前回も書きましたが、ギリシア神話にも、大洪水によって人類の大半が滅ぼされるという話があります。
ノアの箱船ほど扱いが大きいわけではありませんが、あまり有名な話でもなさそうなのですが、他の神話との比較も兼ねて書いてみたいと思います。
時代は青銅の時代
以前人間達の時代は5つに分けられると書きました。
黄金の時代はクロノスが世界を支配していた頃、次の白銀の時代以降はゼウスに覇権が移った後で、青銅の時代は第3の人間です。
(なんかビールみたいですね笑)
この青銅の時代の人間達は、プロメテウスが天界から盗んだ火から、兵器や武器を作り、争いごとばかりしていました。
そこで、ゼウスはパンドラと厄災を人間に送り込んだのですが、それでも人間が滅びることはなくて、ゼウスはこう考えました。
ゼウス
「せや、洪水起こしたろ」
※はじめからそうしとけばよかった気がせんでもないけど、もしかしたら絶滅ではなくて、神を敬う一部の人間だけは残したかったので、敢えてまわりくどいことをしたのかも知れません。
あと、海といえばやはりポセイドンですので、ゼウスが洪水を起こしたというよりは、ポセイドンに命じて洪水を起こさせたんじゃないかな?と思います。
神からの警告
大筋の話としては、デウカリオンが神から洪水のことを警告されて、ノアと同じく方舟を作って洪水から逃れる。という流れです。
この知らせた神というのが、
父プロメテウスから警告を受けた。という説。
ゼウスから警告を受けた。という説。
があるみたいです。
しかし、プロメテウスはコーカサス山に縛り付けられているハズで、どうやって警告したんだろう?
テレパシー?
ゼウスも警告する人間としてワザワザプロメテウスの息子にあたるデウカリオンを選ぶ?って気もします。
もしかしたら、プロメテウスが警告をして、方舟の準備をしているデウカリオンのことにゼウスは気付いていたが、敢えて見逃した。ということかも知れません。
(完全に僕の妄想です。)
方舟で洪水を生き延びる
とにかく、デウカリオンは方舟を作って、妻ピュラと両親(エピメテウスとパンドラ)を乗せて大洪水を生き延びました。
あれ?プロメテウスは?
多分コーカサス山の頂上は洪水から逃れたのでしょう、多分。笑
そして、洪水から9日後にようやく水が引き、方舟は山の頂上に乗り上げました。
デウカリオンはゼウスに生贄と祈りを捧げました。
ゼウスはこの祈りを聞き、伝令の神ヘルメスを遣わせました。
そこでデウカリオンは
「人間を新しく蘇らせて欲しい」
と願いました。
(妻と二人で頑張ればええやん。とも思うんだけど。)
ゼウスはその願いを受け入れて、デウカリオンが投げた石が男性に、ピュラが投げた石が女性となり、再び地上には人間があふれるようになりましたとさ。
ちなみに、デウカリオンとピュラにはヘレン、アンピクテュオン、プロトゲネイアらをはじめとした子供ができました。
特にヘレンは古代ギリシア人の祖となりました。
そこから、いろんな系譜に派生して数々の英雄達が活躍する時代が訪れるのでした。
めでたし、めでたし。
他の神話の大洪水
今まで紹介した大洪水のエピソードを並べてみます。
旧約聖書
メソポタミア神話
ケルト神話
※大洪水の後から物語が始まる。
他、インド神話にも大洪水のエピソードがあるみたいです。
共通して、
神、または神々の王が人間に嫌気がさして洪水を起こすが、洪水を起こす神か別の神が、特定の人間に警告をして、その人間が生き延びる。
という、パターンなのですが、インド神話の方は詳しく読んでないから当てはまらないかも知れません。
最後に
大洪水=ノアの方舟ってイメージですが、こうやってみると、結構な数の神話で大洪水のエピソードはあるみたいですね。
神の怒りを買い、人類の大半が滅びる。という拡大解釈すれば、もっとあるかも。
今後もエピソードを紹介する中で、他に類似があれば(僕が見つけられたら)取り上げていきたいと思います。
次回からは、英雄達の活躍を書いていきたいと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。