どうも、元山狐です。
前回見事ミノタウロスを退治したテセウス。
悲劇により父アイゲウスを亡くし、正式に王位を継ぐことになりました。
有名なテセウスのエピソードはここまでなんですが、彼はアテナイに迎え入れられるまで、そしてアテナイの王となってからも様々な冒険をしました。
今回はそんな冒険を軽く紹介するのと、テセウスの最後について書きたいと思います。
アテナイまでの陸路での冒険
テセウスの初回の記事で
テセウスはアテナに向かう経路として、安全な海路を選ばず、敢えて困難の待ち受ける陸路を歩み、道中で怪物や山賊を倒しながらアテナイに向かい、英雄としての名声を得ていきました。
と書きました。
道中で倒した者を簡単に紹介します。
ペリペテス
このペリペテスは鍛冶の神ヘパイストスと言われています。
彼は棍棒を振るって、旅人を襲って殺していました。
テセウスも同様にペリペテスと遭遇し、戦うことになりますが、逆に倒します。
そして、ペリペテスが持っていた棍棒を気に入って自分の武器としました。
どっちが賊だよw
巨人シニス
海神ポセイドンの子と言われています。
怪力の盗賊で、2本の松の木をたわませ旅人の足にくくりつけ、その体を引き裂くといったことをしていました。
神の子なのに、随分残酷なことをしますね。
テセウスはそんなシニスを、彼がしてきた同じ方法で殺したそうです。
で、シニスを殺した後に、シニスの娘ペリグネと交わって一子もうけています。
大猪パイア
ヘラクレスの難業でエキドナとテュポンの子が怪物としてたくさん登場しました。
この大猪のパイアもエキドナとテュポンの子になります。
しかし、テセウスは戦闘に優れていたので、パイアを一撃で倒したそうです。
盗賊スキロン
傲慢な盗賊だったとされていますが、テセウスの母アイトラの兄弟ヘオニケの子なので、テセウスの従兄弟にあたります。
彼は旅人に無理やり自分の足を洗わせて、その最中に海に投げ込み、海中に棲む大きな海亀のえさにしていたそうです。
足を洗わせる意味とはw
で、テセウスは逆にスキロンを海に投げ込んで、海亀の餌にしました。
ケルキュオン
ヘパイストスの子とかポセイドンの子とか言われています。
彼は旅人にレスリングの試合をしかけ、負けた物を殺していました。
が、テセウスはそれを返り討ちにしました。
山賊プロクルステス
プロクルステスは旅人を
「休ませてやろう」
と声をかけて、相手を自宅に招いていました。
そして、相手が寝付いたところを、
相手の体が寝台からはみ出していたら、その部分を切断。
相手の体が寝台の長さに足りなければ、体を引き伸ばす拷問にかけた。
そうです。
※こいつも目的が全くわかりませんねw
で、テセウスはこのプロクルステスを客と全く同じ目に遭わせて殺しました。
ヘラクレスと冒険に
テセウスはヘラクレスと同時代を生きた英雄です。
以前ヘラクレスの難業で
「アマゾンの女王が身につける腰帯を持ってくる」
という任務がありました。
テセウスはその冒険に参加していまして、アマゾンの女王ヒッポリュテの妹アンティオペを連れ帰り、妻として息子ヒッポリュトスをもうけました。
イアソンのアルゴナウタイにも参加
見出しのとおり、イアソンの金羊の毛皮を求めたイアソンの冒険にも参加をしたとあります。
が、イアソンはこの冒険でメディアと結婚し、後に裏切られて、アテナイの王アイゲウスの妃となりました。
で、テセウスはこのメディアに毒を盛られかけたなどあって、アテナイの王子になりました。
その後、ミノタウロス退治をして、帰還し王となったのですが、時系列的に王となった後にこの冒険に参加するとなると時系列的に辻褄が合わないことになります。
あまり深く考えても仕方ないと思うのですが、テセウスがアテナイを目指す前のことだったのかも知れませんね。
盟友ペイリトオスと冥界へ
見出しにも書いている盟友ペイリトオス(彼もイアソンのアルゴナウタイに参加した)と冥界に行き、ペイリトオスは冥界の王ハデスの妻ペルセポネを我が物にしようとしました。
しかし、2人はハデスに図られ「忘却の椅子」という、自分が何者かも忘れてしまう椅子に座らされてしまい、何もかも忘れて座り続けました。
しかし、後にヘラクレスが難業でケルベロスを連れて行こうとした際に助けられたそうです。
テセウスの最期
妻のアンティオペに先立たれ、テセウスはアリアドネの妹にあたるクレタ王の娘パイドラを妻にしました。
しかし、パイドラは義理の息子ヒッポリュトスに恋をしてしまいます。
パイドラは思いを打ち明けましたが、ヒッポリュトスはそれを拒みパイドラを非難します。
夫への発覚を恐れたパイドラは
「ヒッポリュトスに辱められた」
と遺書を残して自殺してしまいました。
テセウスは怒って、ポセイドンに祈り、ヒッポリュトスを殺します。
が、後に真実をしったテセウスは深い悲しみに包まれることになりました。
晩年は前述の冥界に行っていたことで、長く国を留守にしていた間に王位を追われ、スキュロス島のリュコメデス王の元に身を寄せていましたが、リュコメデス王は
「テセウスに王位を奪われるのではないか」
と恐れて、テセウスを崖から突き落として殺してしまいました。
その後、テセウスの死を悼んだアテナイの人々は、他の島へと非難していたテセウスの子供らを王位に迎え、テセウスを英雄として祀ったそうです。
最後に
なんか最後の方はかなり端折って詰め込んでしまったようなカンジになっちゃいました・・・。
が、とりあえず英雄テセウスについて3回に渡り紹介をしてきました。
次はオイディプスという英雄を紹介し、その後はギリシア神話の佳境となるトロイア戦争へと進めていきたいと思います。
では、最後までお読みいただきありがとうございました。