新約聖書-7 最後の晩餐

どうも、元山狐です。

前回イエスが、様々な人達と対立したという話を書きました。
イエスを憎む人々は、あれやこれやとイエスを殺す方法を相談していました。

この頃イエスには自分をこれから待ち受ける運命を予知していて、この先自分が命を失うことを知っていましたが、それでも彼はメシアとしての使命を果たそうと決心して、エルサレムに向かった。
といったことを書きました。

新約聖書-6 イエス・キリストと対立する人々

ということで、続きを書いていきます。




ユダの裏切り

では裏切りで有名なユダさんの部分をご紹介しますね。

ある日、イエスを憎んでいる大祭司長カイファの家に、ある人が来ました。
そうです、ユダです。

彼は、大祭司長と、家に来ている律法学者や長老たちに訪ねました。
「イエスをあなた達に引き渡せばいくらくれますか?」

大祭司長らは銀貨30枚と答えました。

(・∀・)ニヤリ

ユダはそれを受け取りました。

ちなみに銀貨30枚の価値ですが、当時の奴隷1人の値段くらいだそうです。

大祭司長らはイエスを奴隷同然の価値のない人間と評価をし、ユダもそれを受け取った。

ということで、裏切った理由が「金の為ではなかった。」ということだと思います。

お金目当てだとすると、この金額に不満を持って、2倍、3倍、いや、それ以上の金額を要求すると思うんです。

では、裏切った理由は一体何か?

  1. イエスがユダの期待どおり行動しないことが許せなかった。
    (ユダはイエスがローマ帝国を覆す軍事的英雄となることを期待していた節があります。)
  2. 自分の会計的な不正が明るみになることを恐れた。

などが挙げられますが、ハッキリはしていません。

なんだか、織田信長を裏切った明智光秀とも少し似ている気がしますね。
いずれにせよ、お金目当てではなく、もっと深層的な理由があったと思います。

また、その後の彼の行為を見る限り(それは次回に紹介します。)自分的には勝手に理由は1.だと思っています。
ユダはイエスの死を望んでいるわけではなく、イエスの考えを改めさせる為にこういう行動に出たと思うからです。

最期の晩餐

過越という、ユダヤ教の宗教的記念日があります。
(エジプトの地で奴隷となっていた、イスラエルの民達がモーセの指導でエジプトを脱出したことを記念しているそうです。)

そんな過越が近づくと、イエスは弟子らと食事をすることにしました。
これが後に「最後の晩餐」と言われます。

前回の記事にも書きましたが、イエスはこの時点で自分の運命がわかっていました。

なので、弟子たちにこれが最後の食事となることを告げました。

そして、パンを裂いては、弟子たちに分け与えこういいました。
「これはあなたがたのために与えられる私の体」

更にぶどう酒の入った盃を回すと、こういいました。
「これはあなたがたのために流される私の血。」

こうして妙な雰囲気になったところで、更に続けました。
「この中の1人が、私を裏切ろうとしている!!」キラーン

弟子たちは、とても驚いて
「まさか私のことでは!?」
と困惑しました。

これは、意図せずイエスを裏切ることになることを恐れているのだと思います。

これが、それぞれイエスに不満を持っていて、みんな裏切る動機十分!とかだったらちょっと、ギャグですよね。
(とか妄想しながら「なーんちゃって、フフフ」と記事を書く僕であった。)

そして、誰が裏切るんですか!?
と聞く弟子たちに対し、イエスはユダにパンを千切って渡します。

恐らくユダ本人は
ギクッ∑(゚Θ゚)
とはなったでしょうが、他の弟子には何が何やらわからなかったようです。

オリーブ山へ

この晩餐の翌日、イエスはオリーブ山を目指しました。

イエスはこの先、弟子たちが自分を見捨てるこを話していました、弟子たちはそれを拒否しました。

特にペトロは決して裏切らない!と答えたのですが、イエスはそれに対し
「鶏が泣くまでに3度、私のことを知らないと言うだろう。」
と答えます。

で、オリーブ山にはペトロ・ヤコブ・ヨハネを連れていきました。
この3人は、12使徒の中でも初期メンというか、はじめに弟子になった4人(シモン・ペトロとアンデレ、そしてヤコブとヨハネという兄)のうちの3人です。

シモンは12使徒の中では最も高齢で、12使徒のリーダー各、ヤコブとヨハネは「雷の子ら」と呼ばれるくらい気性の荒い人物だったので、心強い3人ということなんでしょう。

イエスの12人の弟子たち「12使徒」については、以下の記事で紹介しています。

新約聖書-4 イエスと12使徒-1

新約聖書-5 イエスと12使徒-2

で、実際に山に向かうことになりました。

イエスは死の悲しみを感じて悶えるように祈った。
とあります。

いかにイエスと言えど、やはり死に対する恐れや恐怖というのはあったらしく、でもメシアとしての使命を全うするんだ・・・。という決意があって、かなり壮絶な精神状態だったんじゃないでしょうか?

そんな時、この頼もしき3人の弟子たちは!!

寝ていました

イエスは彼らを何度も起こし、叱ったとあります。
ちょっと人選に問題があったのかも知れませんね。

とうとう捕らえられる

そして、道中でイエスはこういいます。
「私を裏切る者が来た・・・」

弟子が3人しか連れていない今がチャンス!
そう考えたユダが、剣や棒を持った、祭司長らを連れて現れました。

そして、以前も紹介したこのシーンです。

ユダ
「ブチュー!!」

イエス
「・・・(真顔)」

これが、イエスを捕らえる時の合図だったそうです。

・・・もっといい合図はなかったんでしょうか。

そして、祭司長らは予定どおりイエスを捕らえました。

その時、弟子のペトロが剣を持っていたので、祭司の部下の耳を切り落としました。

が、イエスに
「やめなさい!剣を持つものは剣によって滅ぶ。」
と制止しました。

そうなると、もうただイエスが捕らえることを見ているしかできず、結局は逃げ去ることになります。

大司祭カイファのもとへ

そして、捕らえられたイエスは大司祭カイファのもとに連れて行かれました。

そこで大司祭カイファはイエスに問います。
「アナタは神の子、メシアか?」

それに対して、イエスはそうだと答えます。

するとカイファは
「これは神に対する冒涜だ!
この男は死刑にすべきだ!」

と怒鳴ったといいます。

一方その頃ペトロは

イエスが捕らえられた時点で逃げたペトロは、外で様子を伺っていました。

その際に民衆から
「イエスと一緒にいた人じゃない?」
と聞かれますが、彼は知らない。と答えます。

それが3回あった直後に、鶏が泣きます。

「鶏が泣くまでに3度、私のことを知らないと言うだろう。」

イエスの言った言葉を思い出し、ペトロは激しく泣いたそうです・・・

最後に

かなり長くなってしまいましたが、ユダが裏切りを決意し、最後の晩餐、イエスが捕らえられるまで。
を一気にご紹介しました。

ここからの話しの展開としては、イエスは裁判にかけられることになります。
もう、本人も予言しているので「死」は確定したようなもんですが、この先もまだドラマティックな展開が待っています。

では、最後までお読みいただきありがとうございました。