

ホルスは帰って、イシスに自身の手を見せました。

これをみたイシスはホルスがどういう目にあったのかを理解したらしく、次のような行動をとりました。

  1. セトの種を受け止めたホルスの手首を切り落とします。
  2. 魔法で代わりの手を生やします。
  3. 切り落とした手は、セトの種にまみれたまま沼に捨てます。
  4. ホルスの種を取り出します。

今のところ種が男性の種・・・的なイメージを持っているので、なんだか4番目が色々ダメな気がします。(笑)
いや、覚醒したイシスの魔法力なら、手首を切り落とさなくても、種を取り除くとかできそうな気がせんでもないけど、ためらいもなく息子の手首を切り落とすあたりもオイオイ・・・ってカンジなのですが。(笑)

で、イシスはホルスの種を取り出してどうしたかというと、セトの館に向かいます。
そして、庭師にセトがレタスしか食べないことを確認したイシスはホルスの種をレタスに仕込むのでした。

セトは再び審判に持ちこむ

セトは自分の種がホルスに埋め込まれたと勘違いをしています。

そして、神々に再び審判を始めて欲しいとせがみます。

セト
「やはり私の方がホルスよりも優れている。なぜなら彼の体の中には私の種が植え付けられているのだから!」

神々はそれを聞いて、もし本当にそうならセトを勝者と認めざるを得ないと皆の意見が一致しました。
う~ん、これは一体どういう理論なんだろう?(笑)
日本神話にもアマテラスとスサノオが争った時に誓約(うけひ)という儀式のようなものがありましたが、似たような理論なのかな?

日本神話-6 アマテラスとスサノオ

ともかく、それが本当であれば、セトが勝利する。ということになりました。

しかし、賢明な神トトは前述の事情を既に知っていたようで、
「ではセトが自身の種に神の力を使って呼びかけてみよ。」
と言いました。

セトは自信満々なので、ドヤ顔で種に向かって呼びかけました。
しかし、返事があったのはホルスの体内からではなく、離れた沼からだったのです。

前述でイシスがホルスの手を切り落として、沼に捨てたのはこれを予見していたからなのかな?
っていうか、セトの種は柿の種だったのかよ!w

セトは悪い予感がして、その場を去ろうとしましたが、イシスが呼び止め、
「さぁ、今度はホルスが自身の種に呼びかける番よ!」
と声高らかに言いました。

そして、ホルスが自身の種に向かって呼びかけると、セトのお腹から返事が返ってきました。

イシスが種を仕込んだレタスを食べたんですね。
っていうか、ホルスの種は柿の種チョコかい!w(これがやりたかっただけ)

これでホルスが勝利者として決定!・・・と思いきや、それでもまだ決定しませんでした。
前回も今回もホルスというよりはイシスの活躍によるところが大きかったからかな。
で、この争いはまだ少し続きます。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。